もうすぐワールドカップですね。マガジン、サンデーでサッカー漫画が新連載したりツネ様の漫画がマガジンに載ったりと、いよいよ盛り上がってきました。「キャプテン翼」も、なかなか面白い事になっています。

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若島津

若島津がフィールドプレイヤーとしてフォワードのポジションにつきました。三杉のクロスに、空手で鍛えたジャンプ力でデンマークのディフェンダーに競り勝ちました。本当に、空手でジャンプ力が鍛えられるかは不明です。しかし、ボールは惜しくもポスト。こぼれたボールに反応する男が1人…。新田瞬ですそのまま2得点目。信じられません。新田といえば、ノーゴール、ポスト、スルーと三拍子揃った選手のはずなのに。

新田瞬…。中学時代に未完の大器と言われ、南葛を苦しめるなど、年下でありながら恐ろしい実力を見せた男です。必殺シュートは自分で名付けた隼シュート。その後、1つ年下でありながらJrユースに選ばれました。彼の日本代表での活躍をご存知でしょうか。

高校生との練習試合、三原中央高校という名門相手に3-1で圧勝。3得点は全て日向が挙げました。続いて、全国制覇の東邦相手に1-0で勝利。もちろん得点は日向。日向と一緒にツートップを組む新田はノーゴールで合宿を終えました。

西ドイツへ飛び立った新田は、シュナイダー、カルツ、若林が在籍するハンブルグとの練習試合が行われました。我らの新田も、当然先発。序盤で、松山からクロスが上がってきます。新田は「よし、もらった!!」と不適に笑い、ノートラップランニングボレー隼シュートを放ちます。

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あっさりキャッチ

しかし、相手はスーパーグレートゴールキーパー若林。なんなく止められてしまいました。 結局5-1で惨敗。続く、ブレーメン戦ではレギュラー落ち。元修哲の来生と滝という、どうでもいいキャラにポジションを取られてしまいました。

西ドイツでまったく活躍できないまま、新田たちは国際Jrユース大会が開催されるフランスへ渡ります。日本はアルゼンチン、イタリアと一緒のDグループ。普通に死のグループです。初戦の相手はイタリア、新田は日向と一緒にツートップを組みます。

前半は日本ペースで試合が進みますが、なかなか先制点が取れません。そこに、翼から絶妙なスルーパスが新田に通ります。大チャンスを迎えた新田は「隼シュートだ!!」と叫びゴール左隅を上手く狙いました。

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がっちりキャッチ

相手はヨーロッパNO1キーパーと言われる、黄金の右腕を持つジノ・ヘルナンデス。新田は、ジノの凄さを見せるのに適度なカマセ犬として最適でした。「な…なにィ」と、キャプ翼における黄金のやられ役の台詞まで飛び出しました。通称「なにィ」要員

新田は何の活躍もないままイタリアに勝利した日本。続く対戦相手は、イタリアを5-0で完勝した、アルゼンチン。3-1で負けている日本、新田は活躍どころか出番もたいしてありませんでした。

ディアスとパスカルのアルゼンチンゴールデンコンビに押されまくる日本ですが、岬がパスカット。そこからボールは次籐に流れ、次籐はロングパス。そこに走りこむ男は、もちろん新田瞬。今までノーゴールだった鬱憤もたまっているでしょう。そもそも、ハンブルグのキーパーは若林、イタリアのキーパーはジノ。ともに天才キーパーと呼ばれているほどの実力ですので、相手が悪かったのです。アルゼンチンのキーパーは、若林やジノに比べれば、雑魚もいいところ。これなら、いくら新田でも点が取れるはず…。「いけェ、ランニングボレー隼シュートだ!!」と叫びながら、お得意の隼シュートを放ちます。

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バー

まさかの、ゴールバーに直撃。さすが、新田。相手が天才キーパーだろうが、そうでなかろうが点が取れません。キャプ翼では、ボールは友達という台詞が出ますが、新田にかんしてはポストが友達になりそうです。点の取れない俊足フォワードは、何の活躍も出来ないまま、三杉に交代させられてしまいました。アルゼンチンとは点の取り合いでしたが、フォワードのくせにノーゴルで途中交代させられた新田は、続くフランス戦は出番なし

ここまで何の活躍もないまま、どさくさに紛れて決勝まできた新田。正直、試合に全く出てない高杉とたいして貢献度変わらないです。決勝戦の西ドイツ戦では、日向とツートップ。「きめるぞゴール!!」とポーズまで組んで気合が入っています。今までノーゴールで「なにィ」「くそっ」要員だった汚名を返上して欲しいものです。

試合開始そうそうに、翼から「新田!!」と名指しでパスを貰います。「よし、もらったァ!!」と何時ものカマセ犬パターンかと思いきや、ミューラーにガン付けられて、ビビってシュート打てませんでした。さらに、翼のドライブシュートをキャッチしたミューラーは、「さァ、次はだれがシュートをうってだ」とボールを新田に渡してしまいました。舐められたものです

くそっなめやがって!!くらえ~っ隼シュートだ!!」と怒りのシュートを放つも、片手で止められてしまいます。しかも、シュートを止めた時のミューラーは笑っていました。完全に舐められてます

新田は、試合序盤に1本隼シュートを放ち、止められるか外すかして、「なにィ」と言い、その後はたいして出番がないというのが、今までの黄金のカマセ犬パターンでした。しかし、今回は違います。珍しく2本目のシュートを放ちます。

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2本目のシュート

股間を狙うもあっさりキャッチ。今まで、1試合に1本シュートを放ち、ゴールが奪えず、後は「なにィ」要員という黄金パターンを覆す1試合に2本ものシュートを放ちました。まあ、点は取れませんでしたけど。

新田は2本のシュートを放ちますが、ゴールできませんでしたが、翼や日向の活躍で西ドイツを下し、見事に優勝しました。Jrユース時代の新田は、ノーゴールで終わりましたノーゴーラーストライカー新田の活躍はユース時代にも続きます。

ワールドユース日本代表に選ばれた新田は、合宿でリアルジャパン7と試合することに。中学時代からの先輩浦辺に「新田、昔馴染みのよしみだ。ホレ、フリーでシュートを打たせてやるぜ」と完全にコケにされて「なにィなめるなァ!!」と隼シュートを放ちます。シュートを打つ時、バックに鳥の絵までつけた放ったシュートは、謎のハゲキーパーに片手でキャッチ。「そ…そんなァ」とへこむ新田は、昔から変わらない新田で安心しました。その後、「俺だって1点くらい取るぜ!!」と2本目のシュートを放つも、あっさり打ち返されてしまいノーゴルに終わりました

そして「新田、てめェみたいなチビのFWはゴール前で右左両足同じように使えなきゃ話にならねェんだよ」と言われて代表を追い出されてしまいます。その後、修行して帰ってきた新田は左足で隼シュートを放ち得点。見事にパワーアップした勇姿を見せてくれました。放課後だけでなく、休み時間も授業中にも特訓しただけあります。

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授業中の特訓

見事に得点を決め、日本に新田ありと印象付けたかにみえましたが、火野竜馬が全日本ユースに出れる資格ありと聞き、他のメンバーは「火野は全日本ユースで日向との夢のツートップを組むことも可能ってことか」と、新田は眼中に入らなくなってしまいました。

ウズベキスタン戦も当然スタメン。パワーアップした新田は「へへ…、シュートを打つだけがFWの役目じゃないぜ」と珍台詞を炸裂してボールをスルー。言っていることは正しいのですが、今までの新田は1試合1本のシュートを序盤で放ち、止められ「なにィ」と言って、出番がなくらなるというカマセ犬のお手本を披露し続けました。もっとシュート打つべきだと思うのですが。さらにジャンピング隼ボレーでまで取りました。新田が代表戦でゴールを決めました。8-1の快勝のうちの1点ですけど

続くサウジアラビア戦では、葵とコンビを組んでプレッシャーをかけ、翼のインターセプトに貢献。これが進化した新田の力なのでしょうか…。その後、オワイランにボールを奪われ、ゴールを決められた後の翼の台詞。

「すべて読まれていた。新田、葵の果敢なプレスによって、おれがボールを奪うこと(中略) すべて、あの男は読んでいた

新田のナイスプレッシャーは相手の術中だったようです。このへんが実に新田らしいです。何の活躍もないまま、新田は佐野と交代してベンチに下がります。強敵相手だと、本当に役に立たないことが浮き彫りに。

中国戦は日向とツートップ。若林がケガを押しての全力プレイに答えたい新田は、試合開始早々にチャンスが。序盤で新田にパスが通る。まさに絵に描いたような黄金パターンの到来です。

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ポストは友達

さすがノーゴーラーストライカー新田予想通りのゴールポスト直撃です。試合は若林のケガが悪化し、1点返され大ピンチに…。守勢に回る日本は、フォワードの日向と新田にボールが回せません。中国の猛攻を何とか防いぎ、ついに前線の日向にボールが通ります。

中国ディフェンダーが一気に日向に襲い掛かります。日向1人に対して3人ものマーク。ツートップを組む、新田が完全にフリーです。3人にかこまれる日向、対してフリーになっている新田…、この状況で日向が取った行動は…。

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突進

手を上げてパスをアピールする新田を完全無視し日向は相手を吹っ飛ばして、1人で突破。新田…ついにチームメイトにはぶられました

ここでは誰も僕にパスをくれません。サッカーでユース日本代表……その空気を吸うだけで、僕はゴールを決められると思っていたのかなぁ…。

パスを貰った時の日向は「勝たなきゃならないんだ。この試合は、絶対勝たなきゃ…」と言っていましたが、新田にパスしたら試合に勝てないということでしょうか。

イラク戦でシュートチャンスが巡ってきますが、空振り。ついに空振りまで…そう思ったら、実況が「いや、これはスルーだ」。またスルーです。すかさず日向が「ナイス、スルー新田」と褒められました。さすが中国戦で新田自体をスルーした男です。ウズベキスタン戦でのスルー、中国戦での(存在を)スルー、イラク戦でのスルー。いつの間にか新田の代名詞にまでなってきましたスルー

こうして「新田=スルー」と印象付けたアジア予選を突破した日本。ワールドユース本大会にコマを進めます。初戦メキシコ戦ではスタメン落ち。途中出場した新田ですが反町、三杉、早田と一緒にダイジェストでシュートを止められました。ついにシュートシーンまで省略化。さらに翼からのパスに走りこんだと見せかけて、再びスルー。「へへへへ…」と何故か得意げにシュートすら打たないスルー要員出番もスルーされてきました。

続くメキシコ戦では火野のトルネードシュートに吹っ飛ばされたり、また省略でシュート止められたり、と駄目駄目でした。試合のテーマも日向と火野のストライカー対決と言われ、新田など最初から眼中に入っていませんでしたけど。

予選突破を決めた日本はイタリアと対決。イタリアといえばJrユース時代に、隼シュートをガッチリキャッチしたジノ・ヘルナンデスがいます。しかし、ケガをしたジノはベンチ。省略で1点取りました。4-0で勝利。本当にどうでもいい試合では1点取りますね

ベスト4入りをかけて戦う相手はスウェーデン。翼のシュートを防いだことによって、相手キーパーは倒れています。このチャンスに走りこむのは我らの新田。

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なにィ

キーパーが倒れていてもゴールを決められない。これぞ新田の真骨頂。結局なんの活躍もないまま、松山、若林、翼のおかげで準決勝進出。準決勝はカットされて決勝に…。

決勝の相手はドイツを5-0で下したブラジル。中学時代最強といわれたドイツもいまや、丁度いいカマセ犬です。そして、1本シュートを放つもブロックされ終了。予想通り何の活躍もできませんでした。

もうお気づきだと思うのですが、新田は後半になると姿が忽然と消えてしまうのです。前半にシュートを放ち、止まられるか外す、そしてフィールドから姿を消す

これが未完の天才といわれた男です。どうやら未完の大器も完成しなかったようです。テクモのキャプ翼5みたいな事は漫画では起こりませんでした。

そんな新田が、デンマーク戦では2得点。フットサルコンビとかフィールドプレイヤー若島津なんて、新田が1試合に2点決めた事に比べれば小さなサプライズです。