3月の漫画を振り返ろう。


10位「大家さんは思春期! (1)」「大家さんは思春期! (2)

大家さんは思春期!  (2) (まんがタイムコミックス) 大家さんは思春期!(2)
大家さんは思春期!(1)
著者:水瀬るるう

就職して初めての一人暮らし。6畳風呂なしのアパートで待っていたのは…妹系大家さん!?4コマ界注目の新人作家、まんがタイムで大人気の水瀬るるうがおくる、ピュアほっこりな半同居コメディ

はじめて1人暮らしをはじめたら、13歳女子中学生付きでしたという。なし崩し的に半同居のような生活がはじまるのですが、まあ実に素晴らしいね。大家さんのチエちゃんの可愛さが輝きまくっております。本当に可愛いとしか言いようがない。「可愛い」を具現化させたらこうなりましたみたいな感じなのですよね。父性的な保護対象としての可愛さです。慈愛に満ち溢れた目でチエちゃんを見ているのです。とはいえ、性的に見てしまうのも仕方がないのである。クソ可愛いすぎるのだ(保護的に&性的に)。
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「大家さんは思春期」、これから可愛いは大正義の話をしよう

9位「月の珊瑚(1)

月の珊瑚(1) (星海社COMICS) 月の珊瑚(1)
著者:佐々木少年
真月譚月姫Kindle:真月譚 月姫(1)
真月譚月姫Kindle:真月譚 月姫(2)
真月譚月姫Kindle:真月譚 月姫(3)
真月譚月姫Kindle:真月譚 月姫(4)
真月譚月姫Kindle:真月譚 月姫(5)
真月譚月姫Kindle:真月譚 月姫(6)
真月譚月姫Kindle:真月譚 月姫(7)
真月譚月姫Kindle:真月譚 月姫(8)
真月譚月姫Kindle:真月譚 月姫(9)
真月譚月姫Kindle:真月譚 月姫(10)

朗読「月の珊瑚」のコミカライズ漫画版。それを手掛けるのが「月姫」のコミカライズで原作以上の素晴らしい漫画を描いた佐々木少年先生である。それが面白くないわけがないのである。ちょっと切ない胸を打つ純愛が「月の珊瑚」なのですが、まあ見事に漫画化しているじゃないですか。原作を見事に肉付けして描くのです。もちろん、漫画版だけ読んでも十分楽しめます。2巻が楽しみすぎる。また、「月姫」のコミカライズがようやく電子書籍化しましたので、是非読むべし。もちろん漫画版だけで月姫を理解でき楽しめる作りです。
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「月の珊瑚」、星が瞬くこんな夜に

8位「ヒナまつり(6)

ヒナまつり 6 (ビームコミックス) ヒナまつり 6 (ビームコミックス)
著者:大武政夫

Kindle版1巻:ヒナまつり(1)
Kindle版2巻:ヒナまつり(2)
Kindle版3巻:ヒナまつり(3)
Kindle版4巻:ヒナまつり(4)
Kindle版5巻:ヒナまつり(5)
Kindle版6巻:ヒナまつり(6)

6巻でこの破壊力は凄まじいぞ。腹筋崩壊したのである!まじでクソ笑ったわ。これはギャグ漫画では凄いことなのだ。だってギャグ漫画なんて最初にドカンと笑って、後は巻数を進めても面白いな程度で読むものなのである。どんなに面白いギャグ漫画でも3巻ぐらいで芸風に慣れるのです。なのに、「ヒナまつり」は6巻にして読者が芸風に慣れたさらに上を行って腹筋崩壊を起こさせたのだ。瞬殺だぜ!素晴らしい面白さです。ブラボー!
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「ヒナまつり」、ここからさらにギアを上げる面白さよ

7位「甘々と稲妻(2)

甘々と稲妻(2) (アフタヌーンKC) 甘々と稲妻(2) (アフタヌーンKC)
著者:雨隠ギド

Kindle版1巻:甘々と稲妻(1)
Kindle版2巻:甘々と稲妻(2)

今流行りの食卓ドラマにプラスして、子連れシングルファーザーに恋する乙女の女子高生という昨今の売れ筋をこれでもかと詰め込んだのが「甘々と稲妻」である。私は天邪鬼なので、今流行ってる「チャリ」「ぼっち」「魔王勇者」そして「食卓ドラマ」ものは死んでも取り上げないと心に誓ってるのですが、こいつは別腹である。だって白旗上げるしかないぐらい面白いんだもの。つむぎちゃんが可愛いし、恋する乙女の小鳥が可愛いのだ。ニヤニヤするのだ。感情を描くのだ。その感情をダイレクトに表情に転換させる。つまり顔芸が僕の心の琴線を鷲掴みにするのである。
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「甘々と稲妻」、駆り立てるのは温かさとブヒり、 横たわるのは父性と萌豚

6位「コミック星新一宇宙からの客

コミック星新一宇宙からの客 コミック星新一宇宙からの客
原作:星新一

コミック星新一宇宙からの客
コミック星新一☆親しげな悪魔
コミック☆星新一空への門
コミック☆星新一午後の恐竜

私は全ての漫画家ラノベ作家SF小説家は星新一先生の影響を受けていると思う。二番煎じ ?結構じゃないか。おそらく作品を発表する側で影響受けない人はいないだろうとすら思う。星新一作品を読んだ事がないという漫画家ラノベ作家は三番四番煎じで影響を受けているのだ。それほど偉大。SF、怖い話、ギャグ…全て圧巻である。私は高校の頃にハマりまくったのだ。こんな話を何十年も前に書いていたなんて、と。例えば「イキガミ」を生活維持省のパクリだと言う人にそれ言いだしたらキリねーぞと言いたい。「デスノート」を(以下略)。この漫画版のコミカライズは漫画ならではの表現があり非常に素晴らしいね。シリーズ通して、漫画好きにはたまらんわ。星新一ファンも広い心で漫画版星新一ワールドを堪能すべし。
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「コミック星新一宇宙からの客」は素晴らしいね

5位「幻想ギネコクラシー(1)

幻想ギネコクラシー 1 (書籍扱い楽園コミックス) 幻想ギネコクラシー(1)
著者:沙村広明

奇想天外空前絶後前代未聞な報われず救われないどうにもこうにもな物語が長短計12本。沙村広明史上サイコ─の眼つきが悪い美女満載これでもか!なコミックス。カバー他描きおろし多数。

漫画家沙村広明をこれでもかと堪能した。僕が思うに日本、いや世界で一番の漫画家は沙村広明先生なのではないかと思う。ガッツリしたシナリオ描かせて良し、腹筋崩壊のギャグ描かせて良し、1枚絵描かせて良し、息詰まる攻防描かせて良し、泣かせる話描かせて良し、エロ描かせて良し。その魅力が詰まっているのがこの「幻想ギネコクラシー」である。 基本ギャグばかりの中でもテーマがあり、何度も読み返したくなってしまう程の珠玉の短編集である。
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「幻想ギネコクラシー」、沙村広明を堪能した!

4位「センゴク一統記(7)

センゴク一統記(7) (ヤングマガジンコミックス) センゴク一統記(7)
著者:宮下英樹

Kindle版1巻:センゴク一統記(1)
Kindle版2巻:センゴク一統記(2)
Kindle版3巻:センゴク一統記(3)
Kindle版4巻:センゴク一統記(4)
Kindle版5巻:センゴク一統記(5)
Kindle版6巻:センゴク一統記(6)
Kindle版7巻:センゴク一統記(7)

山崎の合戦決着で候。明智光秀散る。今は織田信長を取り扱った作品数多くあれど、「センゴク」ほど明智光秀を感情移入させる程にジックリ描いた作品はないでしょう。彼が目指した民主主義的な統治、悲しいかな日ノ本の民はそこまで成熟しておらず、民衆は明智でなく羽柴を選び担いでの決着であった。色々と考えさせられます。何よりグッとくるのは、いよいよ天下統一というところでの秀吉の孤独です。今まで「明智」と苗字で呼んでたのが、トップに立ち「光秀」と名前呼びに変わっているんですよね。決して相容れない2人だったが、明智の死後に親友になったかの如く心に響くものであった。
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「センゴク一統記」、この国で最も多く捨てられているものはチャンスです

3位「あさひなぐ(11)

あさひなぐ 11 (ビッグコミックス) あさひなぐ(11)
著者:こざき亜衣

Kindle版1巻:あさひなぐ(1)
Kindle版2巻:あさひなぐ(2)
Kindle版3巻:あさひなぐ(3)
Kindle版4巻:あさひなぐ(4)
Kindle版5巻:あさひなぐ(5)
Kindle版6巻:あさひなぐ(6)
Kindle版7巻:あさひなぐ(7)
Kindle版8巻:あさひなぐ(8)
Kindle版9巻:あさひなぐ(9)
Kindle版10巻:あさひなぐ(10)

旭がようやく努力の成果が花開く。「私達が積み重ねてようやく届いた、確かなもの」という台詞。泣ける。「努力」「積み重ね」というものは何にでも通じるものがあります。かのイチローは自分を天才ではなく、「毎日血が滲むような練習を繰り返してきたから、いまの僕があると思っています」と言った。これだよなぁ。部活にしろ、学校生活にしろ、受験にしろ、仕事にしろ、恋愛にしろ、成功しようが失敗しようが「努力」をしなくてはね。信じれば夢は叶う…違う!信じて努力を続けてこそだよ。もちろん成功する保証は無い。だがしかーし!失敗しようが努力した「経験」は残るのだ。「あさひなぐ」は人生を生きる教科書のようですらある。胸熱!
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「あさひなぐ」、痛みに耐えてよく頑張った! 感動した!

2位「神のみぞ知るセカイ(25)

神のみぞ知るセカイ 25 (少年サンデーコミックス) 神のみぞ知るセカイ(25)
著者:若木民喜
Kindle版1巻
Kindle版2巻
Kindle版3巻
Kindle版4巻
Kindle版5巻
Kindle版6巻
Kindle版7巻
Kindle版8巻
Kindle版9巻
Kindle版10巻

Kindle版11巻
Kindle版12巻
Kindle版13巻
Kindle版14巻
Kindle版15巻
Kindle版16巻
Kindle版17巻
Kindle版18巻
Kindle版19巻
Kindle版20巻
Kindle版21巻
Kindle版22巻
Kindle版23巻

「神のみぞ知るセカイ」という漫画を正直舐めてたわ。今回の過去編が始まった時なんて、まんま「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」やり出しておいおいと思ったものですけど、ここまで綺麗にまとめられたら白旗上げるしかないね。何がって二階堂先生をだよ。1話から登場してる二階堂先生の秘密が明かされて、こちとらテンションマックス成り。そう来たかという感じです。綺麗に伏線回収して収束していく様が素晴らしい。思わず今までの単行本読み返しちゃうもの。以前のコミック読み返させる、それすなわち名作なり。26巻が最終巻のようなのでどうまとめるか見守るのみでドキドキワクワクですね。
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「神のみぞ知るセカイ」、ついに真のヒロインが判明した件

1位「フォトグラフ (ShoPro books)

フォトグラフ (ShoPro books) フォトグラフ
著者:エマニュエル・ギベール
本書は『アランの戦争』などの作品で知られる人気BD作家エマニュエル・ギベールの代表作の一つで、友人の写真家ディディエ・ルフェーブルが1980年代に国境なき医師団とともにパキスタン・アフガニスタン国境付近を旅した経験を描いた作品です。イスラム義勇軍の蜂起、ソ連軍の侵攻など世情が混乱を極める中、彼らが何を見、何をしてきたのか。ルフェーブルが撮影した写真をコラージュしながら80年代のアフガニスタンを見事に描きだした本作は、フランス本国ではコミックの枠を超え、歴史的ルポルタージュとして高い評価を受けている傑作です。

正直2~4位のどれかを3月に読んだ漫画の1位にしようと思ってたんです。だって圧倒的に面白かったから。とはいえ、「フォトグラフ」を選んだのは一番俺の心に色々とガーッと来たからに他ならず。なんつーか、そもそも漫画なのかどうかも分からん。画集のような大きさで写真とイラストが入り混じって絵本と言ってもいい。お値段も高く5400円である。フランスの本を日本語訳したもの。1986年のアフガニスタン情勢を映したノンフィクション作品なのです。内容も表現方法もただただ圧巻されます。すごいわこれ。あえてピックアップすれば写真家というものを描いた作品かな。読み進めるうちに、凄まじい「何か」を強く訴えかけてくるのです。読後の感想は「なんか凄かった」の一言である。今まで味わった事ない読後感です。
<他サイトの紹介>
エマニュエル・ギベールのもうひとつの代表作『フォトグラフ』がついに発売
空前の読書体験『フォトグラフ』