サンタクロースを何時まで信じてたかなんて事は、他愛もない世間話にもならないぐらいどうでもいい話だが、それでも俺が何時までサンタなどという想像上の赤福じーさんを信じていたかというと、これは確信を持って言えるが最初から信じてなどいなかった。幼稚園のクリスマスイベントに現れたサンタは、偽サンタだと理解していたし、オフクロがサンタにキスしているところを目撃したわけでもないのに。クリスマスにしか仕事をしないジジイの存在を疑っていた賢しい俺なのだが、はてさて空中浮遊分身人間オーラを出す人間瞬間移動超能力者悪魔やそれらと戦うアニメ的特撮的漫画的変人たちがこの世に存在しないという事に気づいたのは相当後になってからだった。いや、本当は気づいていたのだが、俺は心の底から空中浮遊や分身やオーラを出す人間や瞬間移動や超能力者や悪魔が目の前にふらりと出てきてくれることを望んでいたのだ。

しかし現実ってのは意外と厳しい。世界の物理法則が破綻していることに感心しつつ、何時しか俺はテレビのUFO特番や、心霊特集をそう熱心に見なくなっていた。分身人間、オーラを出す人間、悪魔、そんなのいるわけねぇ。でも、ちょっといってほしいみたいな。最大公約数的なことを考えるくらいまで俺も成長したのさ。 小学を卒業する頃には、俺はもうそんな、ガキな夢からも卒業して、この世の普通さにも慣れていた。俺はたいした考えもなく中学生になり、そいつと出会った。

5
悪魔

これ、笑うとこ?

さて、「テニスの王子様」は全国大会決勝戦。3年生は勝っても負けても引退試合です。都大会までは、1年生と2年生に負けて補欠にされ、ようやくレギュラーに復帰した関東大会では海堂とダブルスを組むものの、氷帝の宍戸&鳳ペアに惨敗。約15巻も補欠で、物語で初めてレギュラーになった公式戦で黒星。続く緑山という雑魚チームの高瀬&北村という、今となっては面すら思い出せないペアに6-1と勝利。準決勝の六角戦では出番がありませんでした。

しょせんは補欠…。せっかく命がけで補欠に叩き落した桃城は、他のメンバーの怪我などのおかげで、即効でレギュラーに戻り、その後も補欠は決まるものの、なんのかんので試合に出ていました。ガチで補欠をやっていたのは乾だけです

しかし、乾にも転機が訪れます。関東大会決勝戦の立海戦で2連敗した後にシングルスをやる場面が訪れます。相手は立海のビック3の一人柳。明らかに格上の相手に、数年前の試合展開をそのまま再現するというウルトラQをやって勝利しました。

こうして大金星を上げた乾は、全国大会も好調。全国大会1回戦の相手は比嘉中。6-3と好勝負をしたようですが試合展開はカットされていました。2回戦の相手は、記念すべき初公式戦で苦渋を味わった氷帝。宍戸&鳳ペアではなかったものの、向日&日吉ペアに勝利を収めます。

全国大会準決勝の相手は四天宝寺。手塚とダブルスを組むものの、「もはやこの勝負…俺達の入れる領域じゃあ無い」とラケットすら持たないで試合を傍観していました。手塚の活躍で、この試合も勝利。初公式戦には敗れたものの、そこから5連勝となかなかの成績でした。

迎えた決勝戦は海堂と組んで、柳&赤也ペアとの対戦です。乾はやる気満々で「来い蓮二、再度雌雄を決する時が来た!」とヤル気満々。さっそくデータテニスを駆使します。

「センターへのサービスの確率82%」。初めてのサービスプレイで82%の確率を叩き出す乾のデータは、一体どうなっているのか。しかし柳は「…とお前は言う」と先読み。試合はそのまま立海ペースで3-0。

しかし乾は強気に「データは揃った」と宣言。柳は「この柳蓮二がデータを易々と取らすとでも思ったのか?」と不適に言い放ちました。乾は「この3ゲーム、俺が取ったデータは…いやそんなハズは無い」と困惑しています。さらに、赤也に魔法を叩き込まれてメガネが吹っ飛びました。しかもメガネを踏み潰されてしまいました。忍足にメガネを借りるものの、伊達メガネだった為に見えません。しかし、乾は同じメガネを沢山用意していたのでした。

6

許斐先生は何を考えてこんなシーンを描いたのでしょうか、皆目検討もつきません。データもウォーターフォールも通用しない乾に海堂が叫びます。

「乾先輩っしっかりして下さい!!」

しっかりして欲しいのは許斐先生のほうです

立海の連中は、「乾は堕ちたぜよ」と役立たずだと言わんばかりの発言。何の役にも立たない乾を尻目に、海堂は一人孤高奮闘。ジャイロ回転するレーザービームを駆使して反撃を開始します。そしてボールが赤也の顔面に直撃してしまいました。

ペテン師が「このワカメ野郎…」と呟くと、倒れた赤也がピク…と反応。「テメーも赤く染めてやろうか?」と呟き肌の色と髪の毛の色がが変わってしまいました。

観客は「あ、悪魔だぁ―っ!!!」と恐怖の叫び。「武装錬金」のビクター化のような現象が起こり、「残念だな海堂、テメーは狙ってやらねーっ!!」と言って、乾がフルボッココイツは本当に何の役にも立ちませんね。海堂は「止めろぉぉ―っ!!」と叫び、赤也と同じように悪魔になってしまいました。海堂も悪魔となり、これで勝負が分らなくなりました

ここから再び青学の反撃かと思いきや…。

7
海堂を止める竜崎監督

駄目じゃ海堂、自分を見失うんじゃない!!

何を言っているんでしょうかこの監督は…。せっかく海堂がパワーアップして、ここから反撃かと思いきや。赤也の悪魔化を見た不二先輩も「彼はどこまで進化するんだ…」と言っていました。

せっかっく海堂が進化したのに、何故にダメ出し。自分を見失うなと言ってますが、越前が無我の境地に辿りついた時など、無我った時の記憶がないほど自分を見失っていたのに。もう竜崎監督には期待できません…。今まで何の役にも立っていない乾先輩まで「止めろ…海堂」と止めだします。

この役立たずは、海堂が進化したことで勝率が上がった事も分らないのでしょうか。続けざまに「データは取れたぞ」と笑い出しました。

ダメになったと思ったらデータ収集して逆襲したり、試合中に叫びだし壊れたと思いきや数年前の試合展開をそのまま再現した乾。このまま役立たずで何の活躍もないまま引退試合をするわけがありません。いよいよ乾の反撃が始まるかに思えました…が、そのまま倒れて負けてしまいました

乾の引退試合
・データを読まれる
・メガネを踏み潰される
・必殺技が通用せず堕ちる
・後輩にしっかりしろと言われる
・結局、最後までしっかりしなかった
・赤也にボコボコにされる
・血まみれで倒れる

こんなのが引退試合でいいんでしょうか