乙嫁語り 4巻 (ビームコミックス)
森 薫
エンターブレイン (2012-05-12)

「乙嫁語り」4巻が発売されました。
20歳の花嫁アミルと12歳の花婿カルルク。2人が8歳の年の差を超えて愛をはぐくんでいくブライド物語。そんな風に思ってた時期が俺にもありました。4巻の帯に驚愕!

中央アジアを舞台に描かれる、お嫁さん連作「乙嫁語り」。
主人公のスミスはアラル海の漁村を訪れるが、そこで待ち受けていたものは…!
第3の乙嫁は双子の悪童アイラとレイリ。

そうか、主人公はスミスだったのか
「乙嫁語り」はスミスが訪れる場所で巡り合う嫁の連作漫画だったのか。ビックリですね。1巻とか2巻なんてただの傍観者というか観測者だったのに。3巻では巻き込まれて婿になりかけ、4巻ではまた観測者になっています。

舞台はアラル海周辺
ウズベキスタンとかカザフスタン辺りか。廃墟写真などで有名な死の湖・アラル海も、この時代は自然豊かで漁業をする村民が平和に描かれています。この時代のこの地域ってなると政治的な事柄も絡まっていくんだろうか。あんまり政治的なものを絡めて欲しくないような、でも厚みが増すので絡めて欲しいような。

第3の乙嫁はパワフルな双子の姉妹。

1
ライラとレイリ

今までよりさらにコミカルになっております。
ライラとレイリが兎に角騒がしくテンション高い。第1の乙嫁アルミ、第2の乙嫁タラスも、13歳とかで結婚する時代においては妙齢ともいえました。第3の乙嫁ライラとレイリは「乙嫁語り」における初めての結婚適齢期での結婚ですね。えらく幼く見えます(実際幼いけど)。

双子とか姉妹って差別化の為に正反対の性格だったりしますが、陰と陽って感じで。でも、この双子はまったく同じ。やる事なす事、メチャクチャだ…とウルージさんも言ってました。陽と陽です。この双子が可愛いんだ。特に何かやらかして父親にゲンコツを貰って泣く姿。

2
殴られる

よい婿を探そうと様々な策を使って失敗するパワフルな様子が笑えます。

そもそも父親が娘の嫁を決めるという事がピックアップして描かれてきた「乙嫁語り」。第2の乙嫁タラスなんかそれが如実でした。でも、この村の女性達は強い強い。頭を触られた事にしたとか男を陥落す微笑み…など、今の旦那をGETした想いでを語らう。それを聞いて我が身を顧みずいい男をGETしようとする双子だけど相手は昔馴染みの兄弟。

キャラが立ちまくってイキイキしてる様子といい、妥協した結婚相手ではあるものの段々惹かれて様は読んでてニヤニヤしちゃうってもの。

アミルやタラスと違い、この双子は前から知ってる幼馴染が相手。父親が結婚相手を決める世界では珍しいですよね。父親が決めるからこそ、結婚する時初めて嫁と婿が対面する事もよくあることでしょう。そこで、「乙嫁語り」は演出として何か運命的に出会い見つめ合うシーンが導入されます。

3
見つめ合う

「乙嫁語り」冒頭の、アミルとカルルクが出会った時を始め、スミスとタラスが初めて出会った時もロマンチックな運命的な見つめ合いが導入されていました。それは4巻のサイドストーリーとして展開してたパリヤ(第4の乙嫁か?)も同じ。市場で買い食いの時に、ひょんな事から「うちの息子に嫁を探してるんだが」という話になってあれよあれよと進む結婚話。初めて出会った時にはやっぱり見つめ合っていた。

でも、ライラとレイリ&サマーン&ファルサーミは前からの顔馴染の為か、出会った時の見つめ合う演出がなかった。初めて見つめ合った(?)というか目を合わせたのは、お互いの兄弟が別々に話し合う、つまるところの初デートの時でした。

4
ここで見つめ合った

あんまり運命的なものを感じる演出ではなかったけど、お互いが個々に別れてから見つめ合ったのは良かったかなと思います。4巻は双子の結婚前までが収録で続きが本当に楽しみです。

個人的に一番は「短期集中花嫁修業」。
なんか熱血漫画のノリになってより一層コミカルになりましたが、ラストの母子のやり取りは思わずグッときてしまいました。

5
母子

この時のやり取りが泣けるんだ。
4巻はガラッと雰囲気が変わったというか、作者がはじけたというか。全体的にコメディという印象が強かったんですが、最後に泣かされるとは。

また、相変わらずの描き込みっぷりで1コマ1コマ見惚れる。装飾物が貝殻などに海のものに変わっているのも凄いですね。最後の主人公スミスが捨てた懐中時計も誰かに拾われて、何かの伏線なんじゃないかと期待してしまいます。続きが楽しみ過ぎる!
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