「伏線王に俺はなる!?」ワンピース非公式ガイドブックの金字塔『ワンピース最強考察』

なんか物凄くありがたいというか照れるというか。胸が熱くなるな。というわけで「ワンピース最強考察」がお陰さまで好調のようです。しかし、自分もこんな記事を書けるようになりたいものです。

ワンピース最強考察
ワンピース最強考察
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さて、鬼頭莫宏先生の「のりりん」2巻【AA】 が発売されました。初めて自転車に乗った初心者丸出しの主人公・ノリが上級者の自転車野郎と勝負をする事に…。いや、何事も勝負事となると燃えるというものです。一体この勝負どうなるのかとワクワクが止まりません。

本当に「のりりん」は、ノビノビと自転車に乗って、自転車の楽しさを上手に描いており面白いですね。平和って素晴らしい!でも、面白いし続きが楽しみ…でも何だか鬼頭莫宏先生の漫画としては物足りないと思った方の気持ち。分かります。分かりますよ。見たいのです。死を鬱を混沌をカオスを中二病を!


「なにかもちがってますか」の1巻が発売されました。これぞ鬼頭節全開という。開始1ページ目から主人公・日比野光の独白が凄い!


ぼくは物心ついてこのかたうまく歩けたことがない
いつも何かがギクシャクした感じ。右足、左足、右腕、左腕
体の傾き、頭の振り、何かぎこちない
みんなはどうなんだろう。この違和感はぼくだけなんだろうか
ぼくだけ何か間違っているんだろうか

者心ついた頃から上手く歩けた事がなく、何か間違っているのかと問いかけられても…。そもそも何が正しくて何が間違っているのかは人間が生活している中で常に付きまとうもので、それを自覚しているかしていないか…というもの。

こんなぎこちなさに違和感を覚えるなんてどんだけ神経質なんだと思いますが。日比野は日常の生活に違和感を覚えて何か間違っているんじゃないかと思ってしまうのです。転校生が転入してきて物語は動き出します。

1
転校生

一見すれば女の子と間違ってしまうほど可愛らしい顔つきの一社高蔵くん。転入初日にちょっと机を振り回して大暴れしてしまうのが珠に致命傷です。扉絵だと眼鏡かけてたのが気になるところですが。彼も日比野同様に、日々の生活に違和感を覚えているのです。

今まで、何かいつも不安感がつきまとっていた
漠然と自分の周りを構成するものの何かが間違っているんじゃないか

1話の冒頭で日比野視点で「何かが間違ってるんじゃないか」に始まり、最後は一社視点で「何かが間違ってるんじゃないか」に終わる…。日常に違和感を感じ「何か間違ってるんじゃないか」と思う2人。これが出会ったのです。はじまるというのです。

そして、日比野は超能力のようなものを持っていること。どうやら物質移動が出来るようです。

2
超能力

日々野の超能力に気付いた一社は、この力を使えば「何か間違っている」世の中を変える事が出来るんじゃないかと思うのです。日常に違和感を感じる2人が世直しをするのです。その過程で、方思いな好きな娘とも急接近!

3
急接近!

いわゆるフラグが立ったという事です。
日々野は特殊能力を使って転校生と世直しをし、それを通して好きな娘ともフラグを立てるという。

つまるところ「なにかもちがっていますか」とは、何の変哲もない冴えない男がちょっと不思議な能力を持って、転校生と出逢い世の中を少し良い方向に変えようとし、好きな女の子とも仲良くなる…ハートフルなちょっとふしぎなSF物語なのです。

いやー面白いです。日々野の能力を使って世の中を良い方向に変えていくとか胸が熱くなりますね。不良がナイフを取り出せば、すかさず能力発動!

4
能力発動

誤ってクラスメイトを殺してしまいました!

はじまったな。
これぞ鬼頭節という。まだ未熟な能力を使って、誤ってクラスメイトを殺害。この鬱になるような、心に引っかかるもにょもにょした感じ。ゾクゾクしますね。さわやかな「のりりん」に比べると、あからさまに作風が180度違いますが、むしろこれが通常運転です。

これぞ鬼頭漫画なのです。
そもそもタイトル「なにかちがってますか」からして何か妙というかもにょりますね。サブタイトルも全てこんな感じ。

1話、「ぼくらはっすぐ歩けない」
2話、「こんなはずじゃなかったに」
3話、「っぱりったのぼくです
4話、「クグ、ンリョウ」
5話、「うそつきはどぼぅのはじまり」
6話、「雨降って、がたまる」

いやー、もにょもにょしますね!
「も」を「ま」や「の」、「か」を「や」、「か」を「や」、「つ」を「ろ」にすれば綺麗な日本語になりますけど。これ何か法則とかあるんでしょうかね…。色々考えてみたけど分かりません。文字の移動が出来そうですけど。「なにかもちがってますか」は、「なにかまちがってますか」なのか「なにもかもちがってます」とか。

んで、冒頭のある通り「何か間違ってる」というのは一つのテーマみたいな。だって、一社くんの思考。まるで中二病そのもそのですよ!

5
一社くん

「法律やルールっていうのはな、その中身はどうでもいいんだ。それが理不尽だろうが非合理だろうがとりあえずどうでもいい。それを守れか守れないかそれが問題なんだ。守れないやつは集合社会に属してはいけない。もしルールに不満があるのなら、それを変更してからそうすればいい。それをする前に自分の甘えで破るようなやつは、社会から排除されるべきだ」

そして運転中に携帯電話を使う奴殺害計画ですよ!
ルールを守れない奴は殺していい、ルールに不満があるなら変更すればいいとか。凄い中二病的な考え方!しかも凄い矛盾。一社くんには運転中に携帯使ったら死刑という法律やルールを作る事をしないで、殺害というルール違反をしようとする。まさに、お前が言うなですね。

何もかも違っていますね。自分こそ正義という考え方。素晴らしい。素晴らしいです。作者の鬼頭先生のカバーコメントで「また、ささやかな世直しごっこを始めたいと思います」と。「ごっこ」ですって!作者公認で「ごっこ」とか一社くん半端ねー。

もちろん一社同様に日々野も間違いというか異常さが半端ない。初めて人を殺してガクガク震えて、こいつは正常な人間かと思いきや…。

7
ほっとしていた

「だってぼくは、鶴見さんではなく奥田さんが死んだことに、少なからずほっとしていたのだから」

凄い精神力です!
あの「デスノート」の神ではなくクズだった夜神ライトですら初めて人を殺した時は嘔吐し、ビビりまくっていたのに…。

8

人を殺す事を「童貞を捨てた」と讃える「バキ」の世界でも、初めてオリバを殺してしまったと思ったバキは戸惑いがありました。この重い十字架を乗り越えた先にある異常者。あっさりと超えた日々野は半端じゃありません。

ちょっと疑問なのは日々野の能力は一人で出来るかという点。今まで自分の能力に気付かなかったのか、出来なかったのか。全ての能力発動で一社が一緒にいるので2人揃って初めて発動するのか、1人で可能なのか。

なんにしても続きが楽しみですね。超お勧めです。
何かが違ってる!何が間違っているかといえば、日々野は可愛い新瑞橋さんに好かれてラヴラヴ光線浴びてるのに、他に好きな娘がいる点ですよ。

6
新瑞橋さん

こんな可愛い娘に好かれてるのに、他の娘に想いを寄せるなんて、これこそ最大の間違いだと思います!


のりりん(2) (イブニングKC)
鬼頭 莫宏
講談社 (2011-01-07)

のりりん(1) (イブニングKC)
鬼頭 莫宏
講談社 (2010-07-23)