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    「想いの欠片」ウヴァヴァヴァー

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    想いの欠片 2 想いの欠片 1

    初めて好きになったのは一番苦手な女(ひと)でした。
    「想いの欠片」2巻が発売されました。私は所謂、百合というとお菓子のようなふんわりとした甘々なものを思い浮かべるんですけど「想いの欠片」はそんなイメージを(いい意味で)真っ向から粉砕してくれます。まさに切ない恋愛をストレートに堪能できます。
    <関連>
    「想いの欠片」痛くて、おもしろい。そして、せつない

    恋をする上での「痛み」とか「苦悩」を描くんだけど、そのシーンの感情表現がリアルというか妙に胸に突き刺さる。2巻の見所はサキであろう。マユの親友にしてマユを密かに想うメガネっ娘である。マユに想いを寄せる心理描写がなかなかどうして。

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    サキ

    『違う…偶然なんかじゃない…』
    『女のあたしが女のマユを好きになったのは必然だ』


    マユが好きになったのがたまたま同性だっただけという言葉を聞いた時の心情である。昔馴染みのでマユに密かに想いを寄せていただけに、なんともズシリときます。「想いの欠片」は群像劇で、1話毎に主人公が変わるんだけど、サキの視点で語られる6話と9話は「痛さ」「刹那さ」「苦しさ」がトリプルで通常の3割増しであります。

    サキが醸し出す「緊張感」が半端ない。
    ミカさんと対峙した時なんて、そこらのバトル漫画よりもヒリヒリした緊張感を生み出してましたよ。特に全てを見抜かれた時の「悔しい…」と感じて思わず宣戦布告(?)をしちゃうのもあっさりとかわされた時の表情なんてね、ゾクゾクしちゃいます

    一言でサキを言ってしまうと「かわいそうな娘だな」というもの。
    特に9話のマユちゃんが傷ついたら全力で慰めてあげるとか言った後の自宅で1人の寂しそうなシーンがヤバイぐらいに悲壮感溢れている

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    悲壮すぎる

    『あたしが傷ついたら』
    『誰が慰めてくれるの―…?』



    9

    思わず界王様も目を背けたくなるレベルで見ちゃおれん状態ですよ。

    報われない可哀相な娘のオーラとどす黒いオーラが半端ない。サキの劣等感と嫉妬っぷりの描写がリアルで胸に痛い。なぜか無性に共感してしまう。なんつーの、現代の荒波で生活する僕にとっては、感情を抑えるのが日常茶飯事なわけで、この自分の感情を抑えのは分からないでもない。しかし、これソウルジェムが濁るんだよね。いつか暴発して魔女化しないか心配である。

    親友でもいいと思ってたけど今は違う。でもまだ想いを伝えるのは早いと自己完結する感情の起伏が切ないぜ。というかミカさんと似た者同士だよね。勝手に自己完結するところとか。どこか一線を引くというか冷めてるところが。その一方でいい意味で別種なのがマユちゃんである。作中の人間関係のスパイスになっているとうか動かすというか掻き乱すというか。

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    マユちゃん

    すさまじい行動力である。
    思わずミカさんをストーカーしたりと、その突撃娘っぷりは一際存在感があります。「痛さ」「刹那さ」「苦しさ」とは一線を画すキャラクターで、その行動は僕の心の琴線に触れてきます。マユちゃんは一種のオアシスのような癒し効果がある。

    また、本編とは別にマスターの過去話があるんですけど、こちらも「痛さ」「刹那さ」「苦しさ」が半端ない。人間の黒い感情がとにかくヤバイです。マスターの「恋なんてやろうと思って始めるもんでもないでしょ?気付いた時にはおちてるものよ」は珠玉の名言なんだけど、これに至った経緯が気になります。あと、「想いの欠片」で最も恋する乙女なのはマユちゃんの兄・原田である事は疑いようのない事実である。まる。

    想いの欠片 2
    想いの欠片 2
    posted with amazlet at 13.06.08
    竹宮 ジン
    白泉社

    想いの欠片 1
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  • 「初めて、彼女と。」「女の子合わせ」これぞ至高の百合やで!

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    さて…。

    初めて、彼女と。 (百合姫コミックス) 女の子合わせ (百合姫コミックス)

    森島明子先生の「初めて、彼女と。」「女の子合わせ」が発売しました。
    私の好きな百合漫画家では間違いなく上位に位置する森島明子先生の新作が2冊同時発売である。

    森島作品は少女の百合もいいのですが、個人的に一番好きなのは、いい年しと大人の女同士の百合恋愛模様が僕の心の琴線に触れるというものです。20代、30代の妙齢な女性たちが大人同士の恋愛をするだけでなく少女のようなトキメキまであり2倍美味しいのである。

    特に楽しみにしていたのは「初めて、彼女と。」であります。

    初めて、彼女と。 (百合姫コミックス)

    何が楽しみって、コレ今までの森島作品の番外編であり総集編ともいうべきものである。今まで描かれたカップルの"初めての触れあい"をテーマに新たに描かれたもの。「楽園の条件」「瑠璃色の夢」「レンアイ女子課」の3冊は読んでおくとより一層楽しめます。「このキャラのこの時の心情!」と楽しめる。当然読んでいなくても楽しめる構成となっています。




    「初めて、彼女と。」に収録されているのは「楽園の条件」「そして僕らは愛を目指す」「瑠璃色の夢」「ハニー&マスタード」の4編。「楽園の条件」編はコミック「楽園の条件」の別視点その後の話(ややこしい言い方だな)。OLの沙里奈(26)と世界を旅するフリーライター澄(26)の話で、元々は自由気ままな澄にモヤモヤする沙里奈だったけど、今回は澄の視点で描かれている。

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    楽園の条件

    なんのかんので澄視点も素晴らしかった。
    その後の後日談エピソードも含め楽しめました。

    また、「そして僕らは愛を目指す」もコミック「楽園の条件」に収録された「そして僕らは愛を目指す」別視点の話。昔のエピソードを交えながら先輩視点で語られるんだけど、これが実にいいね!むしろこっちこそが本編であるという出来でした。「瑠璃色の夢」も三国さんサイドで「え?」と驚かされる。もちろん今までの作品を読んでなくて初見でも楽しめるんですけど。過去作読んでる一層楽しめる。

    とりわけ今回収録されている「ハニー&マスタード」は珠玉の出来であった。もともと「瑠璃色の夢」に収録されていた「ハニー&マスタード」は、高校時代に恋人同士だった亜麻井蜜姫と芥菜香は社会人で三十路を超えた今は親友で仕事のパートナーであり、1人の女の子に同時に恋して恋のライバルとなったり。その後の「レンアイ女子課」に収録されるエピソードで友情と愛情で紆余曲折あって結ばれる…という下地があるんですけど、そんなん関係なく良かった。むしろ初見のほうが余計な人間関係シャットダウンして楽しめるのではないでしょうか。

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    蜜姫と香

    こちらの「初めての触れあい」は高校時代のピュアな2人が主に描かれており、俺の頬の緩みも最高潮になるというものですよ。いやー、高校時代の2人。じつにこそばゆいというか読んでるこっちがこっ恥ずかしくなるぐらいの初々しさがありました。

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    高校時代の2人

    ニヤリング&ローリングで身悶え3回転半を記録する とはこの事である。2人が出会った時、お互いが惹かれ合った瞬間、思わずヤキモチを焼く香、お互いが好きだと言い合い様子。最高であった。頬の緩みが止まらないぜよ。続きが15年後というのも相まってただただニヤニヤするのみであった。

    「女の子合わせ」はいわゆる短編集。女の子同士の心地よくて暖かい気持ち…その先を描いたものであります。「ジョシ二人、Kissの次って?」という帯の煽り文句が刺激的です。

    女の子合わせ (百合姫コミックス)

    コミック裏表紙の説明は以下の通り。

    ネクラで写真だけが唯一の趣味の根神倉子、通称ネガ。一応女の子だえど全く自分に自信が持てない。そんな彼女が憧れているのは、正反対のキラキラ女子、月宮さん。夢や想ではHな事をしちゃっても、現実では全然コミュ障状態。なのにまさかつき合う展開に。そんな"彼女"シリーズを初めてとして、柔らかで初々しい女の子たちの触れ合いたっぷり。キュンキュン必至な一冊です。

    「キュンキュン必至」と謳われているけどね。
    率直な感想をズバリ言おう。

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    ズバル言おう

    ボッキボキ必至だぜ!

    素直な感想をのべれば「エロイ」の一言である。
    だって女の子同士が付き合ってイチャラブするんですよ。キスより先にスポットを当てたエピソードがメイン。そりゃ下半身が熱くなるのも自然の摂理である。

    ただエロいだけではない。この肉欲感が素晴らしすぎる。プニッとした中で、やわらかそうであたたかそうな肉体美よ。思わずむしゃぶり尽くしたくなります。それでいえ、ただのエロだけでなく、1人の血の通った女の子としての生きの良さ。もうね、眼福としか言いようがありません。

    収録作品は「女の子合わせ」「恋のいいなり」「思い出結び」「聖夜のアガペー」「海風は薫る」の短編5本と全4話のショートストーリである。全てに通じるのはイチャラブの先…「女の子同士のキスの次は?」というものがテーマとなっています。

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    この先は…?

    女の子同士のカップルでキスの先は…?
    頬はユルユル、下半身はカチカチになるのも仕方ない。仕方ないよー!女の子同士が文字通り、手探りで指探り舌探りで愛し合う様…。最高と断じるにいささかの躊躇もないわ!

    初めて、彼女と。 (百合姫コミックス)
    (百合姫コミックス)
    posted with amazlet at 13.05.26
    森島 明子
    一迅社 (2013-05-18)

    女の子合わせ (百合姫コミックス)
    森島 明子
    一迅社 (2013-05-18)