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名作保証。「だって愛してる」エンディングまで泣くんじゃない!
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2011年02月16日
魔法少女まどか☆マギカ (1) (まんがタイムKRコミックス フォワードシリーズ)
posted with amazlet at 11.02.15
原作:Magica Quartet 作画:ハノカゲ
芳文社 (2011-02-12)
芳文社 (2011-02-12)
漫画版「魔法少女まどか☆マギカ」1巻が発売されました。
アニメ1~4話を忠実に再現して4話収録。全話描き下ろしというのだから凄い。もっと凄いのはマミさんの血マミれっぷりですよ!魔法少女コンビ結成記念した5ページ後に血マミれですよ。それがまたグロい!
血マミれ
うわぁぁぁぁ!
私は、虚淵玄さんの作品って始めて触れたのが「沙耶の唄」なんですけど、あのハッピーエンドよりもバッドエンドのほうが傍から見れば幸せという狂気っぷりに鳥肌立ちまくったものです。
これは、虚淵玄流ハッピーエンド一直線ですね!
さて…、おかしい。
視界がボヤけてよく見えない。一体私の目はどうしてしまったんだろうか。…あ、オレ泣いてるんだ!
「だって愛してる」堂々の完結です。
陳腐な言い方ですが、感動して号泣した。3巻オビにある通り「むんこにまたやられた!」ですよ。本当に、むんこ先生にはこの作品を描いてくれた事に感謝したいのです。
売れない作家・寺田雄二とその妻・街子の夫婦生活を描いたほぼのドタバタコメディ4コマ漫画。舞台は花丸町。むんこ作品の大半は花丸町という架空の町が舞台となっているので、他作品とクロスする事もありました。
夫・雄二は"仕事しない、パチンコする、酒飲む"と三拍子揃ったダメ夫なのですが、それを街子はパートで家計を支え献身的…ではなく逞しく夫をぶっ飛ばす良き妻。
夫婦生活
貧乏なのにギャンブルばっかする夫、ボッコボコにする妻…どうして別れずに一緒にいるのかって言えば「だって愛してる」からですよ!
そんな2人のほのぼの生活を温かい気持ちで楽しむ4コマ漫画…と思ったらとんでもない。結婚しててもラブでコメっちゃう展開には頬をニヤニヤするし、2人の学生時代の話がこれれまたニヤニヤ指数を跳ね上がらせてくれます。
高校時代
どうなんですかコレ!
まんま不良とそれに惚れちゃう優等生という関係なんですが、このラブでコメる話は私の心を鷲掴みにしやがります。
というのも、自分は「ドラえもん」ののび太としずかちゃんの結婚話が大好きで、あまりにものび太がしょうもないから一緒にいないと心配という理由で結婚決めた、しずかちゃんが私の中で永遠のヒロインなのです。そんなわけで「だって愛してる」の街子が女神に見えてしまうのです。
何よりも2人の愛の深さが一番の見所なのは言うまでもありません。順風満帆ではない夫婦生活で、すれ違ったり誤解したりしますけど、お互いが信頼し成長していく過程はマーベラス極まりです。
むんこ先生の「らいか・デイズ」が永遠に繰り返されるサザエさん時空に対して、「だって愛してる」は確実に時が流れています。時が流れるなかで、少しずつ前進して成長していく登場人物が胸熱なのですよ。
個人的に外せないのは「成長する」という事ですね。例えば街子。3巻では妊娠~出産がメインなのですが、1巻の頃にも妊娠したかもというエピソードがありました。結局は違ったわけですが、この時の街子は泣きながら覚悟がなかったと…。
覚悟がなかった…
「妊娠かも」って思った時、まず最初に「生活どうしよう」って考えたわ
違うってわかって。ホッとしてる自分が、凄く嫌だったの…
あなたといる覚悟も私には何も―
違うってわかって。ホッとしてる自分が、凄く嫌だったの…
あなたといる覚悟も私には何も―
妊娠かも…となった時に、街子は雄二といる覚悟がない事に気付くのでした。その後は、何時も通りの夫婦の日常。あせらずゆっくり…。
そして雄二の連載が単行本になり、仕事が忙しいので街子に八つ当たり。「テメーは関係ねーだろ」、「んなに本の売れ行きが心配かよ」、「コケたら他の男探しゃいいだけだろ」ととんでもない暴言を吐き、街子家出である。雄二が土下座して一件落着なのですが、雄二の担当編集の曽根くんが街子に言った台詞がぐさっと突き刺さります。
グサっと突き刺さる
「この程度で動揺してたら、この先やっていけませんよ」
100%雄二が悪いのに街子に言い切りました。この時のサブタイトル「彼をささえる者として」が秀逸すぎます。覚悟がないのです。サブタイトルが本当に素晴らしい。
むんこ作品の絶対に外せないのはサブタイトルなのです。あんま4コマ読んでるほうではないのでデカイ事言えませんが、最近ってストーリー4コマの名のもとにサブタイトル付いてないのが多いのです。付いてても「で?」という刺身のツマ程度。しかし、むんこ作品は4コマ本編を読み終えた後に、改めてサブタイトルを見れば「お!」っていう。サブタイトル含めて1本の4コマを堪能できるのです。
4コマの基本は起承転結なのですけど、むんこ4コマは起承転結サブタイですよ!タイトル…そこに幻の5コマ目があり、それをじっくりと噛みしめながら堪能。
んで、男・曽根の雄二とやっていく覚悟を促すエピソード。これが「だって愛してる」全体の中で、街子の転換期になったように思えます。街子が太った時、雄二は妊娠したかもと思っており、それが発覚し…。
街子太った事件
「ちがってて…残念だった?」
「ん―まあ…」
そして嬉し泣きする街子。タイトル「シンクロ」。つまり同じ気持ちだ、と。始めて妊娠かも…と思った時、不安・自己嫌悪した街子の姿はもうありません。一皮剥けて成長しています。
以前は、雄二に仕事の八つ当たりされれば不貞腐れてたり泣いて家出した街子も逞しく成長を遂げたのです。「誰のために苦労してると思ってんだ」と八つ当たりされれば、ぶん殴って「人のせいにすんな」と。確かな成長が見られます。
確かな成長
「やめたいならやめれば、仕事もお金もなくなっても。私はここにいるよ。」
始めて妊娠かもと思った時は「生活どうしよう」と不安・自己嫌悪に悩み、仕事の八つ当たりで家出すれば雄二を支える者としてこの程度で同様したらこの先やっていけないと言われた街子は、仕事もお金もなくても自分はここにいると堂々の宣言。この時のタイトルが「覚悟」ですよ。
「覚悟」のタイトルが付き、赤ちゃんが出来た事を報告。ヤバイ、街子の成長っぷりがヤバイ。胸が熱くなるな。
街子を通して周りも成長ですよ。近所のガキも八百屋のギャル娘も曽根も。若者が成長する中で、それを見守る年寄りたちもマーベラス。特に畑やんのエピソードは滅茶苦茶泣きました。
で、雄二。自分に甲斐性がなかった事を今更自覚したりと見所満載なのですが、やっぱり雄二の「泣く」というのは外せません。彼は泣いた事がなかった。
始めて泣いた
「泣いてるの、はじめて見た―」
街子家出エピソードの時に、自分が悪いのに「あたし弱いね―」と言われ泣いたようです。愛だな。しかし、泣き顔は見せず。しかし、始めて泣く姿を見せたって…。
雄二は本当に泣かない。親父が死んだ時も泣かなかった。
親父が死んだ
「わかんねーんだ。いなくなればいいと何度も思った。涙も出なかった。でも別に嬉しいわけじゃない。街子泣いてんのか?俺かわいそうか?」
この時のタイトル「あなたのかわりに」。つまり、涙が出ない雄二の代わりに街子が泣いてくれた、と。そんな泣けない男・雄二も泣けるようになりました。作中で、街子の家出、街子の妊娠、親父に愛された記憶、そして…。
4度目の涙
ここでギャグを入れたむんこ△!
いや、ラストの怒涛の展開はまさに涙なしでは読めず、既に涙でぐちゃぐちゃだったのに、トイレで1人籠って泣く雄二の姿でトドメを差しつつ、紙がないって…。涙と笑いで顔面崩壊ですよ!
あー、本用に良い物語でした。2人の夫婦の愛、それに振動して成長する若者。それを見守る年配。すべての登場人物のエピソードが感動ですよ。皆が皆、この世界は素晴らしい!
お前の周りの世界は…お前が考えるよりも…ちょっとだけ優しいんだよ。
後世に語り継がれる漫画とも言って過言じゃないですね。
「だって愛してる」は4コマ漫画の歴史が変わるかも知れません。そんな気がするのです…。