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「屋上姫」さよなら結子、君の事は忘れない
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2013年02月13日
「屋上姫」4巻が発売されました。
これで完結です。表紙は涙を流す霞上先輩。確かに霞上先輩の涙は強烈に印象に残るシーンであります。最終巻ですし、この表紙のチョイスは間違っていないであろう。ですが、あえて言おう。表紙に異議有り!である、と。
まあ、確かに霞上先輩の涙は美しかった。
屋上で独白するその姿に切なさ全開であった。ああ、なんて綺麗な涙を流すんだ、と。あまりにも美しいその涙に胸が締め付けられたのもの。誰もが思ったものでしょう、霞上先輩の涙をペロペロしたい、と。
霞上先輩の涙
この涙をペロペロしたいと心から思ったものです。
やはり「美少女+涙」の方程式は素晴らしいものがあります。悲し涙が、途中で嬉し涙に変わっていたのもなかなかどうして。まあ、大団円であったと思います。霞上先輩美しいペロペロ…となる。
だがしかしである。
霞上先輩を差し置いて強烈に僕の心の琴線に触れたキャラがいた事もここに記しておく必要がある。それこそが、伊集院結子である。まさに絵に描いたような当て馬であり、最後まで当て馬であり続けた。
結子は「幼なじみ」という"約束された勝利のヒロイン"というべきカードを持っていながら敗れ去った。敗れた以前に最初から勝負にすらなっていなかった。この前も言ったように幼馴染というのは「青い鳥」なのだ。
【正しい幼馴染の進化】
「遊び仲間」→「腐れ縁」→「友達以上で恋人未満」→「青い鳥」
これが幼馴染の正しいバージョンアップです。
一途に片想いし続けた結子であるが、「幼馴染」として圧倒的に大切なものが抜けていた。それこそ「思い出」である(妹含む)。「思い出は億千万」である。かの名作「みゆき」で鹿島みゆきは何故、敗れ去ったのか。現在進行形で着々と仲が深まるのに、最後に敗れた。それこそ「思い出」の差である。
結子
確かに結子は恋する乙女として可愛かった。
だが圧倒的に"幼馴染オーラ"が足りなかった。幼馴染(妹)とは一緒に居て当たり前の腐れ縁となるだけの思い出を共有してこそである。時は無限の繋がりで、終わりを思いもしないのだ。そりゃH2Oも「思い出がいっぱい」と歌うっちゅーものです。
もちろん、結子にも「思い出」はあるんだろうけど、作中で残念ながらほとんど描かれなかった。もっと、幼い頃の思い出が描かれば、結子にも勝機はあっただろうに。悲しいかな、霞上先輩の兄様との「思い出」のほうが詳細に描かれていた。
これでは勝てんよ。
はっきり言って、結子が敗れ去ったのは必然である。
だけど、結子は勝てない事を知りながらカミカゼ特攻を決めたのだ。
勝ち目0の告白。
しかし、その散り際はやはり最高に輝いていたのだ。
線香花火が消える直前が最も綺麗であるように、乙女の恋も消える瞬間が最も光り輝くのである。
散った
見事な涙である。
もっと可愛いヤキモチ妬けばいいのにドス黒い感情を露わにして嫉妬してしまった結子。その末の、最後の涙は最高であった。当て馬の散り際なんて一瞬。だからこそ結果が見えてたって特攻する。
一瞬…!だけど…閃光のように…!
それが当て馬の生き方だっ!!
だからこそ、僕らはセンチメンタルな思いで答えるのだ。
ペロペロ(^ω^)