ベイビー・ワールドエンド(2) (講談社コミックス) ベイビー・ワールドエンド(1) (講談社コミックス)

僕がもし人間だったら―

別冊少年マガジン連載の「ベイビー・ワールドエンド」が凄く面白い。
最初に1話を一見した時は僕好みの青春恋愛物語が始まったと思ったものです。甘酸っぱい青春ラブコメがきたな、と。この漫画は犬のポチが主人公でポチの視点で物語が綴られるんですけど、飼い主のゆー子ちゃんが可愛いのなんの。

友達がいないゆー子ちゃんは恋をしていた。
学校で喋る相手がいないゆー子ちゃんはイヤホンして音楽を聞いて学校生活を過ごすぼっち系。でも最近は普通に話しかけてくるクラスメイトの山田が気になる、というか淡い恋をしていたのでした。

1
恋をしていた

まあ実に良いよね。
一読して王道少女漫画のようなきゅんきゅん度がある。どう見ても山田に恋しているゆー子ちゃんと、山田もゆー子ちゃんが好きなんじゃねっていう描写が見事です。バンドで目が合えば照れて、思わず逸らしちゃったり、恋する乙女モード全開な表情だったり。こういう甘い青春大好きです。思わず頬を緩めてニヤニヤしちゃうじゃないの。

しかもね、嫌な奴だと思ってたクラスメイトまで2人をお膳立てしちゃうの。山田とゆー子ちゃんを2人きりにしてあげるというね。あー最高ですね。この甘酸っぱい雰囲気。今後はゆー子ちゃんと山田のドッキドキな青臭いハートフルな展開が描かれるわけですね。期待に胸が高まります。

2
ドッキドキな…?

きたきたきた!
僕の心の琴線に触れるハートフルな展開が…ってええぇ!?

ゆー子ちゃんが酷い裏切りに合って最終兵器彼女みたいになってしまったでござるの巻き。流れ星は願いを叶えるといいますが本当にゆー子ちゃんの願いを叶えてくれた。「死ね、死ね、死ね」「みんな死ね」という願いを。こうして世界は終わってしまった。魔女の誕生である。

また、主人公のポチもまた星に願いをしており叶っていました。

守ってあげられなくてごめんよ。
ああ、一度でいいから君に歌ってあげたかったな。
さみしがりな君に、もしも僕にもギターが弾けたら歌が歌えたら
君は一人じゃないと伝えられるのに
もしも僕が、人間だったら―

3
人間になってた

ポチはギターを抱えて人間に生まれ変わっていた。
飼い犬は人間になる事を願い、少女は崩壊を望んだというのが1話。

1年後、 世界はディストピア的なものになっていた。
東京へ舞い戻ったポチはゆー子ちゃんを探す。この漫画は人間になったポチが、魔女となったゆー子ちゃんを救済する物語である。

4
ゆー子ちゃんに会いに行くんだよ!!

そういえば、先月号の「日経エンタテイメント!」で進化する漫画最前線とかいうコーナーでマガジンの編集長のインタビューがあったんだけど、基本路線としてマガジンでは王道、別冊少年マガジンでは王道から外れたダーク系を中心として連載させているとか言ってました。立ち読みなのでうろ覚えですけど(買えよ)。そういう意味では「ベイビー・ワールドエンド」はまさに別マガらしい作品であると言えるわけです。

【インパクトだけではない】
あくまで個人的見解だけど、別マガの漫画って1話目だけは半端なく面白いんですよね。設定重視というか1話目のインパクはマジで凄い。で、2話3話と読み進める内にテンション下がっていくのが定石。ぶっちゃけ「ベイビー・ワールドエンド」も2話目読んで実に別マガ作品だなと思ったものです。

とろこがどっこい、下がったテンションがまた上がってくるというもの。特に2巻収録の内容はなかなかどうして。というのも、ポチとゆー子ちゃんの再会が予想よりも早く訪れたからなんですけど、これが実にいいんだ。

5
早くも再会

星に願った、ギターを弾きながら「リンダリンダ」を歌ったポチ。
「一人ぼっちじゃないよ」という想いを込めて。ゆー子ちゃんに届いたっちゃー届いたんだけど救済するまではいかなかった。その後の展開がまた切ないのなんの。人間になったポチが分からないし、ポチを殺せと命令するし。

8話「僕のヒロイン」で再びゆー子ちゃんと再会するんですけど、グッときました。感動的です。というのもゆー子ちゃんとポチの出会い、どうやってポチがゆー子ちゃんの飼い犬になったかが描かれる。それがまあ、素晴らしいのなんの。「僕のヒロインなんだぜ」のくだりは胸が熱くなりました。

【東京】
世界が崩壊した後は東京を残して荒野である。
その東京と周りの下町の世界観というか設定はなかなか興味深い。東京の中でも第1エリア~第3エリアがある。そもそもポチはなんで何もない荒野を彷徨っていたのだろうか。色々と興味深いです。

【2種類のナレーション】
作中で何度もポチの心情がナレーションのように綴られるのも特徴的。で、これ2種類あるんですよね。縦書きで語られるものと横書きで語られるもの。これは法則があるようで、縦書きで語られるものは作中で描かれる今の現在進行形のポチの心情で、横書きのものは作中より未来軸から過去形で語られている。個人的に括目すべきは横書きのナレーションでしょう。どこの時間軸から過去形で語っているのか。そりゃ、1話目最初のプロローグだろう。

8
プロローグ

いかにしてこの冒頭のプロローグに追いつくのか。それが楽しみの一つであります。この時のポチが過去を振り返るように語るのが横書きのナレーションである。というかゆー子ちゃん風貌も髪の色も違うんですけど、どうしてこういう展開に至るのでしょうか。というかプロローグの通行人物、東京の人間なのにまともだな。これ実は下町なのか…?

【リンダリンダ】
ブルーハーツの「リンダリンダ」が物語の中で絞めるウェイトはでかい。ゆー子ちゃんの大好きな歌でポチがゆー子ちゃんに歌う曲です。しかも作中で歌う場面と歌詞のシンクロ率がヤバイのです。

6
リンダリンダ

最初に「リンダリンダ」が一種のテーマだと分かった時「?」と思ったものです。なんで「リンダリンダ」?ってね。でも、2巻でポチが歌った時、この歌詞と漫画のシンクロ率は400%を超えていました。

「もしもいつか僕が君と出会い話し合うなら、そんな時はどうか愛の意味を知って下さい」のところが凄いフィットですよ。もしも犬だったのポチが人間になりゆー子ちゃんと出会い話し合うならっていうね。犬で話す事が出来なかったポチだからこそというね。歌詞が完全に漫画にシンクロしてた。

いやー歌詞が味わい深いっすね。
ゆー子ちゃんの心情をズバリという感じで「見えない自由が欲しくて見えない銃を撃ちまくる本当の声を聞かせておくれよ」とかね。って、これは「TRAIN-TRAIN」ですね。実は「ベイビー・ワールドエンド」って「TRAIN-TRAIN」との調和性も高いと個人的に思う。

7
ロマンチックな星空であなたを抱きしめていたい

マジで2巻読みながら脳内で「TRAIN-TRAIN」がエンドレスに脳内に流れていた。2巻の随所随所のシーンで、「あなたが生きている今日はどんなに素晴らしいだろ」「どんなに意味があるだろ」「本当の声を聞かせておくれよ」「だから僕は歌うんだよ精一杯でかい声で」と何度も何度も脳内で再生されちゃうんですけど。個人的に「TRAIN-TRAIN」も「リンダリンダ」同様にこの作品のシンクロ率が高かったのである。というかブルーハーツの曲はどれもこの漫画とシンクロ率高いぞ…。

【ペロペロ】
ゆー子ちゃんは可愛いんですけど、どうも可哀相というか切なくて悲しくてペロペロできませんでした。しかし、2巻から登場した花沢組組長の花沢初美が僕のブヒりの心の琴線に触れてきます。

9
花沢初美

まったく救いがない落ちるだけ落とすのが「ベイビー・ワールドエンド」である。切なさと絶望と悲しさ全開の中でマイエンジェルを見つけました。今後は初美にペロペロしようと思いました。まる。




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