「少女素数」読んでホクホク。ハーフの双子の妹でお兄ちゃん大好きというだけでお腹一杯なのに、一緒にお風呂でオレ野臨界点突破ですよおおお。


さて、先月「となりの怪物くん」の第4巻が発売されました。1巻発売した時も、ちょこっと取り上げましたが。4巻読みました。はじまったな。「となりの怪物くん」がはじまった!


ぶっちゃけ1巻が出た時の感想は「?」でした。勉強に一途で他の事に一切興味のない雫と、問題児ハルの掛け合いは、確かに面白いしニヤニヤできる。初期の「彼氏彼女の事情」のような設定で、変人ばかりの登場人物は確かに面白い。しかし、「ボーイ×ミーツ×ガール(AA) 」や「ひみこい(AA)」でニヤニヤどころか、胸キュンしまくって、あやうくキュン死しかけた身からすると、満足はではなかったのです。正直、もっと面白いはずだろ、と。

どうやら、私は短編集でニヤリング&ローリングで身悶え3回転半を記録したことで、ろびこ先生初の連載作品に、勝手に期待値をあげまくっていたんです。エロゲ体験版をプレイして、これは名作に違いないとワクワクして買ってみたら、それほどでもなかった感じ。

しかし、「となりの怪物くん」は巻を追うごとに面白くなっていき、2巻ではハルが雫に異性として惚れ、3巻では期待していた通りにマーベラスな展開でニヤリング&ローリングで身悶え3回転半を記録したのです。雫の可愛さがとんでもなかったのです。

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この後、一人で雫の可愛さにほくそ笑んでいるハル同様に、オレも思わずニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべていました。この胸きゅんが俺の求めていたものですよぉぉぉ。学園祭の時点で、何かがはじまる感じはしました。「季刊S(エス)04月号(AA)」にろびこ先生のインタビューが掲載されているのですが、この何かがはじまった感を以下のようにおっしゃっていました。

もともと青春群像劇をやりたいという気持ちはあったんです。でも最初はこんなに続くと思ってなかったし、自分がどういうものを描けるかも、よく分からなくて、まずは二人のキャラを立てなきゃ、と。でも少しずつキャラクターも出て、育ってきて、三巻くらいで、「そろそろ、いっちゃって良いですかね?」という感じでGOが出ました(笑)。

はー、なるほど。青春群像劇をやりたかったんですか。オレのろびこ作品のイメージだと男女2人のエピソードを、絵とか構造とか話を上手く練り込んで丁寧に王道少女漫画に仕上げるというイメージだったので、いろいろな登場人物にまつわる、話を交錯して描いていく群青劇というのは対局のような感じでしたが。「彼女がいなくなった(AA)」に収録されている「カラクリ演劇堂」を拡大させた感じか。

で、「となりの怪物くん」が青春群像劇の様になった3巻はグンバツに面白くなりました。期待どおりです。胸きゅん確実。で、4巻。オビには「役者は揃った。みんな、恋にはまりだす。

―降参、降参です!!
とハルに初めて告白した雫のごとく白旗上げざるを得ない。期待値を遥かに突破してしまいましたよおお。ナニコレ、いい意味でやばすぎ。

雫は相変わらず可愛い。そして、雫がついにハルに二度目(厳密には三度目)の告白をするのです。ここに至る流れがマーベラスすぎる。よく、雫がハルと過ごした出来事を唐突に回想する事が多々あります。今回の回想では、子供のころの金魚の思いでを語り、ふと回想。

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雫の回想

―そういや、あの時も
私は同じようなことを思わなかったか?―……

雫が「あの時」といって、ハルとの思い出を回想するのは、何気に重要ですよおぉ。きちんと、「あの時」も絵写されています。例えば、学園祭ラストでニヤニヤしまくりのハルと向き合おうとした時。

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あの時

あの時、私は感じたのだ。」

学園祭の時の回想の「あの時」とは、屋上で居眠りしてハルに膝枕された時。初めて授業をサボることになった雫は、午後の屋上の空が青いと気づき、世界が広がりました。今まで雑音(ノイズ)だったものが心地いいと思い、「気持ちいい」と思うのでした。

雫の回想の「あの時」は、確かにあったエピソードで、13話「0と1」での「あの時」は、ハルの兄貴が登場して、ハルがいなくなってしまうかもというエピソードがあり、朝の登校風景でふと思うのです。

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13話における、「あの時」(7話)

「…いつからだろう。この光景が見慣れたものになったのは」
「いつかのハルの言葉を思い出す。私が離れていくことを、怖いと言ったハル。今なら少しわかる気がする」

ハルがいる事が当たり前の光景となったシーンを「あの時」と言って思い出しました。これだけでは正解に辿り着けない。まだ慌てるような時間じゃない。13話「0と1」でのキモは、子供時代の水がめで金魚を飼おうとしてダメになったことを話しながら、「あの時、私は、もしかして淋しかったか?」と自問する雫ですよ。

また「あの時」か。「となりの怪物くん」を読む時は、雫の「あの時」は要チェックや!で、図書館でヤマケンと出会って、文化祭でヤマケンに言われた言葉に感動して人と向き合おうと思ったことを告白。ヤマケンが文化祭で言った言葉というのは。

さみしいっつーのは、相手がいるから感じるもんだよ

すんごい名言だな、おい。つまり、「淋しいと思う→相手がいる→ハルがいる→オッケーイ!」ですよ。13話「0と1」の収束しっぷりに感動。この流れで、14話で満を持しての告白ですよぉ。

初めて告白して「ハルに私を好きになってもらってから、また言う」と言ったいました。心の中で「他人の気持ちは想像しかできない。想像でしかないなら、ぶつかってみるしかない」と思っていました。ハルが好きになりすぎて、勉強が手に付かなくなって、ハルをただの友達だと言いました。でも、やっぱり好きですんごい可愛い顔しながら「また勉強も手につかなくなるほど、ハルを好きになっちゃうのか?」と言っていた雫。

恋愛と勉強と両立できると気持ちを整理して、満を持してハルに再び告白するのです。この流れは素晴らしい。マーベラスです。もう迷わない。ハルと頑張ろうと決めました。もう流れは完璧。私も万感の思いで、雫の再告白を見守り応援しました。雫がはじまった!もう、この2人が上手くいかないはずがない。

行け、ドライアイスのガリ勉。出よ、何考えているか分からない問題児!

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!?

―だめだった

…、でも主役2人ははじまらなかったけど、他のキャラははじまりまくりですよ。例えば、メガネ学級委員長の大島さん。なんか相変わらず報われない感でも、一途にハルを思う言動にぐっときますよ。まあ、分をわきまえているんですが。そういえば、エスのインタビューでは、大島さんが登場した秘話が語られていました。

基本的には、こういうタイプのキャラクターがこういう反応をしたら面白いなとか、キュンとするかもなという感じでやっているので。その一番が、大島さんみたいな委員長タイプに「キンタマついてんのか!!」って言わせるという(笑)。大島さんは、それを言わせたいがために生まれたキャラクターだったんですよ、もともとは(笑)

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大島さん

今明かされる衝撃の事実!
大島さんは、はじまりがキンタマだったのか。

ええと、4巻から何がはじまったのかといえば、夏目あさ子がはじまったんです。みっちゃんに陥落(おち)てしまったんです。その様子が可愛いんです。すんごい可愛いよ!4巻のキモは、夏目さんの可愛さにつきる。ぶっちゃけ原稿用紙100枚分ぐらい夏目さんの可愛さを語ろうかと思ったけど自重して。ずばり、夏目さん目線の構図にときめきがとまらない。

絵の中に自分の視点が入ると言われた、「ワンピース」の尾田先生は構図について以下のように語っていました。

「要するにカメラの位置なんですよね。同じものを描いても、カメラをどこに置くかで、絵はまったく変わってくる。(中略)
カメラを引くと、近くの人も遠くの人も似たような大きさになってしまうんですよ。僕の場合は極端に大きく、遠くの人はすごく小さく描きたい。そうすることで奥行きも出てきますしね。」

尾田先生の言葉で言えば、ろびこ作品はカメラの位置が近い。というか、キャラと同じ位置にカメラがあります。で、さっき回想にも使った7話。

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7話

上のコマどアップ。下のコマでは雫と同じ位置のカメラ。つまり、雫から見たまんまの目線。このキャラが見た目線が「となりの怪物くん」というかろびこ作品ではかなり多く使用されています。4話で夏目さんがみっちゃんをじーっとガン見したのと比べ、ファミレスでみっちゃんを見る目線がもうね。

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夏目さんが見た

みっちゃんを見る夏目さん視点、背景キラキラしてるよ。うん、これは陥落ちるね。しかも、みっちゃんを見つめる夏目さんの面構えの可愛いこと。すんごい可愛いよ。

もう夏目さんの可愛さは完璧です。その後の、みっちゃんをまともに見れないのがマーベラスすぎて、床をゴロゴロと転げまわるほどの破壊力。オッケーイ!です。

あ、4巻のキモはヤマケンのツンデレっぷりなんですけど、もう長くなったからいいや。カバーめくると公認で「あて馬」宣言されたヤマケンに幸あれ!とにかく、4巻ははじまりすぎてニヤニヤせざるを得ない。