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「空が灰色だから」やっぱり心がざわざわする
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2012年07月28日
「空が灰色だから」2巻が発売されました。
なんでも帯によると、1巻翌日に超重版で大ブレイクだとか。そんなにヒットしてたのか。それは知りませんでした。で先日待望の2巻が発売されたわけです。10代女子を中心に、人々のうまくいかない日常を描いたオムニバス短編集。読んでてダメージを受けるというわけではありませんが、本当に「心がざわつく」のである。
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1巻もそうなんですけど、ハッピーエンドになるわけじゃないエピソードが結構な割合で含まれているので、普通にいい話やニヤニヤする話でも最後まで息を吐かせない。途中で「これ、どんでん返しあるんじゃないの?」と疑心暗鬼になりながら読んでしまうのである。
13話「僕の家の隣の家のお姉さん」は、いわゆる幼馴染でドジっ娘のお隣のお姉さんにほのぼのしつつも最後まで、何かあるんじゃないかと身構えて読んでしまいます。
僕の家の隣の家のお姉さん
結局、このエピソードはお隣のお姉さんが本当はドジっ娘なのに自分では気づいてないという、ほのぼのとした可愛らしいもので終わります。それでも最後の瞬間を読み終わるまで心の中で来るぞ、来るぞとファイティングポーズを取っているっていうね。
これこそ「空が灰色だから」のキモで面白いとこですよ。
ぶっちゃければ13話「僕の家の隣の家のお姉さん」、14話「おはよう」、15話「ネガティブスリーパー」も、1話1話の短編として見れば「ふーん」程度の感想しか抱かなかったと思うんですよね。でも、事前に心でファイティングポーズ取ってたから、読み終わった後に良かったと思えるし凄くいい話に思ってしまいました。
そして16話「金魚」である。
16話「金魚」
きましたねダークなエピソードが。
16話「金魚」は、無表情な女の子がいつも無表情で○○はどんな顔をしているのだろうか、私はどんな顔をすればいいのかと悩む話である。最後まで淡々と気味の悪さがあるエピソードでした。
14~15話が明るいエピソードだっただけにそのギャップは凄い。「空が灰色だから」はチャンピオンの連載で1週1週読むよりも、まとめて単行本で読んだほうが絶対に面白いと思うの。1話1話のエピソードのギャップhがジェットコースターのように上がり下がりしていい。まあ読むの疲れるかもしれんが。
16話「金魚」、17話「こわいものみたさ」はまさにダークというか不気味さが心地よいものでした。そして18話「信じてた」こそ、これぞ「空が灰色だから」だからという実に心がざわざわするいう内容でしたね。
18話「信じてた」
元野球部のエースで、去年の夏には公立校を決勝まで導く活躍を見せた涼。しかし、甲子園後一歩のところで逆転サヨナラを喫し野球部を去ってしまっていた。今ではブラブラするだけの涼にハッパをかけるツンデレ若葉。
愛の叱咤をして涼を奮い立たせようとする。
そして立ち上がったり、見事に復活を果たしても…。
信じてたけど…
「オレが好成績出した瞬間信じてたか…」
「おまえ、よくぬけぬけとそんな手の平返しできるな」
うわぁぁぁぁっていうね。
普通なら、いつもオレを見ててくれたとか、愛の叱咤激励で復活した~とかそういう話になるはずなのに、これである。いい意味で予想外(このエピソードでは悪い意味だけど)の結末になってしまう。
このどんでん返し感がたまりません。
こういうエピソードあるからこそ、終始ほのぼの話でも終始ダークな話でも何か起こる、何かどんでん返しがあるんじゃないかとドキドキしながら読んでしまう。1話1話のエピソードがさらに面白く感じちゃうってものですよ。
ふむ、2巻も心がざわざわしました。
まとめて読むと面白さ倍増やで!
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