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「妄想奇行」人は誰しも中二病だった…
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2012年02月26日
妄想奇行―Adolescence Avatar (電撃コミックス)
posted with amazlet at 12.02.25
森山 大輔
アスキー・メディアワークス (2012-01-27)
アスキー・メディアワークス (2012-01-27)
今さら過ぎるんですけど「ワールドエンブリオ」の森山大輔先生の「妄想奇行」は凄い。なんというか「ワールドエンブリオ」のギャグパートのみを詰め込んだ感じなんですけど、これが笑えるだけでなく心に刺さる。
天空の勇者、セーラー戦士、八犬士、魔王を倒す者…選ばれし者。誰々の子供、子孫、生まれ変わり。誰々の意志を受け継ぐなど、主人公は運命的なものを背負う選ばれしものである。「妄想奇行」の主人公・矢崎有理もまた選ばれし者です。
「私は探してたのよ、アンタみたいな…そう」
「厨二妄想具現化能力者…略して厨能力者を!!」
選ばれし者
って、えぇ!?厨能力者?
どうやら有理くん、ロトの子孫でもなければ、天空の勇者の血も引いてないし、月の王国・シルバーミレニアムの戦士達の生まれ変わりでもなく、親が偉大な戦士だったわけでもない、ちょっと妄想力が高い隠れオタクである。
学校では最近、幽霊騒ぎが起こっており、この幽霊騒ぎの事件を解決する為に選ばれし者こそ有理。そもそも敵は自分の自作ラノベが具現化したものという不毛な不毛な戦いを繰り広げていくのです。特に糸が切れて自身について絶叫した時なんてグッときます。
「悪いか!!わかってるよ、どーせオレはなんちゃってリア充だよ!ホントはアニメもマンガもゲームもラノベもエロゲも大好きだよ!なのにオレのクラス、オタには異様なぐらいキビシイやつばっか集まってるわ!気になる子にはにこやかに終了宣言いただきましたわ!妄想たくましくて何が悪いんじゃああああ!!」
…素晴らしい独白です。
そして具現化した自作ラノベの怪物を倒すために、自分も自作ラノベの主人公・ヒルデに変身するのでした。
変身
男子高校生が魔法少女になった。
なんどこの魔法少女もの…。
しかも、具現化した妄想の敵と戦うわけですけど、キャラになりきらないと敵が倒せないのでもうやけくそで自作ラノベの主人公の魔法少女になりきり、その様子が痛すぎて爆笑もの。敵と戦うのに、いちいち自分の痛い妄想と向き合うという何ともいえない気分になるも、それが痛く面白い。
僕は森山先生の描く女の子が可愛くて大好きなんですけど、「妄想奇行」の女の子達は主人公を含めて僕の心の琴線に触れまくる可愛らしさですね。いちいち敵に捕らえられる女の子達がエロくあざといのもグッドです。
あざとくていいと思います
いわゆる「中二病」をテーマにしま作品ですけど、最近はやたらと漫画やゲームやアニモも中二病をテーマにしたものが多いですね。面白おかしく痛いものとして描かれる中二病ですけど、「妄想奇行」は痛いもととして描いた上できちんと成長を描いた点が凄いかなって。しかも中二病をちょっと良い話風にしちゃうし。
「大抵の厨能力者は思春期の間だけ…。いずれ大人になったら能力は消えてしまうわ。それに心のモヤモヤを発散できれば…将来の目標が明確ならこの力は発現しづらいものね」
厨能力
「私は、この力は永世桜が与えてくれたギフトだと思ってる。大人になる前に将来に悩む子達が様々な可能性を実現できるように…ね」
人は誰しも中二病だった。
最近は邪気眼とか特異点だとか、そういうオタク特有の妄想という意味で使われがちですけど、伊集院さんのラジオでは、好きな子と目があったひょっとして両想いかもしれない、内申が良くて自分は選ばれた者かもしれない…など、学生なら誰もが経験する恥ずかしい中二特有の症状を中二病といってました。
誰もが経験するんです中二病は。
胸のモヤモヤが消えるさるまで、しっかりとした思春期の精神の成長をバカバカしく描いたのが「妄想奇行」は、痛い中二病ですけど誰もがある学生時代の恥ずかしい経験を踏まえ上での成長なんです(ちょっといい話風に)。
妄想奇行―Adolescence Avatar (電撃コミックス)
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森山 大輔
アスキー・メディアワークス (2012-01-27)
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