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    「ましろのおと」が期待大な件

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    ましろのおと(1) (月刊マガジンコミックス)
    羅川 真里茂
    講談社 (2010-10-15)

    「赤ちゃんと僕」「ニューヨーク・ニューヨーク」「しゃにむにGO」といった名作を連発した羅川真里茂先生による初少年誌漫画「ましろのおと」の1巻が発売されました。

    「津軽三味線×青春ストーリー」と銘打たれた「ましろのおと」は三味線漫画です。三味線青春漫画といえば何度か紹介した「なずなのねいろ(AA)」があります。三味線をひく美少女とギター少年が学校で三味線部を作る青春物で非常に面白いのです。そして、「ましろのおと」もこれまたべらぼうにマーベラスというもの!

    津軽三味線を背負い、単身、青森から東京へやってきた津軽三味線奏者・澤村雪。師でもあった祖父を亡くし、自分の弾くべき音を見失ってしまった雪だが、様々な人と出逢いながら。今、自らの音を探す旅を始める。(コミックの裏表紙より)

    羅川真里茂先生が「ずっと描きたかったテーマ」と語るだけあって、壮大な物語になりそうな臭いがプンプンします。特に、0話として収録されている話は月間少年マガジンで120Pもの読み切りを描き、それがそのまま収録。これが実にマーベラスなのです。

    三味線の師匠でもあった爺ちゃんが亡くなり、自分の「音」もなくなったと東京へ出て来た澤村雪。そこで拾われたのが、グラビアアイドルなどをこなして自分の夢を進む、立樹ユナ(22歳)に拾ってもらいます。

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    美人に拾われる

    「やりたい事と行く場所見つけるまでここにいてっ!!家事一切やってちょうだい」

    東京ってドゴは簡単に女と生活出来てグラビアアイドルがゴロゴロいるもんだべか?

    行く当てもなく東京に出て来た雪は、美人のお姉さんに拾ってもらうのでした。それなんてエロゲ?まったく羨ましいシチュエーションです。で、0話では雪が三味線を引かない、否弾けない状況からスタート。爺ちゃんは死ぬ前に雪に以下のように言っていました。

    「じっちゃが死んだら、おめぇ三味線弾ぐな。みったぐねぇ音出してるって気付ぐまで弾いだらまいね

    つまり、爺ちゃんが死んだらみっともない音の三味線弾くなという事。雪の三味線は爺ちゃんの音で自分の音ではありませんでした。そして東京へ出て三味線絶ちの日々が続くのでした。

    どっかで見たことある展開だな…デジャブ?と思いましたが、羅川真里茂先生の前作「しゃにむにGO」でもまったく同じ展開がありました。「しゃにむにGO(AA)」も少女漫画でありながら超熱い展開の連続でそこらの少年漫画よりも面白いテニス漫画でお勧めです。

    で、「しゃにむにGO」でも悩める天才・滝田留宇衣が一時期テニス絶ちをさせられた時とダブります。

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    テニス絶ちをした留宇衣

    こんなに長くラケットを握っていないのは初めてだ

    と、苦しみながらプレーしていたテニスが恋しくてたまらない様子。ラケットが懐かしくなっていました。そして溢れる想いは一つ。「テニスがしたい」という単純なもの。テニス絶ちをした留宇衣は、久々にラケットを握り楽しそうにプレーしていました。

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    久々にテニスした留宇衣

    「楽しかったっていうか…気持ちいい感じでした」

    テニス絶ちをして、久々にラケットを握れば気持ちいいという感想。うーんエクスタシー。顧問の先生も「いい答えだな」と関心していました。「ましろのおと」の雪も三味線絶ちをして何か思うところがあったようです。

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    三味線絶ちした雪

    こんなに長く弾いてねぇの初めてだ

    と、「しゃにむにGO」の留宇衣と同様に人生で初めて何もしない日々に戸惑いを感じていました。そして思う事はただ一つ「握りてえっ!!」と三味線を弾きたくてしょうがない様子。そして抑えきれない思いで溢れ、ついに三味線を弾くのです。そして弾いた感想とは…。

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    久々に三味線弾いた雪

    すげぐ気持ぢイイ

    三味線絶ちしていた雪が久々に三味線を弾けばやはりエクスタシーを感じているのでした。そう、自分の三味線が分からない→三味線弾かない→すんごく弾きたい→弾けば気もいいという流れは「しゃにむにGO」の留宇衣とまったく同じ流れ

    羅川真里茂先生はあえて被せてきたのでしょうか。ちなみに「しゃにむにGO」の留宇衣はテニス絶ちの後にエクスタシーを感じ覚醒しました。対して「ましろのおと」の雪は三味線が面白いと気付くだけで、まだ自分の「音」は見つけられていません

    ユナが雪の三味線を聞いて芸能界を諦めて田舎に帰る様は逸材。別れ際に、雪(16歳)のファーストキスを奪っていきます。

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    初キスを奪われる

    これ何てエロゲだよ!まったく羨ましいものです。

    ちなみに年上のお姉さんに…という展開は短編集「朝がまたくるから」に収録されている「半夏生」でもありました。


    こちらは見事なハッピーエンドを迎えて超ガッツポーズしたものです。ぶっちゃけ「ましろのおと」ではユナさんは1発キャラ的な扱いで、メインのヒロインは別にいる感じですが、それでも私は何時か成長した雪がユナさんを迎えにいくEDを期待している!

    そして、今後のストーリー展開は、雪がどのようにして自分の「音」を見つけ出していくかというのがポイントになりそうです。1巻の段階では、高校に転入するまでが描かれており、本当に面白くなるのは2巻からなんですが、それでも1巻の時点でその面白さがビシビシ伝わってきます。

    こいつは要チェックです!

    ましろのおと(1) (月刊マガジンコミックス)
    羅川 真里茂
    講談社 (2010-10-15)
    おすすめ度の平均: 5.0
    5 津軽三味線
    4 弾きたい音と描きたい漫画
    5 作者の実力を物語る意欲作。すごい。
    5 漫画大賞も狙えるかも!

    朝がまたくるから (花とゆめCOMICSスペシャル)
    羅川 真里茂
    白泉社
    おすすめ度の平均: 5.0
    5 難しいこと・・・を難なく描く
    5 人はそれぞれ何かを持っている。
    5 類稀な作品
    5 ここで、あれを...
    5 ファンなら買うべし
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  • 「センゴク外伝桶狭間戦記」が半端なく面白い件

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    日本の歴史を描いた作品は数あれど、宮下英樹先生の描く「センゴク」の面白さは半端じゃありません。超傑作すぎて脳から汁が飛び出して鳥肌が立ちまくります。戦国史上最も失敗し、挽回した男・仙石権兵衛秀久を描いた「センゴク」シリーズ。現在は本編が休載中で番外編を連載しています。


    この番外編がまたクソ面白くたまりません。
    描かれるのは本編の少し前の時代。今川義元が描かれています。今川義元といえば、数ある歴史物でマヌケキャラとして描かれています。

    桶狭間の戦いで2万とも2万5千とも言われる大軍で攻めて圧倒的有利と言われながら、たった2千の尾田軍に敗れ去った事が有名。御輿に乗って移動し短足で乗馬が出来なかったとか色々言われています。油断したりルックス的にも終わってる愚将というのが一般的な知識。「センゴク外伝桶狭間戦記」では、愚将なんかではなく名将として描かれています。wikiで調べてみると、本当に傑物だったようです。へぇー。

    そういえばヤングアニマル連載の4コマ漫画「信長の忍び(AA)」でも、桶狭間で最期を迎えた今川義元は「歴史はわしを、油断した愚将と記録するのだろうな。わしは愚かでないし油断もしなかった!ただ運が悪かっただけじゃー」と叫んでいました。

    始まりは、太原雪斎との幼少の頃の出会いから。

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    今川義元と太原雪斎の出会い

    「坊主などつまらん。糞くらえだ。」
    「ただ乱世を生くるのみ!!」
    お主を戦国大名にしてやろう

    こうして出会った2りの戦国時代を勝ち抜く物語。はっきりいって超面白い。様々な説がある戦国時代で、どの資料を使い、どの資料を捨ててストーリーを作ってオリジナルな話にしていくのかというのが楽しさの一つですが「センゴク外伝桶狭間戦記」は、織田信長の父・信秀の頃からライバル関係を上手に描き、信長は義元を尊敬、憧れているという感じで描かれています。これは美味しいですね(BL的に)。

    で、今川義元VS織田信長という図式を丁寧に描いていき、決戦の時近し。ここまで信長は義元の手のひらという描かれ方。特に、直前では死亡フラグがビンビン立っていた第3の主人公というべき太原雪斎の最期は胸が熱くなるというもの。

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    最期を迎える太原雪斎

    弘治元年10月10日(1555年11月23日)
    大原崇孚雪斎 示寂 享年六十

    決戦の3年前の出来事。対して、信長が尾張統一。そして、4巻。ついに今川軍が盤石の態勢を整えて尾張へ。迎え撃つ尾田軍は次々と城を落とされ、今川の勝利は決定的という戦況で舞台は絶景の山へ…。

    「この山はなんというのかね」

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    絶景の山

    「ほぅ、桶狭間か」

    決着近し。
    というか今ヤンマガではノンストップで桶狭間の戦いを行っており、毎週毎週息を飲ませない展開を繰り広げており目が離せない状態。信長勝利は歴史が証明しているのですが、今まで圧倒的優位にいながらどう義元が討ち取られるかというのが最大の見所といったところでしょうか。

    「センゴク外伝桶狭間戦記」の面白いところは、本編では魔王のように描かれていた信長が幼少から描かれ、時折見せるヘタレっぷりがたまりません。特に、土下座は胸熱もの。父・織田信秀もここぞで土下座していました。金を借りる時と犬山の乱の時に。そして、信長もここぞで土下座をしていましたが、信長が土下座する相手は2種類

    「我の土下座は死にゆく者か、我が殺す者にのみ」

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    信長の土下座

    これから死ぬ者と殺す者に対して土下座を行った信長。作中で、土下座した相手は、死にゆく堀田氏、織田信友(これから殺す前、殺した後斬首)に2回、織田信光(作中では信長が殺した説)、討ち取られた千秋隊に対してと計5回土下座していました。

    そして最終決戦。ここまで信長の土下座をフィーチャーしていれば、最後の土下座相手は今川義元しか考えられません。桶狭間で義元を撃つ時、信長はきっと土下座するはず。今から胸が熱くなるな!

    また、本編との繋がりにもニヤリ。徳川家康もそうなのですが、個人的には長篠の戦いの前に信長が神頼みしに、熱田神宮へ願掛けした時に、15年前にもあったと語られていました。

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    熱田神宮で願掛け

    かの桶狭間の戦いの前にも…弾正忠様は熱田神宮に願かけしたそうじゃのぅ。ちょうど15年前になるのか…

    そして「センゴク外伝桶狭間戦記」は桶狭間を描いていおり、信長の願掛けを描写。しかも、15年後の長篠の戦い同様に、頼もしき部下が揃っており、明らかに宮本先生は同じ構図で描き燃えるちゅうものです。

    5巻で完結だと思いますが、名将として描かれる今川義元と織田信長による桶狭間の戦い。どのように完結するのか見所満載。マジで超面白いです。