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    「20世紀少年とは何だったのか」(再掲載)

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    浦沢直樹先生の「20世紀少年」の最新刊「21世紀少年(下)」が発売されました。これで「20世紀少年」は完結したわけですが。最大の謎であった「ともだち」とは誰だったのか。作中でともだちの正体はフクベエこと服部だった事が明らかになりますが、フクベエが死んだ後も、ともだちは活動していました。コイツの正体がいよいよ明らかになるわけですが…。

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    おまえさ…カツマタ君だろ…

    「よお、おまえさ…カツマタ君だろ…」

    ともだちの正体はカツマタ君…、って誰やねん

    まいったまいった、カツマタ君と聞いても全然ピンと来なかった自分に絶望しつつ、せっかくですのでカツマタ君とは一体何者だったのか振り返ってみたいと思います。

    最初に名前が登場したのはドンキーの通夜でモンちゃんが6年生の時に、水槽洗う係りで空気ポンプのスイッチを入れ忘れた事に気付いて、夜の理科室へ行った時の話をしだします。そこでモンちゃんは唐突に切り出します。

    カツマタ君ていただろ?

    マルオはすかさず「ああ、あの何だか知らないけど、突然死んじゃった…」、続けてケロヨンも「そう!理科の実験大好きのカツマタ君。フナの解剖の前日に死んじゃって。」、ケンジとヨシツネも思い出します。「解剖したかったのにできなかったから、夜な夜な理科室にバケて出て、解剖してるって話!!

    カツマタ君…いきなり死んじゃってました。しかも怪談にされてしまっています。カツマタ君は理科の実験が大好きだったものの、フナ解剖の前日に死んでしまったらしいです。

    死んでしまったカツマタ君は、思わぬところで再び語られます。ヤマネの片腕として大福堂制約で細菌研究をしていたという戸倉が、ヤマネについて語る中でこんな台詞があります。

    「そう…彼、こんなことを言ってた…。小学校の時、仲の良かったコが死んだって…そのコは理科が大好きな子でね。解剖実験を楽しみにしてたのに、その前日に死んじゃったんだって。でも、彼は寂しくなかったんだ…。夜ごと学校に忍び込んでは…、その仲の良かったコの幽霊と、実験を繰り返していたんだって。」

    カツマタ君…化けて出ちゃったようです

    ここまででカツマタ君は理科が大好きな生徒で、ヤマネとは仲が良く、フナ解剖の前日に死に、死後は夜の理科室で幽霊となってヤマネと実験を繰り返した。

    その後、ユキジはともだち(フクベエ)の嘘について考える中で、6年生(1971年)の頃に、何が起こったか思い出し、唐突に「フナの解剖…男子が騒いでたよね…、実験大好きな子の幽霊が出るって…」と語っていました。どうやら、カツマタ君は6年生の時の男子の中で一躍時の人となっていたらしいです。怪談として

    そして6年生の頃に、理科室でドンキー見たものがの明らかになります。この時、モンちゃんとケロヨンがドンキーに、なんで夜の理科室が怖いのかと尋ねられ、「カツマタ君が化けて出て、フナの解剖してるんだぞ!」と回答。お化けなんていないと断言するドンキーを加えて、ドンキー、ケロヨン、モンちゃん、コンチの4人は夜の理科室へ向かうのでした。

    ビビる3人を尻目に突き進むドンキーは、理科室でフクベエの首を釣って甦るシーンを目撃。トリックと断言するドンキーに対して、フクベエは「絶交」を宣言し襲い掛かるフクベエの手下ヤマネサダキヨ

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    襲い掛かるヤマネとサダキヨ

    はてさて、モンちゃんたちが理科室に行くのは6年生の頃(1971年)の出来事だったわけですが、サダキヨは5年生(1970年)の1学期に転入してきて、2学期になったら転校し、中学2年(1973年)の時に「COM」という漫画雑誌に収録されている「火の鳥」の新章が読みたくて再びケンジ達の住む街を電車に乗って訪れます凄く懐かしかったと感想を述べていました。

    5年生の頃の1学期(と夏休み)しかいなかったサダキヨが、6年生の頃に起こった理科室の出来事に、なぜいるんでしょうか…。ドンキーに襲い掛かった、ナショナルキッドのお面の少年あんた誰?

    この謎のついては後のフクベエ視点から見た過去から明らかになるわけですが…。

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    帰ってきたサダキヨ

    まさか5年生で転校したはずのサダキヨが6年生のエピソードでも登場してたのは、毎回電車に乗ってケンヂ達のまちへ遊びに来ていたという事なのでしょうか…。なるほど、一応辻褄は合います

    そういえばサダキヨがフクベエと出会うシーンでは、同級生にボコボコにされて間抜けなほどタイミングの悪い担任に声をかけられ、「友達が欲しかったんだ。」とサッカーをするグッチィ達や学級新聞を作るノブオ君達に仲間に入れてもらえず、こんな事を言ってました。

    僕が本当に仲間に入りたかったのは…僕が本当に友達になりたかったのは…あの秘密基地をつくってたケンヂ達だった…

    そして忍び込んだ先にフクベエがおり、「よげんの書」を見て、フクベエに「友達になってくれる…?」と尋ねていました。サダキヨ視点では、いじめられて何処の仲間にも入れず一番入りたかったのは秘密基地を作っていたケンヂたちのグループだったと語っていました。どう見ても5年生の頃のやり取りです。

    フクベエ視点でのサダキヨと出会うシーンでも、サダキヨ視点とまったく同じやり取りをしていたわけですが、フクベエ視点ですと…。

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    フクベエ視点だと、1969年

    1969年ってあんたらまだ4年生じゃないですか。あの…サダキヨはまだ転入してきてませんよ。もうわけ分りません。フクベエはサダキヨと1969年(4年生)と1970年(5年生)と2回出会っているのでしょうか、サダキヨが2人いるのか、ただのミスなのか

    話がそれましたが、カツマタ君についてはフクベエも鏡を見ながら自分は誰だと呟くシーンで登場します。

    「君は…誰?サダキヨ?くく…違うよ、くく…君は…カツマタ君?くくく、違うよ。じゃあ君は、誰?」

    カツマタ君が一体何者なのかまったく分りません。

    フクベエの変わりに”ともだち”となっていたカツマタ君ですが、あっさり死んでしまい面が明らかになってしました。

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    面が明らかになった新たなる"ともだち"

    フクベエとまったく同じ顔でした。整形手術なのか、もともとフクベエと同じ面だったのかは、まったく分りません

    「21世紀少年」でもカツマタ君については、ケンジの替わりに万引き犯扱いされたり、フクベエに「おまえは今日で死にました」と言われたりと、散々な扱い。フクベエと一緒にヤマネにまでいじめられていました。ヤマネとカツマタ君…全然仲良くないです

    明らかになったのはカツマタ君が5年4組の生徒だった。反陽子ばくだんのメモは既にサダキヨに渡していた。5年生の夏は、サダキヨの他にナショナルキッドのお面をつけた少年がもう一人いたこと。カツマタ君については全然分らずじまい

    そういえば、フクベエが万博へ行ったという嘘の5年生の夏休みで、サダキヨのお面を被ったフクベエはサダキヨと間違えられ、ボコされたりする中でケンヂにも出合っていました。小5の時に起こった首吊り坂事件です。

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    ケンヂと出会うフクベエ

    「よおっ。おまえも来てたのか。」と顔馴染みの相手とのやり取りをしていました。ケンヂはナショナルキッドのお面をかぶったサダキヨが来たと思ったのでしょうか。そして「おまえ、お面なんかとれよ」と言うケンヂに従って、お面を取ったフクベエ。

    フクベエの面を見ても、ケンヂは気にもとめません4年3組の同級生で万博について色々聞いたり、肝試しの為にわざわざ家まで訪れたフクベエの面をケンヂが知らないわけありません。それでも、ナショナルキッドのお面の下がフクベエだった事に何の反応もないケンヂ。

    サダキヨだと思っていたなら普通は少しぐらい反応してもよさそうなものですが、5年生の時はサダキヨとカツマタ君がナショナルキッドのお面をかぶっていました。まさか、カツマタ君はフクベエと子供の頃から同じ面だった為に、ナショナルキッドのお面の下のフクベエを見ても、ケンヂはカツマタ君だと思って何の反応もなかったのでしょうか。双子か?さらにケンヂとオッチョとサダキヨは何を見て慌てて逃げ出したのか。この辺の伏線もまったく解き明かされることなく終了してしまいました

    最大の謎はモンちゃんとケロヨンたちが、理科室へ行った時に、「コンチがいたな…あともう一人…誰だっけ?」とモンちゃんは、ドンキー、コンチ、ケロヨン、モンちゃん以外にもう一人いたと言っておりました。回想シーンでも確かに5人います

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    理科室へ向かう5人

    5人目は一体誰だったのか、これがカツマタ君?こちらも最後まで明かされませんでした。"ともだち"の永遠の命とは何だったのか、チョーさんメモの内容(本当にカツマタ君まで辿りついていたのか)など最後まで未解決

    解き明かされなかった伏線を含め、読めば読むど、まったく分らなかったです。カツマタ君って誰?

    私、山田は意味が分りませんでした。なぜ、意味不明なのかはわかりません。ただひとつ判る事は、伏線が回収されなかったということです。ヤマネとサダキヨは犯人の一味。他にも沢山の謎。ナショナルキッドのお面を所有。『首吊り坂をもう一度よく調べてください。ケンヂたちは何も見たのか。伏線は回収されてません。』どうしてこんなことになったのか、私にはわかりません。 これをあなたが読んだなら、その時、私は「20世紀少年」の解読を投げ出しているで しょう。…伏線を解き明かすか、明かさないかの違いはあるでしょうが。 これを読んだあなた。どうか真相を暴いてください。それだけが私の望みです。


    追記
    こんなにメール貰うのは何年ぶりでしょうか。やはり浦沢先生の作品の反響のでかさは凄いな、と。みなさんの推理とか「20世紀少年」の考察は非情にためになったのですが、結局作中に答えはないな、と。特にカツマタくんの正体などどうでもいいという結論はなるほどと思ったり。
  • 「ドラゴンボール」が出来るまで!(再掲載)

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    ドラゴンボールの作者鳥山明先生は次の展開をまったく考えていないとも述べられるほど、行き当たりバッタリ。まさに明日が無いジャック・ハンマーのような状態でドラゴンボールを連載してたのは有名な話です。

    しかし、初期はきちんと展開を考えていました。当初は、ドラゴンボールを七つ集めれて終わる予定だったのもファンの間では有名です。

    ジャンプといえば、巨匠と言えども容赦なく打ち切る雑誌です。ドクタースランプで大ヒットをとばした鳥山先生といえども、人気が出なければ打ち切られます。そして、初期のドラゴンボールは人気がありませんでした。

    その時、担当の鳥島氏に「キミの主人公は地味だね。だから人気ないんだ」と言われた鳥山先生がカチンときて、天下一武道会を始めたら人気がうなぎ上り。という温かいエピソードで超大ヒットとなったドラゴンボール。

    しかも、現在のジャンプ連載陣の漫画家のほとんどがドラゴンボールファンだったというから驚きです。凄い影響力です。まさに現在の手塚治虫と言えます。

    漫画家は人気があるだけでも凄いのですが、鳥山明先生は原稿を落とさない事でも有名です。どんなにきつくても原稿を落とさない。

    何でもサラリーマン時代に締め切りは絶対だと叩き込まれたらしいです。締め切りもキチンと守るという主義に感服です。まさに漫画家の鑑ですね。どこかの漫画家とは偉い違いです


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    集英社が誇る売れっ子漫画家の鳥山明先生。何故、集英社なのかというと、朝が辛くてサラリーマンを辞めた鳥山先生が、お金がなかった為に賞金50万円欲しさに漫画を描き始めます。しかも、マガジンに

    そして、マガジンの締め切りに間に合わなかった鳥山先生。連載前はダメ人間じゃないっすか!マガジンの投稿が半年後となっていたので、毎月投稿を募集してたジャンプに漫画を投稿。人生も行き当たりバッタリですね

    ちなみに、「鳥山明」というのは本名です。最初は「水田ニ期作(みずたにきさく)」というペンネームにしようとしてたとか。


    ださっ!


    ドラゴンボールに元となった漫画が2つ存在することをご存知でしょうか。「騎竜少年(ドラゴンボーイ)」【フレッシュジャンプ83年8月号・10月号】と「トンプー大冒険」【週刊少年ジャンプ83年52号】という読みきり漫画です。

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    「騎竜少年」と「トンプー大冒険」

    騎竜少年は、背中に羽がある唐童(たんとん)の冒険。唐童(たんとん) の性格は悟空の原形であるといえます。中国風の世界もドラゴンボールの世界の原形だと思われます。2話目には、ウーロンの原形だと推測できる、変身する妖怪が登場します。

    トンプーの大冒険は、サイボーグ少年のトンプーが惑星を探索するために、宇宙を旅する話。この作品は、ホイポイカプセルの原形と思われるモノが登場。お湯の中でカプセルを入れると10秒でモノに変身。

    ここまでで、ドラゴンボールの原形はだいたい出来上がりました。しかし、肝心のキャラクターが出来てません。悟空達はどのようにして、出来上がったんでしょうか。

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    ドラゴンボール?

    上の絵は、別に子供の落書きではありません。『ボボボーボ・ボーボボ』の作者、澤井啓夫先生という一応プロの漫画家が描いたドラゴンボールです

    このように、プロの漫画家といっても、絵が上手だというわけではありません。しかし、鳥山明先生の絵は素晴らしい出来でした。

    ドラゴンボールのキャラクターを設定するまで、思考錯誤で色々と考えられました。まずは、1番最初の悟空の設定。


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    初期の悟空

    まんま孫悟空です。最初の悟空は、猿だったんですね。こんな猿から、世界中のヒーローの悟空が出来上がったんですね。ちなみに初期設定の仲間達。


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    初期設定のドラゴンボールの仲間達

    誰ですか?
    右のまんま猪八戒は、ウーロン?なんか、強そうで弱そうです。武器も持ってるし…左のウエスタン調の娘は、ブルマですか?ドクタースランプのみどりちゃん?このメンバーでドラゴンボールを集める予定だったんでしょうか…

    さて、まんま西遊記の孫悟空から、人間の孫悟空に代わります。第二稿のドラゴンボールを見てみましょう。

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    第二稿のドラゴンボール

    だいぶソレらしくなりました。この悟空は、ちょっとオシャレじゃないですか。ちんこを平気で見せる悟空とはちょっと離れてる感じです。

    ブルマらしき、女の子は銃携帯。ウエスタン調の女の子も銃携帯でしたから。この時からブルマは銃を乱射するイカレタ女にする設定だったんでしょう。

    さらに、ドラゴンボール完成間近の第三稿を見てみましょう。

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    第三稿のドラゴンボール

    もう、ほぼドラゴンボールですね。悟空は尻尾がないぐらいです。服もドラゴンボールの悟空。

    ブルマも見た目はほとんど変わりません。名前がピンチですが、なんでピンチという名前からブルマになったかは謎です。

    この時は、他のサブキャラクターも出来上がっています。

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    プー・アルとウー・ロン

    …。
    初期の予定では名前を外人みたいに『・』で区切る予定だったんですね。

    しかも、プー・アルが刀装備。まさか、プー・アルは闘うメンバーの予定だったんでしょうか。

    まあ、見た目は両方ともほとんど変わりません。ウー・ロンなんて、この時から一切変わってません。

    さて、ドラゴンボールを語るうえでも、ヘタレを語るうえでも外せない迷キャラクターは、一体どのような設定だったんでしょうか…


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    ヤム・チャ

    何かが違う。
    何かが違うけど、ヤムチャらしくていい。

    まあ、このようにしてドラゴンボールが出来上がったんです。