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「ハナコ@ラバトリー」トイレ鉄道999
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2012年01月21日
恋愛マスター秋★枝先生の「煩悩寺」は"ラブコメの極地"のさらに奥にあるという"イチャラブの極み"の扉を開いてしまったのはご存じの通り。そして先月「煩悩寺」2巻が出たばかりなのに、今月もう秋★枝先生の新刊が発売ですってよ!
で、「的中!青春100%」は秋★枝先生初の4コマ作品であり、ゆるゆるな弓道部で男子部員1人でハーレム状態なのに、先輩達はボケるのに命を懸けており、まるでハーレム展開にはなりません。とはいえ、同級生のヒロインとは一応ラブがコメたりします。

ラブがコメた
「煩悩寺」は、基本ぬるく青春しつつ、ボケたり突っ込んだりちょっといい話だったりしてほっこり。むしろ天然ボケ娘と思ってた楠いろはがちゃんとデレた事で僕の頬もニヤニヤしつつほっこりでした。
悶絶するぐらいのラブコメ要素はむしろ同時収録の「ワンシーン」に凝縮されてます。頬がニヤニヤするシチュにスポットを当てた連作で、どの話も頬の筋肉を緩めニヤニヤと笑みを浮かべてしまいます。特に課長とOLの話は超弩級クラスの破壊力で部屋中ゴロゴロ転げまわるレベル。
「煩悩寺」「的中!青春100%」とはちょっと違うテイストの「ハナコ@ラバトリー」。原作が「サナギさん」の施川ユウキ先生で作画が秋★枝先生。異色のコラボレーションによる「ハナコ@ラバトリー」。以前にちょろっと紹介しましたけど、先日2巻が発売されました。これが最終巻です。マジで感動する!


ショックで震えることってあるんですね。
ラストを見て10分くらい無言でした。
読後に、どうも前がよく見えないんですよ。気付けば視界がぼやけていました。これは何かのサスペンスか、怪奇現象か、超常現象か、ああ…分かった。俺泣いてるんだ…。くそ、久々にガチ泣きさせられてしまった。
簡単に「ハナコ@ラバトリー」のストーリーを説明すると、トイレにしか存在出来ない地縛霊・花子さんが日本中の(アメリカのトイレにも出現したことあるけど)色んなトイレに現れ、そこで出会う人や幽霊とのエピソードが笑えたり、くだらなかったり、ほっこりしたりして、最後に花子さんがiPhoneを使ってブログを更新する1話完結型の話。次世代型のトイレの花子さんです。
毎年同じ日の同じ時刻で屋上から転落する地縛霊を成仏させたり、動物の恋路の謎を推理したり、便所飯するガキを説教したりと、花子さんの活躍を笑ったりほっこりしたりと楽しんでいました。

花子さんの活躍
時には優しく、時には厳しく、時にはアホくさく、時にはただの傍観者…今日も花子さんは日本中のトイレを彷徨います。
2巻でも変わらず、幼女を勇気付けたり、デートしたり、ただのアホな傍観者だったり、恋の後押ししたり…と、大活躍。なんて良い幽霊なんでしょうか。でも、誰もがほっこりするような花子さんは生前の記憶がありません。気付けば日本中のトイレにひょっこり現れては消える地縛霊となっていたのです。

生前の記憶なし
「私が私について知ってるコト」
「①私の名前は『花子』である、②私は幽霊である、③私はトイレでしか存在できない、④私の毎日は基本的に同じだ、風景だけを変えて似かよった時間を延々と繰り返す…とにかく、私が私について知ってるコトは余りに少ない」
日本中のトイレを彷徨う花子さん。そもそも名前すらも、自分が「トイレの花子さん」である根拠はトイレに囚われている幽霊だけという理由。じゃあ花子さんは何者なの?
私はだぁれ?
いつも、風景だけを変えて日本中のトイレで様々な人々に出会う…、花子さんは1話冒頭で語られた「銀河鉄道999」のような旅をしている。

1話冒頭
「『銀河鉄道999』を読んで思う、徹郎は列車を降りなければずっとトラブルに遭わず快適な旅を続けられたのに。私が徹郎なた降りない」
トイレを彷徨う旅を続ける花子さんは「銀河鉄道999」のようである。
自分が「銀河鉄道999」の鉄郎なら列車を降りない、列車から宇宙を眺めているだけでも快適な旅を続けられるからと思うしブログに記す。でも、花子さんは地縛霊に話しかけてしまう。トラブルに遭わず快適な旅を続けたいと思ってるのに、列車から降りてトラブルに首を突っ込む。

列車から降りる
ただ見てれば快適な旅と分かってるのに、地縛霊に話しかけてしまいました。「銀河鉄道999」の鉄郎のように列車から降りてしまう花子さん。日本中のトイレを彷徨う花子さんはまさに「銀河鉄道999」のようでした。ああ、これは銀河でなくトイレを旅する「トイレ鉄道999」なんだ…。希望の便所にめぐり合うまでさまよい続けるだろう
「人は誰でも幸せ探す旅人のようなもの、希望の星に巡り合うまで歩き続ける」によろしく、「花子さんは幸せ探す旅人の幽霊で希望のトイレに巡り合うまで彷徨い続ける」のでした。トイレの旅をし続けた花子さん。きっといつか青い小鳥に出会えるのでしょうか。
童話「青い鳥」は、2人の兄弟が過去や未来に国で幸福の象徴である青い鳥を探す旅に出て、それは自分たちの最も身近なところにあったという物語。花子さんにとっての青い鳥もやっぱり最も身近なところにありました。
最終エピソード「椎名千鶴」
花子さんそっくりな女子・千鶴。回りの人から浮きまくり、心臓の鼓動を気にする娘。千鶴はいつか心臓が爆破すると思い込も、自分を嫌ってるのは心臓であると述べていました。そんな中で、あるトイレの一室で出会ってしまうのである。

出会ってしまった
自分とそっくりな千鶴を見てビックリする花子さん。
千鶴は幽霊の花子さんが見えません。
なんとかコミュニケーションを取ろうとする花子さんは壁文字に「あなたは誰?」と書きアドレスを記すのでした。それを見て逃げ出してしまう千鶴。心臓の鼓動が止まりません。だって知ってるアドレスだったから。

花子さんを姉と述べる椎名千鶴
「アレは、私の死んだ姉のアドレスよ」
「私、恨まれてるの。姉は私に殺されたから」
鳥肌立つゾクゾク展開である。花子さんは自分の姉と述べる千鶴。そもそも最終エピソードの1個前の話が成仏したくても出来ない謎の手の話で、今までの「ハナコ@ラバトリー」は怖い話やサスペンスな話でも最後はほっこりだったのに、「ビル」は最後まで超怖い話だったのでゾクゾク感は際立ちます。
この流れまで読んだ時は、椎名千鶴が花子さんの生前の話かと思ってしまいましたよ。凄いミスリードの使い方が上手い。
そして解き明かされた花子さんの過去。
「お姉ちゃん、ごめんなさい。あなたを殺したのは私です」という不気味なメール。花子さんは、何故トイレを彷徨っていたのか、何故成仏できなかったのか…それが明かされた過去話。トイレにいると述べた病弱だった妹、探す生前の花子さん(仮名)…、アクシデント…。もう涙でページがめくれません!
謎が明らかになり、全て思い出した花子さん。
旅人のように彷徨った花子さんが最期にたどり着いたトイレは実家のトイレ。いつか出会うはずの青い小鳥は妹だった…。

きっといつか出会うさ青い小鳥に
いい話だな、おい!
「銀河鉄道999」のように長い旅の果てに出会った妹。
最後のエピソードで号泣しまくって放心状態ですよ。まじ感動をありがとう。もうね僕は読了後にガチ泣きしながら、メーテルと別れた鉄郎のような気分でしたよ。さようなら花子さん、さようならー!さようならー!
ハナコ@ラバトリー(2)(完) (CRコミックス) (CR COMICS)
posted with amazlet at 12.01.21
施川ユウキ 秋★枝
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