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    「響子と父さん」の感想

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    それでも町は廻っている(AA)」の石黒正数先生の新刊「響子と父さん」が10日ほど前に発売されました。いやーこれは、めちゃんこ良いです。マーベラスですよおおお。





    続きは「yamakamu.net」

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  • 「鉄風」が燃える

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    アフタのおまけ、四季賞の冊子は家宝です。

    死刑制度が廃止された世界で、懲役300年など、人間の寿命を遥かに超える懲役年数が言い渡される法律。そこでは、罪を追った本人が死んでしまったら、クローン人間が変わって懲役年数を受け継ぎました。クローンと言っても、記憶や性格などは受け継いでいるわけでなく、遺伝子が同じというだけ。クローン人間の主人公は、オリジナルが犯した罪を償いながら葛藤するという、グンバツな設定で考えさせられた「囚われクローン」。

    四季大賞を取った「魔女が飛んだり飛ばなかったり」も逸材。世界に13人の魔女がおり、世界を守って来た魔女だけど、一般の人間からは排除されている感じ。そんな魔女たちに、地球に衝突する隕石から、自分の命と引き換えに世界を守るという最後の任務が。魔女の一人ナツオ様とあくまで一般人の主人公の関係が最高にマーベラスでした。どう考えてもニトロプラスの「スマガ」はこの漫画の影響受けたよな。

    さらにアフタ本誌に掲載された読み切り「都市伝説だよ都市子さん」も素晴らしい。と、ハイクオリティーの話を連発させまくりの太田モアレ先生が、初の連載もの「鉄風」の単行本が出ました!1、2巻同時発売です!


    総合格闘技をテーマにしているというのですから、たまりません。総合の漫画といえば、修斗を扱った「オールラウンダー廻(AA)」もお勧めですが、この「鉄風」は脳から変な汁が出てくるほどの面白さ。読んでて鳥肌立った!オビもテンション上がりまくるです。


    新・本格格闘技漫画!!!!


    なにが「新」なのでしょうか。女子高生の格闘技漫画というのは新しいっちゃ新しいですが。

    ちなみに、作者、太田モアレ先生は「昔ながらの熱血少年漫画のノリを目指して描きました」とコメント。なるほど、総合格闘技が大好きで、「リンジィと、リング上で闘いたい…」と親友と戦いたいがために、学校で部活を作ろうとし、実力も十分で楽しそうに総合格闘技に取り組む熱血バカ。うん、一直線の青春っぷりが、昔ながらの古き良き少年漫画のノリですね。

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    ↑主人公

    …ん。
    熱血一直線の天才、ゆず子。それを、倒してやろうとするライバルキャラ…、って主人公こっち?どう考えてもライバルキャラとしてキャラが立ちまくっている石堂夏央が主人公。「私は充実している人間を、許さない」とかナチュラルに黒いです。

    この黒さが際立ったのは、空手部へのかち込み。夏央は昔、空手をやっていたようで、過去の勘を取り戻す為に、空手部の主将(彼女とも因縁がありそう)を踏み台にしようと道場破りのようなことをしますが、あいにくの不在で、他の部員を「見た感じ他は論外かな…」と満面の笑顔で見下したり。すんごい黒いよ!どう見ても悪役としてキャラ立ちまくりです。本当にありがとうございました。このような悪役をプロレス用語ではヒールというのですが、彼女はヒール役がはまりすぎ

    また、ヒールに対して善玉をベビーフェイスといいます。プロレスならば、ベビーフェイスがヒールへ挑む姿に感情移入して、手に汗握るもの。が、「鉄風」は極悪ヒールがベビーフェイスにまったく歯が立ちません。で、潰しがいがある事を確認し、強大な相手へ挑戦する事を決心するのでした。

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    挑戦

    極悪ヒールが善玉ベビーフェイスに挑戦する!…なるほど「新」というだけあって新しいな、おい。で、これに感情移入できるかどうかは分かりませんが、展開的にはすんごく燃える

    試合に至る流れまでに、あらかじめ段取りや筋書きが決まっていて、リング外で注目を集めようとする事を、プロレス用語でアングルといいます。このアングルというのは、格闘技の世界でも存在し、「鉄風」は、このアングルまで描くのです。格闘漫画でアングルを描くなんて、新しいな。女子格闘技のトーナメントが開かれることがテレビで中継され。

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    女子高生に男の格闘家が失神KO

    去年引退した竹中理祐が、女子高生リンジィとのスパーリングで失神されるシーンが流れます。夏央は、ものの見事にアングルに乗せられて、ブルッと震えてしばらくテレビを睨みつけていました。世界最強の格闘家の娘が実力のある男格闘家を瞬殺。話題性十分です。そして失神された格闘家の弟子が、そのトーナメントへ出場を発表。ここまでは筋書き通り。

    アングルであったと語られるのに、竹中選手が実は骨折していたという、リアルでは考えられないハッタリも最高ですよおお。つき抜けも大事である、と。「キン肉マン」のゆでたまご先生は、格闘表現を以下のようにおしゃっていました。

    格闘マンガをもっと究めようと思ってます。絶対に、この分野では負けたくない。プロレスラーとか格闘家にも、ゆでたまごはすごいことを考えるな、と思ってもらえるようなものを描いていきたいです。だからといって、ただリアルに描くだけではダメなんですよ。「キン肉マン」に、プロのファンが多いのは、そこなんだと思う。僕らの描くものは、つき抜けてますから(笑)

    つき抜けも重要である、と。

    また、人によっては、やらせ感満載のアングルを嫌う人もいます。ボクシングの亀田兄弟なんて完璧TBSが描いたアングルです。逆に、アングルと分かっていても、あえて乗って楽しむというのも人それぞれ。

    で、話題を提供して注目させるようにするアングルの中にもガチのものが存在します。これをナチュラルアングルというのですが、「鉄風」はやらせのアングルに乗っかりながら、いつの間にかナチュラルアングルと化していく様が最高に燃える。

    トーナメントに参戦を表明した紺谷が、アングルに乗っかりながらも、「ヤラセだろうが、なんだろうが、あの子は竹中さんに勝っちゃったの。その事実は残るわ。そんなの許せないじゃない。」とスイッチオン。さらにテレビで失神KOを食らった竹中も、リンジィの親父の挑発にスイッチが入ってしまったようで、現役復帰を決意したようです。で、夏央とゆず子は、すでにナチュラルアングルが発生してました。

    で、両雄が見開きで対立。

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    相対する

    熱いな。アングルだった一連の話からナチュラルアングルに変化する流れ。それを、この見開きで完璧に対立していることを決定付けさせる。燃えるな。マーベラスですよおお。

    ちなみに、女の子わんさか出てくるのに、萌え要素がまったくないです。燃えですね。