僕等がいた 16 (フラワーコミックス) 僕等がいた 15 (フラワーコミックス) 僕等がいた 14 (フラワーコミックス)

「僕等がいた」16巻が発売されました。
これにて「僕等がいた」も完結である。思えば長かった…。10年間かよ。それで16巻…。もはや途中からバッドエンドしか見えなくなり、小畑先生も女版冨樫と言われるぐらい休むようになり、「僕等がいた」は終わらないのかもしれないと思った事もあるだけに感慨深いです。

いやー見事なハッピーエンドでした。
最後の七美と矢野に胸が熱くならざるを得ないってもの。めがっさ遠回りしたけど2人のハッピーエンドは思わずグッときてしまいました。途中で七美が階段から落ちて入院した時に、「やっぱり来たか!」と鬱展開を期待したのは俺だけではないはず。本当に綺麗に終わったものです。そして竹内くんがいい人すぎる

竹内くんはただの当て馬ではありません。壮大な当て馬です
無駄にいい人でハイスペックすぎた。対して矢野はダメ男すぎた。100人いたら99人が竹内くんを選んぶことでしょう。しかし七美だけは矢野を選んだ。竹内くんが敗れ去る道理は1つもないけど、唯一の敗因はダメ男を好きな娘に恋をしたとしか言えません。

「オレと一緒に生きてゆこう、これからずっと…共に」とプロポーズした竹内くんに対して、矢野のプロポーズは「オレの家族になってください」とシンプルなもの。

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矢野のプロポーズ

シンプルでいて凄く重い。
というのも矢野にはもう家族がいないわけで、ただの結婚して下さい以上の意味がありますよね。そりゃ「矢野を忘れられない荷物ごと引き受ける」が「腐った野菜ごと引き受ける」に負けたのも道理っちゃ道理である。欲をいえば、あの海でこのシーンが見たかったかな。

しかし、竹内くんの死にっぷり&アシストっぷりは、僕が今まで見てきたあて馬の中でもNO1だったと言えます。高校時代のいい人っぷりは社会人になってより一層磨きをかけていました。もう終盤の竹内くんのアシストっぷりは涙無しでは読めません。

高校の時に竹内くんは矢野の1つの例えをしました。「お前の目の前で高橋と奈々さんを海に投げ込んで、溺れさせて、どっちを先に助けるか」(21話)そんな分かりやすい方法。矢野は何も答えませんでしたが、社会人編になってこの例えの答えを言い放ちました。

「もし親しい男二人が乗ってるボートがひっくり返ったら、お前ならどっちを助ける?より親しいほう?顔のいいほう?優しいほう?好きなほう?…オレはね千見寺…泳げないほうを助けるよ…高橋はひとりで泳げる。高橋は強い、奈々ともオフクロとも違う」(50話)

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どっちを助けますか?→泳げないほうを助ける

Q、海で溺れる七美と奈々のどっちを助けるか?
A、泳げない方を助ける。高橋はひとりで泳げる

そんな答えを言い放った矢野。
でも、竹内くんはそんな矢野に言うのです。

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竹内くん

高橋が溺れているのが、おまえには見えないのか

七美も溺れていると教えてあげた竹内くんマジいい人。そのまま最後までいい人を貫いた竹内くん。よくある当て馬救済処置(という名の余り者同士を付け合わせ)もなく、孤高にアメリカに旅立つ男。竹内△□×(さんかっけー死角無し)!

指輪を海に投げ捨てたと思ったら捨てて無くて。「おまえがこの指輪の意味をちゃんと理解したら、その時はおまえの手で捨てろ」とか手紙を残していった時は「うわぁ…」と軽く引いてしまいました。でも、バトンって意味だったと分かった時はグッときましたね。そして矢野はこのバトンを…捨てずに売っぱらいました

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指輪売った

捨てるのは簡単だ
今度は捨てない生き方をしたい

胸が熱くなるな!
というのも矢野は母親が死んでから自暴自棄気味になってから竹内くんに「過去を全部捨てる」「今まで持っていたものも、大事にしていたものも全部捨てる」と言っていました。過去を捨てた矢野。それが過去を捨てない生き方を選んだ、と。長倉と父の籍に入ったのに、七美の会社に電話した時は「えーと、長…いえ、矢野。"矢野"と言います」と、捨てた過去の苗字で名乗るのも味わい深いですね。

過去を捨てた矢野が、捨てない生き方を選ぶようになったのは七美のおかげでもありますが、竹内くんの多大なる影響は外せませんよ。竹内くんがいなきゃ、ハッピーエンドは絶対に無かった!だから安らかに眠ってくれ。

まあ、竹内くんは置いといて最終巻は本当に感動した。矢野には七美しかいないし、七美には矢野しかいないと思わせてくれました。2人が色々とデジャブってお似合いとしか言えません。最終巻の矢野の行動は、あれどっかで見た事あるぞのオンパレード。これ社会人になった七美の想いと同じや!

矢野が瞳を閉じて「まぶたの奥で思い返した」とかまんま(52話の)七美と同じ行動取ってた。デジャブりすぎだろ。矢野は七海が今まで1人でやっていた思い出をなぞるような言動。なんなんだよこれ。お前ら、笑い方だけでなく、やってる事も同じじゃねーかっていうね。

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デジャぶりすぎだろ

矢野があたしを強くしたんだよ
おまえ(七美)がオレを強くしたんだよ

空白の6年間を取り戻せという流れもまんま同じ。
最終巻の矢野はデジャりまくる。今までの七美の言動をまるでなぞるように行動する。それは七美の想いに答えるように同じような事を思うのでした。同じ事を思い浮かべる。高校時代にダイブする、青臭い青春してた輝いてたあの頃のに走る。

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51話 / 69話

七美「あの頃のように
矢野「失った時間を取り戻せ!!

繋がる!51話と69話の高校生に戻ったような後姿が連結する。
これを踏まえると16巻の表紙が味がありまくる。あの頃のように失った時間を取り戻して出会えたみたいじゃないですか。胸熱。

人という字はお互いが支え合っているように、七美と矢野もお互いがうんたらかんたら…(金八先生)。いやー、最終巻の過去の出来事を回想して矢野も七美と同じような事想ってたという流れには泣きそうになります。そりゃ竹内くん入り込む隙間ねーわって別の意味で泣きそうになります。

そして最大のキモは当然電車のホームですよ。高時代、矢野が東京に引っ越した時の七美が見送った、あのホームに矢野が帰ってきた時は目頭が熱くなるしかない。感無量とはこのことですよ。

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あのホームである


( ;∀;)イイハナシダナー

「ただいま」「おかえり」のやり取りが屈指の名シーンすぎた。以前、七美が夢で矢野に帰って来てと言えば「…オレどこに帰ればいいの?」「どこに帰ればいいの?」と尋ねられ、結局、七美は何も答えられませんでした。

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どこ帰ればいいの?

そうだ、矢野には帰るところかがない

一緒に釧路に帰りたいと言っても「釧路帰るって考えたことなかった」と言う程。それでも竹内くんは、七美が入院した時に矢野に対して「帰ってこいよ」と。どこに帰るんですかって、東京にですか?そりゃ七美のもとへ帰ってこいですよね!だからこそラストの「ただいま」「おかえり」が感動的すぎる。まだ、矢野には帰るところがあるんだ、こんな嬉しいことはないですよ。

しかし矢野と竹内くんの電話のやり取りは半端ないな…。

タケ…ありがとう。おまえに出会えて良かった。なあ、オレ女だったらぜったい、おまえと結婚すんのにな

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か~(赤面)

アッー!!

まるで告白のような矢野の台詞に赤面してしまう竹内くん。なにこれ。実にホモホモしいですね。「僕等がいた」のヒロインは七美ではなく竹内くんだったと錯覚してしまった人は俺だけではないはず。つまるところ、「僕等がいた」とは竹内くんがいたという結論になるのです。



僕等がいた 15 (フラワーコミックス)
小畑 友紀
小学館 (2011-06-24)

僕等がいた 14 (フラワーコミックス)
小畑 友紀
小学館 (2010-08-26)

僕等がいた 13 (フラワーコミックス)
小畑 友紀
小学館 (2009-10-26)