胃がキリキリするんだってばよ!
つーわけで「ホワイトアルバム2」コンプしました。正月休み引きこもってプレイしてたのに終わらず、さっきようやく終わりました。まあ、間違いなく俺の中で2011年NO1のエロゲです。「丸戸氏のシナリオ」+「ホワイトアルバムという鬱ゲー」という化学反応の怖いもの見たさで軽くプレイするはずが、どっぷり嵌ってしまって「抜け出す事が出来ない、クリックが止まらない、寝不足」の三段ステップでしたよ。

というか丸戸さんの作品って『丸戸ワールド』が完成させられているっていうんですかね。
キュリオにしてもファミーユにしてもつぐみ寮にしてもテラスハウス陽の坂にしても、"居心地の良さ"が僕の心をガッシリ掴んでいたんですよ。その世界の住人になりたい、いつまでもここにいたいと思わせてくれる理想郷を作るのが僕の中での丸戸作品の印象。凄く安心して心安らかな優しい世界。丸戸信者の求めるのはコレだと思うわけです。

で、「ホワイトアルバム2」をプレイして、ウヴァヴァヴァヴァと叫ぶぐらい胃が痛い、鬱になる、精神的ダメージ過多、もうこの世界(ホワアル2の世界)にいたくねーよ!と思うも抜けられない、止まらないという。丸戸ワールドにどっぷり嵌って抜けられなくなるんだけど、ここにはいたくねーって。心安らかな優しい世界では決してないという。2つの矛盾がぶつかる新たな丸戸ワールドでもありました。

(以下、基本ネタバレ全開なので見たくない人は心の目で見て下さい

・introductory chapter
いわゆる序章である。
そもそも「ホワイトアルバム2」ってのは、ちょっとお節介だけど平凡の少年の何の変哲もない物語のはずだったんですよ!もはや「introductory chapter」自体が「if」の物語で、歯車が狂ったというかガチっとはまってしまったとしかいいようがありません。少年・春希は何かを残したいという大義名分を掲げて、下心全開である軽音部で1つの歌(歌詞)を作るわけです。ぶっちゃけ、クラスのお隣の席の娘に心を惹かれて惚れていて、別に告白するつもりもなく、最後の学園祭ライブで、好きだった彼女への想いを綴った歌を自分が参加しないバンドにやって貰い青春終了だったはず。春希自身がその気持ちに気づいてたかは分かりませんけど。そんな青臭い青春を残すだけだったわけ。

もともと俺が同好会に参加したのって、1曲だけでも書かせてもらうためだったというか

いじらしいですね。「届かない恋」ですよ。春希から好きな娘・かずさへの想いを歌詞にして最後の学園祭でバンドで演奏して青春終わり。別に自分は補欠のギターなので、参加もしない。たった一つのバカを残したかっただけ。「今もこの恋は動き出さない」と何度も歌われるフレーズからも分かる通り、春希はかずさに告白するつもりもなく告白もできず、ただ好きな人への想いをバンドに歌わせるだけの甘酸っぱい小っ恥ずかしい青春になるはずだった。くそ、背中がムズムズするぐらい青臭いぜ。

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恥ずかしい動機で走り始め、自分から照れて勝手に諦めて、けれど今、こうして日の目をみてしまった。」という春希。もしも朋がバンドを崩壊させなければ、きっとこっ恥ずかしい青臭い結末になってたのかもしれません。

そして歯車がかみ合ってしまった青春。好きな娘と自分を好きな娘がバンドに加入して、なんとも奇妙な三角関係が完成してしまうのである。そして胃薬必至の物語が始まってしまうのである。名曲すぎる「届かない恋」、春希はかずさに宛てた恋文。雪菜はどんな思いで受け止めたかと思うと胃の痛さがヤバイ。

かずさ「その詞…小木曽をイメージして書いてるらしいぞ?」
雪菜「え?え?」
春希「あ、こらっ…い、いや…元の詞はもっと前に出来てたんだよ」
雪菜「え?え?え?」
春希「けど、その…雪菜がボーカルに来てくれることになったから、言葉の使い方とか、イメージとかだけ合わせて」
雪菜「え、えと、えと、それって…?
かずさ「北原が詞を書いて、あたしが曲をつけた、小木曽のためだけの歌、だ」
雪菜「……」

雪菜をイメージして書いたとかずが言った側から、春希は「元の詩はもっと前に出来てた」と断言しちゃうのがもうね。「冬馬の奴は1行も直さなかったから不安で」と言うように詩自体はまったく変えてないという。「届かない恋」の歌詞を読んだ雪菜の表情が俺の心の琴線を刺激しまくるってもの。笑顔が消えて、「……」という表記で歌詞を読みだす表情がなんとも切なすぎるってものですよ!

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雪菜「…」

絶対に直ぐに詩の意味理解したよね。「ごめん、ちょっと黙っててくれる」と言いながらかずさへの想いの詩を読む雪菜の切ないオーラが半端なし。

とりあえず、序章で雪菜に一気に転んでしまいました。だって全身から漂う報われない娘のオーラが発せられているし、本当に可哀相な娘としかいいようがありませんよ。俺は断然雪菜派である。しかし歌が本当に素晴らしい。前作へのリスペクトも忘れず名曲「ホワイトアルバム」が流れた時には魂が震えた。つまり、何が言いたいのかといえば、お前ら携帯の充電切れすぎだろ

しかし、ここまで序章なのに痛くて儚い。
どうも「幽々白書」の飛影の妹の雪女・雪菜(ゆきな)の影響か、小木曽雪菜をどうしても「ゆきな」と読んでしまいましたけど、今では雪菜という文字を「せつな」と読むようになってしまいましたよ。だって切なすぎるんだもん。続く。