【Amazon】「謎の彼女X」(8)限定版 (アフタヌーンKC)

アニメ化も決まった「謎の彼女X」。8巻の限定版の予約受付がアマゾンで開始されました。

荒野の恋(1) (KCデラックス)
タカハシ マコ
講談社 (2012-02-06)

タカハシマコ先生×桜庭一樹先生という組み合わせは実に素晴らしい。それは「青年のための読書クラブ」で証明されたわけですけど、今作「荒野に恋」も僕の心の琴線に触れまくる。原作未読で漫画版しか読んでいませんけど、これはお勧めですね。
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1巻裏表紙の説明は以下の通り。

中学生の入学式の日、山野内荒野は電車で少年・神無月悠也に窮地を救われる。小説家で恋多き父と、父の愛人たち、新しい義母、そして義母の連れ子…。荒野の世界が、いやおうなく少女を大人への階段へおしあげる。
いま少女の"あなた"と、かつて少女だった"あなた"に送る熱くてさわやかな物語―。

原作はライトノベルで出ていた時には各所で話題になっていたので気になっていたんですが、漫画化されて嬉しいってものです。桜庭一樹先生が直木賞を取った関係か、その後ラノベは未完状態で文藝春秋から文芸書扱いで単行本が出て完結したようです。まあ原作未読なんですけどね。

中学の入学式の日に、スカーフが電車の窓に挟まったところを悠也に救われ、それが同じクラスで気になる異性…だったのが一転。父親の再婚で義兄妹になるという、それなんてエロゲ?的な設定。

中学生に進学したばかりの少女・山野内荒野の成長譚物語。
成長譚といえば内面的、精神的な成長を思い浮かべるものですが「荒野の恋」は精神的な成長だけでなく、肉体的な成長にもスポットを当てているんですから、大きなお友達も大好きな「なかよし」の需要には答えていると断言できます。

体の変化はね、本人の了承なしにとつぜん始まって、終了するまで待ったなしに続くのよ

1
荒野

特に胸が大きくなってきた、巨乳の素質がある、はじめてブラジャーを買いに行くという流れが北斗神拳のごとく秘孔を突いてきます

タカハシマコ作品で原作桜庭一樹先生ならば、百合方面の期待も当然高まるというもの。どうも中学での初めての友達でおしゃれで大人っぽい田中江里華がやたらと荒野を睨んでいるわけですけど、どうもても恋する乙女な表情。しかしこの娘、自分で自分のアソコを鏡で見たとかグッとくるな。

「少女」から「女性」になるまでの多感な時期。
恋ってなんだろう、大人になるってどういうことだろう、と荒野が手さぐりで探していくのが印象的です。あくまで自分で知る、発見するという。江里華いわく恋とは「性欲をともなう強い好意のことだと思う」、悠也いわく「恋って、つまりは所有欲だと思う」。実際に恋をすれば…。

2
恋って…

胸がいたい」…と、自分で理解。
というか見た目は黒髪メガネっ娘で文学少女のような見た目で、行動がアグレッシブというギャップ。臭いを嗅いだり、男のパンツをマジマジと見たり。4話のサブタイトル「パンツの色と涙の色」とかどんな色だよ!

パンツなんてただの布なのに、悠也がはいてたと思うと赤面してしまうとかどうなんですか!ただの布なのにただの布じゃないというのか!

4
パンツの色と涙の色

「悠也がはいてたってだけで、ただの布なのに」
「―…悠也が…はいてた…」
カー(赤面)

素晴らしい!

何よりも少女漫画特有の夢見るお花畑的な綺麗な恋とかと違って、荒野という少女の世界に大人の生々しいドロドロしたような恋愛がまとわりついているのが特徴的。
3
大人の生々しさ

父親がすけこましの為に、父の愛人が物語に絡んできて生々しさが凄い。それでも、荒野の視点では生々しさを中和している。「綺麗」と「生々しさ」が両立しているのが凄い。

また荒野の心情の吐露が印象に残るというか凄く独特。「はやくおとなになりたい、かわりたいという気持ちもある。でもなにも、かわりたくない、ここにいたいとも思う」「ここちいいにおいだけど、人のうちにおジャマしているような感じ」「だれかにほめてほしい料理はおいしくてもどこか苦い」…と。荒野の心情の世界観は独特に子供っぽい、というかわざわざ平仮名ばかり使っている。原作でもそうなんでしょうか。これは子供っぽさ、少女っぽさを狙ってるんだろうか。成長して漢字が増えるんだろうか。

今後どうなるか分かりませんが、多感な時期の少女の恋と内面的&肉体的な成長が楽しみですね。