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「あまんちゅ!」、楽しいは最強!楽しいは正義!楽しいは無限大!
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2014年06月06日
「あまんちゅ!」8巻を読了。
作中では冬なので部活はほぼしていません。なのに私の心の琴線を鷲掴みにしてしまう。もうね、最高に面白いです。最高に楽しいんです。だってさ、「あまんちゅ!」の登場キャラがめがっさ面白そうに楽しそうに毎日過ごしてるのを見るとね。こっちまで面白楽しくなっちゃうじゃないですか。
いやぁ、昨今、青春を扱った作品は数あれど、ここまで「面白い日常」をストレートに堪能できる作品はそんなにないんじゃないかな、かな。こう社会の荒波に揉まれて干乾びた中で読むとやる気が出るというか気力が出るというか。「あまんちゅ!」は読んで元気が出る漫画なのである。
んで、以前にも何度も述べたけど「あまんちゅ!」といえば1話ごとに主人公を変える青春群像劇であり、その描き方が上手いのなんの。
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8巻は43話~48話まで収録。
43話「冬の休日」はてこ&ぴかり、44話「漆黒の人魚」は真斗先生、45話「メリーシスターズ」はこだまちゃん、46話「北風のイタズラ」は姉ちゃん先輩、47話「初日の出」はてこ、48話「龍詣」はてこ…と、それぞれ主人公に据えて話を転がしています。
格段に良かったのは43話「冬の休日」でしょう。
てこ&ぴかりの2人から見た姉ちゃん先輩は本当に優しい人だというエピソードなんですけど、素晴らしいのなんの。いやぁ。さすがの完成度と唸らされますね。何がすごいって、そこへの持って行き方が!
43話「冬の休日」
活目すべきはそのコマ割りである。
てこ&ぴかりが、姉ちゃん先輩から「喫茶店で待つ」と同じメールを貰い、2人は姉ちゃん先輩のもとへ向かう。てこもぴかりも、ほとんど同じ言動をしているんだけど、まるで対比するようにまったく同じコマ割りで描かれるわけ。
同じコマ割りで同じ行動をする2人だけど、最初は姉ちゃん先輩からのメールに、ぴかりは「何か嬉しいサプライズが待ってるのかも!」とポジティブに、てこは「何かやらかしちゃったのかな…」とネガティブに捉えるあたりが2人の性格の対比となって面白いですね。
そして10~11ページで2人の心情が収束する流れ。「姉ちゃん先輩は実はとても優しい―…」って、2人同時に思うわけ。この持って行き方は見事の一言でしょう。んで、13ページ目では同時に同じ事を思った2人がまた別々の事を考えるという。
13ページ目
てこ
「もしかしたら、何か嬉しいサプライズが待っているのかも!」
ぴかり
「もしかしたら、わたしがまた何かしでかしていて怒られたりして?」
最初はネガティブだったてこがポジティブに、逆に、最初はポジティブだったぴかりがネガティブになるの図。この辺が素晴らしい。実に素晴らしいです。2人の成長が伺えますね。
初期のてこなら絶対にネガティブのまま突き進んだことでしょう。でも、今のてこはどうですか?前向きになれています。てこの成長が胸熱!逆に、初期のぴかりなら勇往邁進というバカの一つ覚えでポジティブに脳天気のままだったでしょう。でも、今のぴかりはどうですか?冷静に自分を見れています。ぴかりの成長が胸熱!
2人の成長している感が良いね。
でも、全てを持っていったのは姉ちゃん先輩である。よく後輩2人を見ているな、気をかけてるな、ってのが私の心の琴線を鷲掴みにしましたね。肉体的&精神的に疲れた後輩2人を華麗にサポートである。
姉ちゃん先輩はすごい
姉ちゃん先輩△□×(さんかっけー死角無し)
精神的&肉体的に疲れた後輩をケアする良き先輩である。
なんつーの、「あまんちゅ!」における導き手の役割をする姉ちゃん先輩はとても素敵だったわけ。理想の先輩像ですよ。
だ・け・ど!
「あまんちゅ!」の面白いところは青春群像劇なところですよ。1話毎に主人公が変わるところ。8巻では、後輩の視点で姉ちゃん先輩は完璧な人のように描かれ、46話「北風のイタズラ」では姉ちゃん先輩の視点で描かれるわけ。理想の人から、一転、等身大の人になるわけだ。このギャップが可愛いのなんの。
姉ちゃん先輩は隙がある
青と白のストライプパンツ(縞パン)を担任に見られる姉ちゃん先輩の図である。読者には残念ながら見れません。しかしだね、8巻では姉ちゃん先輩は後輩に気遣ういい先輩、からの、スカートはき忘れちゃった姉ちゃん先輩のギャップよ。
またね、ラブがコメる的にスカート抑えてくれた担任に惚れちゃったかのような赤面がいいね。私の頬をニヤニヤと緩めてくれます。この姉ちゃん先輩の恋する乙女っぷりはなかなかどうしてよ。惚れちゃうわ!
ただ弟くんと担任に一言。
姉ちゃん先輩のパンツが見れて羨ましい、と。
しかしだね。見たいじゃないか。想像力を掻き立てるじゃないか。読者にパンツを見せない仕様なのがさ。というのも「あまんちゅ!」は、あえて読者に見せない仕様なのが多々あるんだよね。私が「あまんちゅ!」で好きなシーンは海や風景の見開きなんだけどさ、キャラと同じ視線(方向)では見してくれない。
44話「漆黒の人魚」で見た真斗先生の景色は、対面する形で描かれるし。47話「初日の出」でてこが見た初日の出は、やっぱり「初日の出」そのものを見せてくれずに、それを見たてこの表情がキモとなっている。
竜宮城 / 初日の出
龍宮城を見て感動する真斗先生、初日の出を見て感動するてこの図である。で、読者には、真斗先生&てこと同じ視線の風景を見せてくれないのね。もちろん、竜宮城や初日の出は描かれてるんだけど、キャラから見た視線では描かない。詳細にそれを見たキャラの表情を描くわけ。読者には、同じ視点で見た風景は見せてくれず、その風景は読者の想像に任せますよ、というね。
まあ、こういうのはコロンボの奥さん同様に描かぬが花なんでしょう。あえて、その景色を見て感動してるキャラの表情を描くことによって、こっちも色々と想像しちゃうじゃないの。つまり何が言いたいのかと言えば、姉ちゃん先輩のパンツは想像力を掻き立てるね。
あと、「ARIA」もそうなんだけど、台詞がいちいち僕のハートに響くんですよ。「あまんちゅ!」8巻では、47話「初日の出」で、ぴかりのお祖母ちゃんがてこへ述べた台詞がグッときましたね。名言の宝庫やね。
「あまんちゅ!」は本当に最高だ。読んでて楽しい気分にさせてくれる。慌しい現代社会に暮らす我々はね、いつも心のオワシスを求め彷徨う旅人のようなものなのだ。心に安らぎとぬくもりを求めるのだ。「あまんちゅ!」にはそれがある。ああ、僕は明日も生きていける。
あまんちゅ!
著者:天野こずえ 日常、ときどきダイビング。 季節は冬へ…天野こずえが贈る蒼の"素敵んぐ"ワールド最新刊! |