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さて、今週の「ハンター×ハンター」がまたまたヤバイ。冨樫先生は何週連続で俺を感動させれば気がするんだってばよ。もうね、毎回驚愕展開のオンパレードで脳から変な汁が出るレベル。今回も開始早々でビックリ仰天ですよ！


ビックリ仰天
ありのままに起こった事を話すぜ。
「ハンター×ハンター」を読んでいたら、ただただ黒かった。
何を言ってるのか分からねーと思うが…。

背景真っ黒で台詞だけという。全19ページ中で9ページも黒ベタです。手抜きにも程があるだろと思いきや、これが実にこれしかないという凄い表現でもあります。

メルエムの「コムギ…いるか？」と何度も確かめる台詞から、もうメルエムは薔薇の毒で目が見えなかった事でしょう。そしてコムギはもともと盲目の少女。2人共、目が見えない真っ暗な世界を表すのに、この9ページに及ぶ黒塗りは2人の世界を表すのにピッタリですよ。光のない目の見えない2人だけの場面を表すには、これしかないという見事なもの。凄い表現です。まあ、ぶっちゃけ手抜きなのかもしれんけど。

また、この2人の台詞が凄く良い。胸が熱くならざるを得ない。

「すぐ…起きる…から」「それまで…そばにいて…くれる…か？」
「はなれたことありませんよ」「ずっと…いっしょです！」
「コムギ…」
「はいはい何ですか？」
「ありがとう」
「こちらこそ」

メルエムとコムギのやり取りが前回はきゅんきゅんする初々しいカップルのそれならば、今回の2人のやり取りは思わずほっこりする何十年も連れ添った老夫婦のそれ。そして、静かに穏やかに儚く優しく安らかに最期を迎えました。

「おやすみなさい…メルエム…」


おやすみなさいメルエム


泣いた…

もう、316話のパームとまったく同じように号泣しましたよ。
この見開きだけで、冒頭の9ページもこれしかない表現と思ってしまいますよね。ただただ感動。本当に演出が素晴らしいの一言。このメルエムを優しく抱きかかえるコムギも、完全に以前と対比させてる表現っていうね。優しく腕の中で抱っこし、慈愛溢れている！

龍星群（ドラゴンダイヴ）が腹部を貫かれ、血に染まる少女。
その躰を抱く異形なる者。


慈愛溢れる振る舞い
この振る舞いは「見紛う事なく優しさに溢れていた」「一個の生命に対する慈悲溢れる振る舞い」とナレーションでも述べられていました。この行為を侵す事は大義を失い人ですらなくなるとか。

腕の中でコムギを慈愛溢れる振る舞いで優しく抱いていたメルエム
腕の中でメルエムを慈愛溢れる振る舞いで優しく抱いていたコムギ

2人が逆の立場になって同じ格好で抱いて抱かれたなんて、胸が熱くなりすぎます。涙腺が刺激されいい年こいて泣いてしまう。優しさと慈悲が溢れる振る舞い2人の同じ振る舞い。そしてコムギを抱いた時も、コムギに抱かれた時も顔が見えなかったメルエム。

見えないメルエムの表情、その顔を「人」と例えたのはネテロ（288話）。最期のメルエムの顔も人だったのでしょうかね。「幽遊白書」の蔵馬が海藤に見せた表情のように、読者は想像するしかありませんけど。

また、メルエムに出会って感謝した人間は2人。
強すぎて敵の攻撃を待つ様になり、敗けた相手が頭を下げながら差し出す両の手に間を置かず応える様になったネテロ会長。そんなんじゃない、ネテロが求めた武の極みは敗色濃い難敵に全霊を以て臨む事でした。その相手をしてくれたメルエムに感謝したネテロ。


感謝するぜ
「感謝するぜ、お前と出会えたこれまでの全てに！！」

武の極みをいかんなく発揮し敗れたネテロは「地獄があるなら、また会おうぜ」と最期に述べて自爆しました。ネテロはメルエムに地獄で再会できたのでしょうか。それこそ「るろ剣」の志々雄真実達のように。

もう1人は当然コムギ。
メルエムと軍儀を何度も打つうちに、さらなる進化を遂げていきました。そして一度死んだ、メルエムが「離隠（ハナレガクシ）」と名付けた正しい名称「孤狐狸固（ココリコ）」を生き返らせるに至りました。そこから逆新手、さらに逆新手返し…と、2人の進化は留まる事を知りません。


逆新手返し
逆新手で返され「ワダすが…こんなに幸せでいいのでしょうか？」「こんなに素敵な事がいくつも起きていいんでしょうか…？」と、生き返った我が「子孤狐狸固（ココリコ）」から、どんどん次の手が出来て幸せであると述べたコムギ。

以前にも述べましけど孤狐狸固（ココリコ）がコムギの「我が子」ならこの先の手はコムギとメルエムの子供ですよね。問題は、このメルエムとコムギの子が後世に残るかどうかですけど。見てるのパームしかいないから、パームが伝えなきゃ誰も至れない幻の一手で終わるけど。それはそれで儚く美しいけどね。

コムギもネテロと同様に心技体全てが突出したメルエムに出会った事に感謝です。2人の個の極致に全身全霊で応えたメルエム。まあ、コムギの場合は出会えた事に感謝したのは軍儀だけじゃないと思いますけど。

メルエムを見守るコムギの表情が幸せそうでまた泣いた。


コムギ
「ワダすもすぐ、いきますから…」
幸せそうな顔してるだろ？ウソみたいだろ、これから逝くんだぜ。

軍儀を打つ時だけ目を開ける盲目の少女。メルエムを看取った最期の瞬間に、コムギは目を開けてました。何も見えないけど何か見えたのか。光が見えない盲目のコムギに、全てを照らす光のメルエムは目に見えない光を見せたんでしょうか、ただただ、震えて泣いた。

メルエム…ありがとう、そしてありがとう！
おやすみ。

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