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「空想郵便局」奇跡を届けるグッとくる人間ドラマ
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2012年06月03日
・宇宙兄弟(18)限定版 (プレミアムKC)
「宇宙兄弟」18巻限定版の予約受付がアマゾンで開始。
6月22日発売予定。
「まじめな時間」1巻が発売されました。
漫画版「秒速5センチメートル」を描いた清家雪子先生のアフタでの新作です。交通事故で死んでしまった女子高生・一紗が幽霊となり、死んではじめて分かる家族の気持ちや友達の気持ち。伝えたくても伝えられないもどかしさ、忘れられる生きてる人の日常に寂しさを憶えるなど。かなりコミカルですが、時にはシリアス。グッときます。先が楽しみです。
そして「空想郵便局」1巻が発売されました。
こちらも「まじめな時間」同様に、死後に人生を振り返る系統の話。
ああ、こういうの好きだわ。雰囲気というか、ちょっといい話とか僕の大好物なんですよね。いわゆる「奇跡を配達する」中でちょっといい話が読めるという基本1話完結の人間ドラマです。
普通の高校生・村瀬真今は日常に退屈していた。毎日同じことの繰り返しで、死ぬまでずーっとこんな感じで続くのか、と。でも退屈な日常が続く事を「ま、別にいいけど」と達観もしていた。退屈とは思うもののそれなりに充実した日々を過ごしていた真今。
ある日、カラスに襲われている白い鳩を助ける。
鳩を助けたら、その日に彼女にフラれ、助けた鳩にはコケにされ、鳩を助けたらツイてないと思った矢先に、バイクで交通事故に遭ってしまう。気付くと、そこは真っ白の世界だった。
真っ白の世界にはあの鳩がいた。
女の子もいた。
胡散臭いのもいた。
胡散臭いの
なんだこいつw
素足を出して白い布を被っただけのあの世の偉い人。
この純度100%な変態チックの格好。素晴らしいです。
で、この変態チックな偉い人が言うのですよ。
「生き返る手助けをする」、と。現実世界の真今は昏睡状態であり、生き返るためには神様の使いであるという彼らの下で働き命を稼ぐこと。人に「奇跡」を運ぶ配達人になれ、と。
配達人に
「もう一度、生き返りたいのなら」
「『奇跡』の配達人として、ここで命を稼ぐといいよ」
こうして「奇跡」の配達人となった真今。
普通の日常が、普通じゃない非日常になったのです。
で、「奇跡」を人々に届けるお仕事をするようになる。これがなかなか良かったんですよ。人々の織りなす人間模様から生まれるちょっとした奇跡が丁寧に描かれている。ちょっとした奇跡で生まれるちょっといい話が、胸にじんわり響くのである。
1巻に収録されているのは序章といえる「白い鳩」。そして1話完結の「奇跡」を配達する「隣同士」「賭ける」と1話完結でなく続きものの「ささやかなしあわせ」の全4話。個人的には「隣同士」が僕の心の琴線に触れる。
小さい頃から隣同士だが今では疎遠になった幼馴染の男女。
高校進学して男のほうが不良系の友達と付き合うようになって、それを心配する女の子の話。男が「サラリーマンの男性を襲って、お金を奪って逃走」という濡れ衣を着せられ、誰も濡れ衣と信じてくれない中で幼馴染の女の子だけは信じていた。そして、真今の届けた「奇跡」という紙が本当に奇跡を巻き起こす…。そこからの展開はもうね、胸が熱くなるよ。
胸熱
「奇跡」の配達人、ちょっとした奇跡を起こすである。
3話「賭ける」は、ヒモのギャンブル好きの世間的に見ればどうしようもない男に箱を届ける。ここでもちょっとした「奇跡」が起こり、ホッコリ良い話になっている。
また、真今が生き返る為に命を稼ぐ「奇跡」の配達をするうちに、自分の人生を見つめ直したり、「俺って本当に生き返りたいのかな?」と思うようになったり、人は何の為に生きてるんだろうと哲学的な事を言い出したりと色々と考えさせられます。そして3人目の配達先である、大学生の男の台詞が僕の心の琴線を鷲掴みにしやがる。
琴線を鷲掴みにしやがる
「生きる理由があるやつなんてほとんどいねーよ」
「お前な、それを探すのが人生っつぅ」
「そうじゃねぇ?そうだろう!誰だって」
「何もないまま死んでもさ『つまんなかったぁ』って思うだけだろ?」
「それよか何かあって『良かったわぁ』つって死んだ方がいいだろ絶対」
これを聞いた真今も自分の死と照らし合わせて何か思う、何か大事な事に気づいたようなハッとした表情がまたいいんだ。グッとくる。
真今が運ぶ「奇跡」は白い紙だったり箱だったり飴だったり、運ばれた人が開けないと分からず、開けてみると「ちょっとしたしあわせ」が奇跡が起こる。配達先の人と一緒に真今も奇跡を目の当たりにする。読者的視線で真今も傍観者となっているのもより一層物語に引き込まれます。毎日を退屈と思っていた真今は生きる意味を見つけられるのか…続きが楽しみすぎる。お勧め。
「宇宙兄弟」18巻限定版の予約受付がアマゾンで開始。
6月22日発売予定。
「まじめな時間」1巻が発売されました。
漫画版「秒速5センチメートル」を描いた清家雪子先生のアフタでの新作です。交通事故で死んでしまった女子高生・一紗が幽霊となり、死んではじめて分かる家族の気持ちや友達の気持ち。伝えたくても伝えられないもどかしさ、忘れられる生きてる人の日常に寂しさを憶えるなど。かなりコミカルですが、時にはシリアス。グッときます。先が楽しみです。
そして「空想郵便局」1巻が発売されました。
こちらも「まじめな時間」同様に、死後に人生を振り返る系統の話。
空想郵便局 1 (マッグガーデンコミックス ビーツシリーズ)
posted with amazlet at 12.05.31
朝陽 昇
マッグガーデン (2012-05-14)
マッグガーデン (2012-05-14)
ああ、こういうの好きだわ。雰囲気というか、ちょっといい話とか僕の大好物なんですよね。いわゆる「奇跡を配達する」中でちょっといい話が読めるという基本1話完結の人間ドラマです。
普通の高校生・村瀬真今は日常に退屈していた。毎日同じことの繰り返しで、死ぬまでずーっとこんな感じで続くのか、と。でも退屈な日常が続く事を「ま、別にいいけど」と達観もしていた。退屈とは思うもののそれなりに充実した日々を過ごしていた真今。
ある日、カラスに襲われている白い鳩を助ける。
鳩を助けたら、その日に彼女にフラれ、助けた鳩にはコケにされ、鳩を助けたらツイてないと思った矢先に、バイクで交通事故に遭ってしまう。気付くと、そこは真っ白の世界だった。
真っ白の世界にはあの鳩がいた。
女の子もいた。
胡散臭いのもいた。
胡散臭いの
なんだこいつw
素足を出して白い布を被っただけのあの世の偉い人。
この純度100%な変態チックの格好。素晴らしいです。
で、この変態チックな偉い人が言うのですよ。
「生き返る手助けをする」、と。現実世界の真今は昏睡状態であり、生き返るためには神様の使いであるという彼らの下で働き命を稼ぐこと。人に「奇跡」を運ぶ配達人になれ、と。
配達人に
「もう一度、生き返りたいのなら」
「『奇跡』の配達人として、ここで命を稼ぐといいよ」
こうして「奇跡」の配達人となった真今。
普通の日常が、普通じゃない非日常になったのです。
で、「奇跡」を人々に届けるお仕事をするようになる。これがなかなか良かったんですよ。人々の織りなす人間模様から生まれるちょっとした奇跡が丁寧に描かれている。ちょっとした奇跡で生まれるちょっといい話が、胸にじんわり響くのである。
1巻に収録されているのは序章といえる「白い鳩」。そして1話完結の「奇跡」を配達する「隣同士」「賭ける」と1話完結でなく続きものの「ささやかなしあわせ」の全4話。個人的には「隣同士」が僕の心の琴線に触れる。
小さい頃から隣同士だが今では疎遠になった幼馴染の男女。
高校進学して男のほうが不良系の友達と付き合うようになって、それを心配する女の子の話。男が「サラリーマンの男性を襲って、お金を奪って逃走」という濡れ衣を着せられ、誰も濡れ衣と信じてくれない中で幼馴染の女の子だけは信じていた。そして、真今の届けた「奇跡」という紙が本当に奇跡を巻き起こす…。そこからの展開はもうね、胸が熱くなるよ。
胸熱
「奇跡」の配達人、ちょっとした奇跡を起こすである。
3話「賭ける」は、ヒモのギャンブル好きの世間的に見ればどうしようもない男に箱を届ける。ここでもちょっとした「奇跡」が起こり、ホッコリ良い話になっている。
また、真今が生き返る為に命を稼ぐ「奇跡」の配達をするうちに、自分の人生を見つめ直したり、「俺って本当に生き返りたいのかな?」と思うようになったり、人は何の為に生きてるんだろうと哲学的な事を言い出したりと色々と考えさせられます。そして3人目の配達先である、大学生の男の台詞が僕の心の琴線を鷲掴みにしやがる。
琴線を鷲掴みにしやがる
「生きる理由があるやつなんてほとんどいねーよ」
「お前な、それを探すのが人生っつぅ」
「そうじゃねぇ?そうだろう!誰だって」
「何もないまま死んでもさ『つまんなかったぁ』って思うだけだろ?」
「それよか何かあって『良かったわぁ』つって死んだ方がいいだろ絶対」
これを聞いた真今も自分の死と照らし合わせて何か思う、何か大事な事に気づいたようなハッとした表情がまたいいんだ。グッとくる。
真今が運ぶ「奇跡」は白い紙だったり箱だったり飴だったり、運ばれた人が開けないと分からず、開けてみると「ちょっとしたしあわせ」が奇跡が起こる。配達先の人と一緒に真今も奇跡を目の当たりにする。読者的視線で真今も傍観者となっているのもより一層物語に引き込まれます。毎日を退屈と思っていた真今は生きる意味を見つけられるのか…続きが楽しみすぎる。お勧め。
空想郵便局 1 (マッグガーデンコミックス ビーツシリーズ)
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朝陽 昇
マッグガーデン (2012-05-14)
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