ひとりぼっちの地球侵略 5 (ゲッサン少年サンデーコミックス) ひとりぼっちの地球侵略 4 (ゲッサン少年サンデーコミックス)

「ひとりぼっちの地球侵略」の大鳥先輩は可愛い。
半年もブログの更新を休んでいたせいで「ひとりぼっちの地球侵略」4巻の感想をリアルタイムで書けなかった事は痛恨の極みであります。というわけで、今さらながら4巻の感想を述べさせていただきたく候。
<関連>
「ひとりぼっちの地球侵略」大鳥先輩は可愛かった(小並感)
「ひとりぼっちの地球侵略」なにもしてない?バーカ…生きてるべや。

「ひとりぼっちの地球侵略」は、岬一と大鳥先輩のボーイミーツガールっぷりを頬を緩めてニヤニヤ楽しむのを基本に、可愛い絵柄で宇宙人とのバトル展開がエゲツナイのも素敵仕様である。そして4巻ではほぼ丸ごと一冊使った10年前の過去編。10年前の地球侵略、物語の「核」が描かれる。

ズバリ言いましょう。幼女時代の大鳥先輩可愛い、と。
んで、幼女時代の大鳥先輩ったらまさに侵略者そのものでしたからね。4巻冒頭でアイラの婆さんが「あんたはだいぶおかしくなっているね?」「生物兵器としての闘争本能をどこかに落っことしてきた感じだ」と述べた意味が分かるというもの。

正真正銘のオリベルの侵略者だった大鳥先輩は港を開いて、いざこれから地球侵略するぞと歓喜の涙を流す。しかし、嬉し涙はすぐに絶望へ。もう、オリベルは滅んでいた。

13
ひとりぼっちになっちゃったよぉ

なるほどね。「ひとりぼっちの地球侵略」。
文字通り、仲間が滅んでいたのか。現在の大鳥先輩がそれを忘れてしまっているのも胸が熱くなってしまいますね。4巻収録の過去編、素晴らしかったですね。ちょっと胸が熱くなる泣ける悲しいエピソード。

そして、この過去編を読んだ上で1巻を読み返すと新たな発見があるよね。
まず第一に挙げたいのが大鳥先輩の涙だよね。過去編では、歓喜の涙→絶望の涙ときて、岬一のおかげでまた嬉し涙、その後の悲し涙までの流れがが素晴らしいね。しんりゃくしゃさんがここまで感情的に泣くのか、と。で、改めて1巻読み返すと、「…信じたいんだ」で大泣きした大鳥先輩にグッとくるよね。

14
大泣きしてしまった大島先輩

最初に読んだ時は岬一同様に「なんだあそこで泣くんだよ…」と思ってしまいましたよ。まあ、ずっと1人ぼっちだったから仲間が出来て嬉しかったんだろう程度の意味合いね。それが過去編を踏まえると、この時の涙がスーパー名シーンになるね。10年前の焼き直し、両者記憶を失ってるけど、大鳥先輩は本来の心臓はないけど代わりにその感触が残ってるらしいからね。それが胸を満たすから生きてこれたからね。これだよ、心臓の感触が泣かせてしまったんだろうね。

もっと踏み込むとズバリ1話ラストである。
今、1話ラストを読み返すとハイパーウルトラ名シーンになるよね。10年前の過去でオリベルの仲間が滅んだと知ったしんりゃくしゃさん大鳥先輩は、全てに絶望して岬一すらぶっ殺す勢いでキレてしまいました。そんなしんりゃくしゃさんに、岬一は言い放つわけです。

「ぼくが仲間になる…」
「しんりゃくしゃさんの…仲間になれるよ」

15
しんりゃくしゃさんの手を握ってあげました

ひとりぼっちのしんりゃくしゃさんの左手を握って上げた岬一。
その手はとても温かったのだろうか。岬一の名前も憶え。手の感触を物思いにふけって泣いていたしんりゃくしゃさん。はからずも握手する2人。これを踏まえて1話ラストを読み返すと、グッとくるよね。

16
もう一度読み返そう

分かります?
10年前の焼き直しでデジャブ?いえいえ、10年前にひとりぼっちになってしまった大鳥先輩の左手を優しく握ってあげた岬一だけど、10年後はその逆である。今度は大鳥先輩のほうから左手を差し出して握手したんだなぁ。10年前のデジャブと見せかけて、この流れは芸術的ですらあります。

ズバリ、「ひとりぼっちの地球侵略」のキモは手繋ぎに有り!
このボーイミーツガールっぷりが最高なんだけど、一際ニヤニヤさせてくれるのは手繋ぎだよね。はじめて、きちんとした握手したのは2話ラストなんだけど、それをさらに名シーンに昇華させてくれる。3巻の手を握ってくれる事を信じて笑ってた大鳥先輩もグレイトに昇華させてくれる。

17
これからよろしくお願いします / 岬一なら絶対に手を繋いでくれる的な

10年前の過去編で作中で描かれる「手繋ぎ」がめがっさ良いシーンへと昇華してくれました。グレートだ。

もちろん、名前は当然外せないよね。しんりゃくしゃさんが仲間が滅んで自分の名前に意味なんかないと言った後に、岬一に仲間は名前で呼び合うと聞いて地球用の名前を考え、元の自分の名前希望と、岬一に「鳥みたい」と言われて、「私の名前は…大鳥希っていうんだ」の台詞は痺れるね。10年後、仲間が滅んだ記憶を失っても自らを大鳥希と名乗っていたのはグッとくる。

また外せないのは、10年前と今のこの街の感想ですかね。

18
上 10年前の大鳥先輩の街の感想 / 下 10年後の大鳥先輩の街の感想

10年前は「ちっぽけな街だ」とかダメ出ししてたのが、10年後には同じ街を眺めて「いい街だね」ときたものです。もちろん10年経過して街が発展しているのかもしれませんが、そういう問題じゃないよね。10年前と今とで、街を眺めて違う感想を述べてしまっている大鳥先輩。記憶はなくても、この街を10年後に「いい街」と言い放ったのが素晴らしいよね。

他にも過去編読んだ上で読み返すと胸熱なエピソードはまだまだあるけど、それを上げていたらキリがないのでこの辺りにしておこう。

んで、この過去編。グッとくるんだけど、泣けたかといえば私は泣かなかった。「いい話だなー」と思うぐらい。年齢を重ね、涙腺弱くなってる私であるが、「ひとりぼっちの地球侵略」はぶっちゃければ感情移入しないのである。いわゆる「分身論」というやつだ。作中のキャラに自分を重ねるという事が、「ひとりぼっちの地球侵略」ではまったくない。第三者的な視線で物語を追うのが俺の読み方。でも、そう読むのが正しいのかもしれん。だって、過去編も良い話と切ない話が入り混じってるけど、全て淡々と描かれる

これは、この漫画の長所であり短所なのかもしれないけど、私はこれでいいと思う。グサッとくる描写も、ちょっと感動的な描写もサラッと淡々と紡がれていく。でもそういう描き方だからこそ、過去編と「星の王子様」を重ねあわせた描写がシックリくる。これはなかなかどうしてよ。

過去編でストーリーとキャラの深みが出来た。
そして5巻、日常回メインでした。まあ、ラストは衝撃的な展開ではあったんだけどね。

4巻でここまで物語の奥行を出しておいて5巻は日常回のオンパレード。一気に物語は急展開でなく箸休め的なアレ。だがそれがいい。むしろ、日常回かそ面白い。といえる勇気!我、大鳥先輩の可愛さをペロペロするのみ。大鳥先輩のヤキモチ、これ至高なり。

19
大鳥先輩のヤキモチは至高なり

古賀さん恋のライバルになるかと思いきや、大鳥先輩のヤキモチを見て「かわいいなー」とか言って僕の想定を下回る結果になっちゃったんですけど、それはそれ。これはこれ。古賀さんは、大鳥先輩のヤキモチを引き出す重要なキャラには変わりません。いいぞ、もっとやれ!

もち、恋の波動に目覚めようとしてるアイラもなかなかどうしてよ。
あと、この漫画では初(?)のサービスシーンも私的にはツボだったかな。

20
サービスシーン

ブヒィィィィィィィィ!!

ほうほう、これはこれは。なかなかどうしてよ。
珍しいサービスシーンに私のテンションも上がるというものです。そして一つ重要な事に気付いた。大鳥先輩には「恥じらい」が足りない。ラブコメでは高難易度のヤキモチを駆使するくせに、初歩の赤面がない。これは逆に言えば、大鳥先輩はまだまだ伸びしろでけーってことである。今後の大鳥先輩の乙女っぷりに期待である。まる。

 ひとりぼっちの地球侵略 5 (ゲッサン少年サンデーコミックス) ひとりぼっちの地球侵略()
著者:小川麻衣子

Kindle版1巻:ひとりぼっちの地球侵略(1)
Kindle版2巻:ひとりぼっちの地球侵略(2)
Kindle版3巻:ひとりぼっちの地球侵略(3)
Kindle版4巻:ひとりぼっちの地球侵略(4)