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    「夕空のクライフイズム」、最高の負け試合をして美しく散りましょう

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    夕空のクライフイズム 1 (ビッグコミックス)

    美しく敗れることは恥ではない

    飼い猫が女子高生になった「ミル」で胸熱なグッとくる話を描いた手原和憲先生は、スピリッツでたまにサッカー漫画の読み切りを描いていたんですけど、こちらも素晴らしかったわけです。で、スピリッツ本誌でサッカー漫画が連載されました。それがこの「夕空のクライズム」である。ぶっちゃけ今のところ、サッカー好き以外にはお勧めとはいえんかも。でもサッカー好きなら琴線に触れるでしょう。

    まあ、公式サイトで1話まるまるではありませんが、12ページだけ(中途半端な…)試し読みができますので、まずは読んでみてちょうだいな。雰囲気は掴めるか、と。
    「夕空のクライフイズム」公式サイト

    舞台は県内ではそこそこの強豪で全国大会を狙うには「あと一歩足りない」ぐらいの木登学園。2年生の主人公・今中は補欠である。ドリブルだけが武器でガンガン抜いていくスタイルが、堅実で無難なサッカーを目指す監督から干されてしまっている。で、ある日、事件が起こる。監督が他校に引きぬかれてしまったのだ。新監督としてやってきたのは中学時代の恩師で、これがとんでもない目標を掲げたのであった。

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    とんでもない目標

    新監督
    「最強のチームを相手に美しい攻撃サッカーを披露します。技術は輝き、アイデアにあふれ、観る者を虜にする。気の毒な相手はもうフラフラです。そして観衆の熱狂の中、ホイッスル。その時…自然発生するスタンディングオベーション。自分達のプレーに満足し、喜び合う皆さん――どうです?いいでしょう?そんな…そんな負け試合を、するのが目標です!」

    負け試合かよ!
    まあ、確かに野球でも一番面白いスコアは8-7って言われていますからね。ようするに点の取り合いである。「夕空のクライフイズム」でもサッカーの、ヨハン・クライフのサッカーを目指すという事でオフェンスの鬼・流川楓もビックリな超攻撃サッカーを目標に掲げるのであった。

    美しく敗れることは恥ではない
    無様に勝つことを、恥と思え


    クライフを中二病サッカーと言うセンスも素晴らしいですが、作中で描かれるサッカーのうんちくもなかなかどうして。サッカーに詳しくないと全然面白いと思わないんじゃないかという気もしますが、作者のサッカー好きという感じがこれでもかと伝わってきます。

    今まで堅実な、言いかえれば勝つためにつまらないサッカーをしてきた部員たちは、突然の監督逃亡と新監督のめちゃくちゃな目標に、残りの高校生活のサッカーを諦めるのですが、主人公の今中は1人ワクワクしているのでした。

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    ワクワクする今中くん

    面白いサッカーをしてド派手に散る
    なかなか面白いアプローチ方法である。

    勝利よりも面白いさ重視
    まあ、これはサッカーに限らずスポーツの大論争になるところではありますね。スポーツなのだから勝てばいいという人もいれば、面白い魅せる試合をしろという人もいる。「勝利絶対主義」か「エンターテイメント」かとい二論は絶対に決着がつかないと思いますわ。

    野球で例えて申し訳ないですけど、一時期プチ黄金期ともいえる強さだった落合中日は、中日ファン以外からみれば死ぬほどつまらない試合をしてたんですけど、当の落合監督は「勝つことが最大のファンサービス」と言い切り最後までブレなかった。これも一つの正解でしょう。ただ、中日ファン以外から見たら、「1-0」のスコアばっかでつまんない試合だったわけです。

    そして「夕空のクライフイズム」は誰が見ても面白い試合をしようというテーマではじまるわけです。とはいえ、クライフは選手としても監督としても面白いサッカーをして尚且つ勝ったからこそ今でも認められてるわけで、予選の一回戦でポロっとノーガード戦法で負けてたらボロクソ言われるだろうし。

    つまり、「夕空のクライフイズム」はド派手に散る事を目標に掲げているけど、あくまでもある程度は勝たなくてはいけないと思うわけである。現に、新たに就任した雨宮監督も就任にサラッと述べている。

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    就任の折に

    「とにかくガンガン攻めるチームを作り、最終的に…『皆さんが全国で一番の、引退試合をすること』でいかがでしょうか?」

    舞台の木登学園は全国を狙うのにあと一歩足りない程度のランク。でも全国は目指すようだ。ガンガン攻めるスタイルで。そして最後にド派手に散る。ようは、攻めるスタイルで県予選を勝つ気なのであろう。やはり勝たなきゃ面白くないしね、尚且つ面白いサッカーをして勝てば最高だろう。

    勝たなくてもいいというスタンスで始まり、面白いサッカーをして勝つ方向へいく感じ(違うかも知れんが)。2話からは戦術とか選手の弱点克服といった角度で描かれていく。熱血サッカー漫画というよりは、淡々と描かれるわけですけど、それが丁寧に「サッカーは面白い」という事を語ってくれます。なかなかの青春物語であります。グッとくるシーン多数。今後どうなるか分かりませんが期待大ですね。

    つまり、ヒロインの雨ちゃん可愛いという事です。

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    雨ちゃん

    ヒロインの雨ちゃんは、昔サッカーやってたらしくムチムチの太い太ももに作者の業を感じました。また、「体操着+スカート」の組み合わせといい、たまに見せる乙女の表情が素晴らしすぎるというものです。ようするに雨ちゃんは可愛い(結論)。

    夕空のクライフイズム 1 (ビッグコミックス) 夕空のクライフイズム(1)

    著者:手原和憲

    中2病監督が挑む痛快・高校サッカー物語!勝つことにこだわっても、どうせどこかで負けます。だったら美しいサッカーにこだわりましょうよ。最高の負け試合をして、絶頂の中で美しく散りましょう!

    68m: 手原和憲 高校サッカー短編集 (ビッグコミックス) 68m: 手原和憲 高校サッカー短編集 (ビッグコミックス)

    著者:手原和憲

    珠玉の高校サッカーオムニバス、待望の刊行!「ビッグコミックスピリッツ」誌上にて不定期掲載され、その度に人気を博してきた読み切り短編を余すところなく収録、1冊にまとめました。

    ミル 1 (ビッグコミックス) Kindle版:ミル(1)(2)(3)(4)(5) (6)

    著者:手原和憲

    上京して一人暮らしをしている平凡な大学生・アキ(彼女なし)のもとに、実家で飼っている猫のミルがアキを慕って押しかけてきた。それも女子校生の姿で―。その日から、自称「化け猫」のミルとの奇妙な同棲生活がスタートすることに…。
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  • 「14歳の恋」、ギャップ萌えの神髄なり

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    14歳の恋 4 (楽園コミックス)

    ふおぉぉぉぉぉぉぉ!!
    「14歳の恋」4巻が発売されました。この漫画はクラスの中では大人っぽい14歳の吉川和樹と田中彼方の2人がひたすらイチャコラするだけなんですけど、そのシチュエーションと初々しさが素晴らしい。もうね、頬を全力で緩めてニヤニヤするのみなのである。
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    4巻は衣替えと体育祭である。
    暑い日に1人だけ冬服を着てくる彼方、寒い日に1人だけ夏服を着てくる和樹。体育祭実行委員に選ばれて色々とやる事が多くて寂しい彼方。そしてやることはイチャイチャなのである。というか「14歳の恋」は1話毎に、最後にビッグバン級の破壊力の悶絶展開を炸裂させるのがお決まりなのですけど、まあそれが素晴らしいのなんの。

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    ビッグバン炸裂

    悶絶。

    水谷フーカ先生は「2人だけの空間」を描くのが上手いんですけど、これが本当にハマるのである。和樹と彼方の2人だけの世界が1話毎のラストで描かれるんですけど、どれもこれも「うっぴょー」って叫びたくなるぐらいの破壊力を秘めているのである。

    ズバリ申して「14歳の恋」の面白いところはいつまで立っても変わらない「ピュア」さに有り。もうね、読んでるこっちが小っ恥ずかしくなるってぐらいの初々しさ全開なんですもん。1巻からこの初々しさはまったく変わっていない。安西監督が「まるで成長していない」と言うレベルで変わってない。だが、それがいい!

    とはいえ「14歳の恋」4巻はメイン2人はオマケといってもいいぐらいなのであります。というのも、脇役の活躍こそがキモであるからである。あえて言おう!もはや「14歳の恋」は和樹と彼方の物語ではない、と。もうこれは青春群像劇である。それぞれの14歳の恋が走り出すのでありますん。

    志木葵の14歳の恋は相変わらずの空回りで素晴らしい。
    初登場のもじゃこと土井(3年生)も素晴らしい。というか「14歳の恋」というタイトルからしてこの2人はまだ誕生日を迎えていないから14歳という事でいいのだろうか。まあ、本当に各人の14歳の恋が素晴らしいのなんの!

    そんな中でとりわけ私の心の琴線を鷲掴みにしたのは2つのカップルである。1つはオマケというか外伝的な位置づけのエピソードなのですけど。これがなんというか懐かしさが溢れるサービスっぷりなのである。彼方たちのクラスメイトの一瀬くん。彼はバスで年上の女性に出会うんですけど…。

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    大人だって可愛いじゃん

    どう見ても「GAME OVER」の2人です。
    本当にありがとうございました!

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    「GAME OVER」珠玉のラブコメでニヤニヤが止まらない

    Game over Game over
    著作:水谷フーカ
    ある美人OLが通勤のバスで、隣に座っている男性を自分の美貌を意識させて二度振り向かせたら勝ちというゲームを繰り返す。ある日、ターゲットに選んだ中学生男子が楽勝と踏んでいたら、まったく振り向きません。リベンジに燃え、毎日ゲームを繰り返すも全て黙殺。そして段々と中学生男子を意識している事に気付き…という内容。

    こいつは嬉しいエピソードである。
    「GAME OVER」では語られなかった2人の出会いというか初めての接近のエピソードであります。「GAME OVER」では隣に座って振り返らせるってところからスタートしましたが、実は一瀬くんのほうが先に知っていたんですねぇ。こいつは「GAME OVER」を補完するのも良し、モチのロンで知らなくても珠玉のエピソードであります。

    んで、「14歳の恋」4巻のキモといえば、どう見ても長井と日野原先生の2人なのは言うまでもありませんね。圧倒的破壊力であります。メイン2人と同様に衣替え&体育祭のエピソードがあるんですけど、どっちもクソ素晴らしいの一言である。というか、「14歳の恋」は日野原先生による日野原先生のためにあったと言っても過言ではありません

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    日野原先生&長井

    日野原先生が体育祭のリレーで勝ったら「キスしてあげようか」と長井をおちょくるの図。そも、日野原先生ってのはそういうキャラなのである。いつも大人の上から目線で長井をからかう感じの魔性の女なのであります。

    彼方が庇護欲をそそる守って上げたくなるヒロインならね、日野原先生はイジめてやりたいヒロインの筆頭なのである。だって、その冷酷な大人スマイルといい、高飛車な態度といい、憎たらしい言動といい…ね。長井じゃないですけど、いつかやり返してやりたくなっちゃうのは人の常でありましょう。

    それがいかんなく発揮されるのが5巻なんです。
    長井が体育祭でテーピングしてまで頑張った後の、日野原先生への反撃が開始されたのである。この長井の反撃は「マヴラブ オルタネイティブ」で追い詰められた人類が最後に大反撃を仕掛けた時ぐらいの爽快感がありました。キモティー!

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    長井の反撃を食らった日野原先生の図

    日野原先生が可愛すぎる。

    もうこの一言だろう。作中で最高の悶絶度を計測しましたね。
    スカウターもボンと破壊されるレベルの悶絶力であります。普段が強気で、子どもをからかうような態度だった日野原先生が長井の反撃によって撃沈してしまいました。ギャップも相まって凄まじい破壊力を生んでいる。強気で小生意気な大人の女性の少女のような撃沈っぷりがこんなに男心をくすぐるなんてね。これが愉悦ですね。最高と断じるのに些かの躊躇もないわ!

    14歳の恋 4 (楽園コミックス) 14歳の恋(4)
    14歳の恋(3)
    14歳の恋(2)
    14歳の恋(1)

    Kindle版:14歳の恋(2)
    Kindle版:14歳の恋(1)

    著作:水谷フーカ