おひさしぶりです。
そして明けましておめでとうございます(遅っ)。
まったく更新せず本当に申し訳ございません。更新しないで何やってるんだよと問われれば、こう答えよう。エロゲをやっていた、と。そんなわけで2014年一発目の更新は2013年を振り返ってみたいと思います。2013年の5作品をランキング形式で振り返ってみたいと思います。

5位「レミニセンス」

「暁の護衛」シリーズが大好きだった私は、その主要スタッフが出す「レミニセンス」は発売前から楽しみにしていたわけです。当然、「笑い」という側面では期待通り。クリックするたびにゲラゲラ笑いました。今どき、キャラの掛け合いだけでここまで笑わせてくれるエロゲはなかなかありません。ヒロインも各キャラ素晴らしい。「キャラ立ち、面白さ、可愛さ」は文句ありません。内容は未来世界で人類が地上で滅んでおり(事になってるけど本当か不明)、地下世界で人は暮らす。地下の町の政治&外交を取り仕切る外交官の話。バックボーンはかなり面白く惹きこまれます。しかし、個別ルートでも世界の真相は明かされず、明らかに続編ありきなのが。

4位「グリザイアの楽園」

「グリザイアの果実」「グリザイアの迷宮」と続いたグリザイアシリーズの完結編である。まあ大団円といえば大団円。伏線や謎も解け決着。3作をやりきったという満足感一杯であります。しかし、冷静に振り返ると「果実」→「迷宮」→「楽園」と進むにつけハードルが上がりすぎたせいか、期待値を越えなかった気がしないでもない。つまり僕個人的には1作目の「果実」が一番面白かったかな、と。ちなみに一番のお気に入りは周防天音である。というかさ、全作通じて謎の榊由美子押しが強すぎる。まるで人気投票3位のくせにメインヒロイン扱いの依怙贔屓されてる「ニセコイ」の千棘みたいです。

3位「魔導巧殻~闇の月女神は導国で詠う~」

今この業界で最も野心的で挑戦的なのはエウシュリーである事は間違いありません。例えるなら20年ぐらい前のスクエアのように果敢にチャレンジしています。エロゲでRPG、SRPGで名作連発させたエウシュリーが次に出したゲームが「創刻のアテリアル」というカードバトルゲームである。せっかくエロゲ界で他の追従を許さないぶっちぎりの面白さを誇るRPG&SRPG路線を捨て、あえて新たな事にチャレンジする姿勢。で、2013年に出したゲームがこの「魔導巧殻」です。はっきり言います。どんどんつまらなくなってる

あくまで個人的な意見なんですけど「神採りアルケミーマイスター」をピークに年々劣化している。「神採り」なんてプレイ時間300時間越えて廃人寸前までハマったのに、「創刻のアテリアル」のプレイ時間は100時間ぐらい、「魔導巧殻」は60時間ぐらいです。とはいえ十分ハマれる面白さではあるのですが。もちろん「魔導巧殻」もプレイ始めれば「やめられない、とまらない」のかっぱえびせん状態になって寝不足必至ですけどね。

今作のシステムはRTS。まあ、「伝説のオウガバトル」とか大好きだったので大丈夫かな…と思ったらね。チュートリアルで4回全滅しました。というか最難関がチュートリアルだったんですけど。「オウガ」と「信長の野望」と「シミシティ」は合わせた感じかな。内政(町作り)はもう、めがっさ面白かったです。どんどん広がる領地で次は何を建てようか、資材をどうするかとか本当に面白かったです。全体的な評価はあと一歩で名作だったのにという感じですけど、かなりハマれます。アルの声を受け入れるかどうかで評価が変わると思います。僕は受け入れました。

エウシュリーはエロゲ業界で最も期待してるブランドですので、次回作も期待したいところです。
2位「ChuSingura46+1 -忠臣蔵46+1-」

もともと同人ゲームとしてかなり名を馳せていたらしい「忠臣蔵46+1」。僕は同人ゲームは皮相浅薄なわけで、まったく知りませんでした。今回の商業化で初めてプレイしました。まず述べましょう。最高だった、と。特に三章ですよ。久々にマジ泣きしました。

平凡な学生の主人公が過去に飛んでしまったら江戸時代で、大石内蔵助をはじめとした赤穂浪士が女体化していたというもの。全5部作からなる超大作であります。まあ、これが面白いのなんの。バトル描写は鳥肌立つぐらいに震え上がり、1エピソード毎に「ドキドキ、ハラハラ、ワクワク」の三冠王達成です。

僕なんて「忠臣蔵」の知識なかったのですけど、十分楽しめましたし色々と勉強になりました。おそらく、「忠臣蔵」詳しい人も納得できるかと。4章では吉良上野介は本当に仇討ちされるべき悪なのかと、歴史認識という側面でも角度を変えて「…こういう解釈も有りだな」と思わせてくれるはずです。なにより、1~3章までの王道展開とグッとこさせる描写。クソ可愛いヒロイン達(特に大石主税はガチ)も含め、シナリオは2013年のエロゲでぶっちぎりのNO1であると思います。最後のご都合主義も、なんかこれでいいかみたいなノリになります。

1位「乙女理論とその周辺~Ecole de Paris~ -Limited Edition-」

ギャルゲ&エロゲの主人公とはプレイヤーなり(挨拶)。
これは漫画におけるラブコメの主人公にもいえる鉄の掟なわけであります。古来より「プレイヤー=主人公」なので、主人公は徹底的に特徴がない。誰でも感情移入しやすいように、数年まで主人公は徹底的に特徴の無いようにされていました。大抵は前髪で隠れて顔すら無いのです

主人公とはガンダムのようなものです。つまり搭乗するモノである。分身なのです。ええ、まあつまり僕らはゲームや漫画の世界でぐらいは意味もなくモテたい、美味しい思いをしたいと心に宿しているわけです。だからこそ、主人公は「冴えない、特徴ない、でも意味もなくモテモテ」という三種の神器が備わっているのです。しかし、もう無味無臭な主人公で物語を転がすのに限界がきたのか、2000年代中頃からは主人公のキャラ付けが著しくなってきました。

そして、そんな中こんな主人公が登場したわけであります。

1
小倉朝日

ファッ!?

なにこれめがっさ美少女じゃん。
そうなんです。すんごい可愛いのです。これが女装した主人公だというんですから、ビックリですね。まあ、昨今は女装する主人公というのも大分メジャーになりつつあります。男の娘も流行ってきました。そんな流れに天下の「Navel」が乗ったのかどうかは知りませんが、ギャルゲ&エロゲ史上で最高の主人公が誕生したのであります。

「月に寄りそう乙女の作法」である。
主人公(大蔵遊星)のスペックは以下の通り。

・大富豪の庶子(愛人の子)
・イケメン
・エリート教育受けてる
・何でも優秀なエリート

こいつは搭乗者を選ぶ機体だわ。
そんな風に僕も考えてたわけです。大富豪の息子でも愛人の子なので、疎まれて育ったのです。冒頭から「母が死んだので、ぼくも死のうと思います」とか始まるわけです。そして疎まれて育った半生を語り出すわけ。うわ、暗っ、重っ、と思うのも仕方がありません。

ところがどっこい、死のうと思った矢先に人生を変えちゃう人物と出会って、生きようと思ったわけです。その人生を変えた人物が有名な服飾のデザイナーで同じ道を志すも、才能なくて挫折。悠々自適なニート生活送っていたら、その人物が服飾の学校を創立させたので入学したい。でもその学校は女子校…。なら女装して通う!という、素晴らしい超展開で物語は開始されるわけです。

んで、ひと通りプレイした感想。
ルナ様ルートはグンバツに素晴らしいし感動したし胸が熱くなる。でもね、それ以外のルートが…。まあユルシュールルートはけっこう面白かったけどね。そんなわけで、まあそこそこ面白いエロゲって評価だったんです。一点不満だったのは、妹が攻略出来なかったことですね。

それがね、奥さん!
ファンディスクとして発売された「乙女理論とその周辺」ではね、妹・りそなが攻略出来ちゃうんですって。「月に寄りそう乙女の作法」のバッドエンドの続きとして描かれたのが「乙女理論とその周辺」です。舞台はフランス、パリですよ。パリってます!

最初はそんな期待してなかったんですよね。
妹・りそなが攻略できると聞いて、まあプレイしようかなという程度の期待値だったんです。それがプレイしてみたらどうですか…。期待値を遥かに下回るクソゲーっぷりですよ!

最初にブリュエットお嬢様を攻略したらですね、あまりのクソでゴミのシナリオでつまらないを通り越してしまいました。犯罪的な時間泥棒にキレそうになってしまいましたよ。そこからメリルルートで持ち直して、りそなルートで確変!やばい、この妹最高や!エッタなんて最初からいらんかったや!

この業界は「実妹」か「義妹」かで骨肉の争いをしてきました。実妹しか妹と認めない妹原理主義者と、論理的に血の繋がっていない妹こそ至高という者の血で血を争うものです。そこへ、りそなという妹は一つの提示をしてくれたのです。

父親は同じ。母親は違う。腹違いの妹である。
これが論理的にセーフかアウトかは知りませんが、スウェーデンでは異母兄妹の結婚が認められた判決があるとりそなに迫られ論理的にもオーケー(そうか?)になり、実妹派も義妹派も満足できる妹・りそなの快進撃にブヒるのみです。りそなルートはグンバツで素晴らしかった。

りそなにブヒるのは勿論のことですけど、何よろ兄・衣遠との和解シーンは涙無しには見れません。これは妹ルートの皮を被った兄ルートである事は否定のしようもありません。また、ここぞのピンチにパリにかけつけたルナ様は鳥肌が立つほど感動します。桜の木の下で登場したルナ様に、ヘッドホン投げつけて叫んでしまいました。あじゃぱー!

りそなルートのみ圧倒的な面白さで、他はイマイチ。なのに、なぜ「乙女理論とその周辺」を2013年のNO1にしたかといえば、アペンドディスクです。これは「月に寄りそう乙女の作法」のアフターストーリーが入っているのですが、これがもう最高。ぶっちゃけルナ様ルート以外は刺身のツマみたいなものなんですけど、ルナ様のアフターも凄いいいのね。そして主人公・朝日に声が入るパッチである。これによって「月に寄りそう乙女の作法」は一変。

朝日の声がない「月に寄りそう乙女の作法」はただの良作に過ぎないが、朝日の声が加わるだけで、エロゲ史上に名を残す傑作となるのだ。クソだと思った湊ルートすら面白くなります。朝日の声パッチ恐るべし。

「月に寄りそう乙女の作法」「乙女理論とその周辺」はルナ様とりそなという最強の2大ヒロインを生み出しました。それだけでもプレイした価値はあります。でもね、でもね。ルナ様&りそなよりも、主人公・朝日のほうが可愛かったんです

2
↑主人公、男である

なにより特筆すべきはヒロインの可愛さを遥かに超える主人公の可愛さでしょう。だってさ、ヒロインを攻略してるつもりで進めてたのに、逆にヒロインに攻略されているんだぜ?なんだよこのエロゲ。最高じゃないか。エロゲ史上NO1の主人公がここに誕生したのだ。