モリタイシ先生の「今日のあすかショー」1巻と「まねこい」3巻が先日発売されました。


なんといっても「まねこい」の猫崎ジュリアンニャの若かりし頃のコスプレ姿に心をグッと鷲掴みされてしまうというものですよ。

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猫崎ジュリアンニャ

ムチムチばでぃのブルマ姿というのは本当に素晴らしいというものですよ。「今日のあすかショー」も非常に可愛らしくパンチラにはニヤニヤ出来るし、どちらも続きが楽しみというもの。

さて、「鋼の錬金術師」26刊が発売されました。連載も終了しており、単行本は次巻で完結です。この面白さはただ事ではなく、終わってしまうのが本当に淋しいというものです。


「ハガレン」は敵キャラがかっこ良いのですが、26巻でも敵キャラの生き様が良すぎるというもの。以前にも述べましたがブラッドレイの生き様のかっこ良さは異常です。

お父様に決められたレールの上を歩んできた人生であり、最後にエルリック兄妹やマスタングやシンの国の人々に散々邪魔され、思い通りに事が進まないと笑ってみせる男。自分の生き様を「権力者ごっこ」と言い放ち、人生にやり甲斐もなく、退屈していたのでしょう。

最後も人間は思い通りにならなくて、自分の邪魔をしてみせれば満面の笑顔を見せるブラッドレイ。

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笑顔のブラッドレイ

まったく人間というやつは…、思い通りにならなくて腹が立つ

腹が立つといいながら楽しそうに笑うブラッドレイ。決められてレールの人生で、抵抗する人間に対しての笑顔こそブラッドレイの良さ。また、決められたレールの上の人生の中で唯一、自分で選んだのが妻

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妻だけは自分で選んだ

「家族ごっこ。確かにそうだ。あれは上に与えられた『息子』だ。息子だけではない。『大総統の座』も『部下』も『力』も全て与えられた。いわば権力者ごっこだ。だが妻だけは自分で選んだ

お父様に全て与えられた人生であるものの、妻だけは自分で選んだとホークアイに述べていたブラッドレイ。

だらこそ、最後の命尽きる時の妻に対しての台詞が光るというもの。「…妻か。愛だの悲しみだのとくだらぬ言葉を垂れ流すな小娘。なめるなよ、あれは私が選んだ女だ。私とあれの間に余計な遺言など要らぬ」と。

そして、「用意されたレールの上の人生だったが、おまえた達人間のおかげで、まぁ、最後の方は多少やりごたえのある良い人生だったよ」と述べて息絶えるのでした。決められたレールの上の人生で思い通りにならないと笑ってみせたブラッドレイは、人生にやりごたえを求めていたのでした。その死に顔はやすらかというもの。

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やすらかに

グリードはブラッドレイの死に顔を見て「満足した顔しやがって…腹が立つ…!」と述べていました。ブラッドレイは自分の人生に満足して逝ったのでした。

そして迎える最終決戦。ラストが褒めた迷いのない真っ直ぐな目のマスタングは、ラストの「その目が苦痛にゆがむ日は…すぐ…そこ」という死に際の予言通り、視力を失って何の役にも立ちません。というか、錬金術師の面々は術が封じられて何も出来ません

そこで活躍するのが、エルリック兄弟の父親ホーエンハイムとシンの国からやってきたメイ・チャンの2人というのは浪漫があります。

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ホーエンハイムとメイ

錬金術封じが行われ、錬金術師が役立たずとなっている中でも、普通に錬金術を使いこなす2人

ホーエンハイムは元々、クセルクセスで「二十三号」と呼ばれる奴隷でした。主人が錬金術師で、ホーエンハイムの血を使ってフラスコの中の小人(後のお父様)を生成し、フラスコの中の小人によってヴァン・ホーエンハイムという名前様々な知識を与えられました。

そのお陰で奴隷から抜けて、高い地位の錬金術師となります。そして、クセルクセスに築かれた国土錬成御陣で生成された賢者の石によって不老不死となってしまいました。その後のホーエンハイムは砂漠を彷徨い、力尽きたところにシン国の商人に助けられ、シンへ流れ着きます。

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シンの商人に助けられる

この時のタイトルは97話「二人の賢者」というものでした。「ハガレン」にはタイトルに「二人の~」というものがいくつかありました。今までの「二人の~」というタイトルがつけられたのは以下の通り。

1話、「二人の錬金術師」
11話、「二人の守護者」
55話、「二人の強欲」
96話、「二人の女傑」

1話の二人の錬金術師とはエドワードとアルフォンスのエルリック兄妹のこと。11話「二人の守護者」はスライサーとバリー・ザ。チョッパーの第五研究所を守る2人。「二人の強欲」はグリードとリン・タオ。「二人の女傑」は氷の女王の異名のアームストロング(姉)とエルリック兄弟の師匠イズミ。では97話につけられた「二人の賢者」とは誰の事でしょうか…。

シンの国に伝わる偉人「西の賢者」。

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シンの伝説

以前、フー爺さんはクセルクセス遺跡でシンの国の錬金術、錬丹術西から来た錬金術師によって伝えられ、その賢者はクセルクセスの出身であったと述べ以下のように説明しました。

「我々の国…シンから見て西方から流れ着いた錬金術師の話がアル。その賢者が来てから、我が国の錬金術は飛躍的進歩を遂げタ
彼の技術と古来よりシンに伝わる技術が合わさり、今の錬丹術となったらしイ。我々は彼の事を尊敬をもって呼んでいル。西の賢者…ト」

西の賢者が来る前のシンの錬金術は、水銀に不老不死の効果があると信じて飲み続け三代にわたって水銀中毒で死ぬ皇族がいたほど、錬金術と呼べる代物ではない、おざなりな物だったそうです。そこへ西の賢者が現れ、シンの国に錬金術を伝え錬丹術となったのでした。錬丹術というのは西の賢者が伝えた錬金術。

そしてアメストリスにも一人の偉人の伝説があります。アメストリスに錬金術を伝えたのは、東の賢者と呼ばれています。エドワードはアメストリスの錬金術を以下のように語っていました。

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アメストリスの伝説

「一夜にして滅んだクセルクセス王国の生き残りが、建国から間もなかった頃のアメストリスに流れついて錬金術を広めた…って伝説」

アメストリスの錬金術は東の賢者によって伝えられたのでした。シンの国に伝わる西の賢者が広めた医学方面が得意な錬丹術、アメストリスに伝わる東の賢者が広めた銭湯方面が得意な錬金術。

両賢者とも、一夜で滅んだと伝えられるクセルクセス王国の生き残り…。そしてクセルクセスで生き残ったのは2人だけ。

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ホーエンハイム / フラスコの中の小人

クセルクセスの国土錬成御陣によって滅んだ中で生き残ったのは、ホーエンハイムお父様だけ。そして、砂漠を彷徨いシンに行き着いたホーエンハイムと建国間もないアメストリリスに流れ着いたお父様。つまり「二人の賢者」は、シンに錬金術を伝えた偉人「西の賢者」こそホーエンハイムであり、アメストリスに錬金術を伝えた偉人「東の賢者」こそお父様

そして、アメストリスに錬金術を伝えた東の賢者であるお父様の錬金術封じが効かないのが、西の賢者がシンに伝えた錬丹術であり、ホーエンハイムとシンのメイ。何という浪漫。

さらに、アメストリスの血の国土練成陣を阻止したのがスカーの兄が研究していた錬丹術

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血の練成陣を阻止

約350年前に東の賢者・お父様がアメストリスに持ち込んだ錬金術。それは巨大な国土練成陣を完成させる為によるもので、それを防いだのが西の賢者がシンに伝えた錬丹術。

元々ホーエンハイムに錬金術を教えたのがフラスコの中の小人(お父様)であり、ホーエンハイムがシンに伝えた錬金術(錬丹術)によって野望が阻止されるのは、運命や浪漫がありすぎて胸熱というもの。