スポンサードリンク
マガジン読み切り「砂人の皇」が期待大な件
コメント(7)
2013年04月04日
「砂人の皇」
今週の週刊少年マガジン(18号)掲載の読み切り「砂人の皇」がなかなか面白かった。いや、実に少年漫画しています。まさにジャンプで連載して欲しい漫画である。
簡単にストーリーを説明すると、砂漠に囲まれたある国の皇子・アナックが皇族から追放されてしまう。そこから見返す為の話である。追放された理由というのが。「砂人(イサゴと読みます)の力」が無かったからである。「砂人の力」というのは「ジョジョ」のスタンドのようなもので鬼を召喚する力である。砂の国は敵国に対抗する為に、この能力が必要不可欠だという。
アナックは致命的に「砂人の力」が無かった。
「砂人の力」が無かった
ショボイ…。
こうして父である國皇に「皇族から消えてもらう」「半端者はいらぬのだ」とダメ出しされ追放されてしまう。「砂人の力」無きものは去れという事である。義弟が次期國皇の跡取りに決定し、アナックは追放されてしまう…というもの。
51ページの中で綺麗にまとめた上、尚且つ続きを読んでみたいと思わせる内容でした。まあ、実に今時の少年漫画の王道であったと思う。少年漫画の王道でキモと言えば「運命の出会い」ですよ。いや、ラブコメ的な事ではなくてですね、ライバル的なアレです。
運命の出会いである
追放されたアナックは薬屋カナメと出会う。
国民が褐色肌のこの国では、白肌のカナメは珍しいようで、「キレイな白じゃの!」と言うアナックの台詞に思うとこがある要素が伺える。まあ、この辺は連載を見据えた描写なのだろう(と思う)。何より、僕の心の琴線に触れたのはカナメの器のデカさに触発されたアナックである。
「戦え」と言われた。
自分の弱さと向き合って戦えと。なかなかズシリとくる言葉である。
このカナメとの出会いによって、アナックは変わっていく。ふむ、いいっすね。やっぱさ、王道少年漫画は運命的な出会いによって変わるってのは熱い。ライバルのような、師匠のような。そういう人生変えちゃう出会いってのはグッとくるね。
「お前がいる、俺がある」という関係。
カナメと出会った事で変わったアナックの成長…というか覚醒っぷりよ。そうなのだ。今の少年漫画の主流は「努力、友情、勝利」では断じてない(断言)。「強えぇぇ、凄えぇぇ、かっけぇぇ」である。ぶっちゃけインパクトとか分かりやすさです。
インパクである
これこれ。
真の王道は「覚醒」です。
今時「努力」して成長なんてしませんよ。
主人公は「覚醒」してナンボです(褒めてます)。
覚醒したアナックは実に分かりやすい「強えぇぇ、凄えぇぇ、かっけぇぇ」を魅せてくれました。見開きの鬼の召喚なんて「お見事」と言うしかありません。何より読んでて爽快感ありました。
これはなかなかどうして。
実に王道的なファンタジーバトル漫画である。人生変えるような運命的な出会いをして主人公が変わる。「覚醒」する。今時のバトル漫画のキモを抑えています。で、特筆すべきは三段ステップのパワーアップ「覚醒」を見せる中で、きっちりと主人公の「成長」を描いた事でしょう。
きっちり成長描くよ!
いいんじゃないの!(何故か上から目線)
主人公の成長を51ページでしっかりと描いている。
何も修行して戦闘能力が上がることだけが「成長」ではありません。主人公・アナックの成長は人間としての内面の成長である。これが僕の心の琴線を鷲掴みにしてくれます。最初は器の小さい奴だったのが、ラストには惚れ惚れするような器の大きさに成長している。味が出ている。
こいつは連載で読みたいと心から思える。
ワクワクさせてくれる世界観、魅力的なキャラ、王道を抑えるツボ、爽快感が最高だ。ただ一つ致命的な欠点がある。それは女の子が登場しない事だ。ヒロイン出さないとか正気の沙汰とは思えません。連載化したら、絶対に可愛いヒロインを出すべきである(結論)。