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    『あさひなぐ』15巻の感想

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    あさひなぐ 15 (ビッグコミックス)

    早いもので『あさひなぐ』も15巻である。小学館漫画賞を獲得したようです。納得の選出ですね。やればできるじゃん小学館漫画賞(謎の上から目線)。んで、『あさひなぐ』15巻ともなるとダレるかと言うかと、まったくそんな事無く、むしろ面白さがどんどん跳ね上がっている。ひとえに旭の成長に尽きるでしょう。
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    コメント(1)

    あさひなぐ 11 (ビッグコミックス)

    私、勝ちます。

    旭覚醒せし。いや、努力が花開いた。
    「あさひなぐ」11巻はいいね。余韻が気持ちいいこと。気持ちいいこと。読後の気持ちよさったらね。なかなかどうしてよ。GG佐藤もキモチィーって叫ぶレベルの気持ちよさです。率直に言って、よくぞここまで生き残ったなというのが正直なところです。

    スポーツ漫画の醍醐味といえば「爽快感」ですから。読後にキモチィーって叫びたいんですよ。そこいくとね「あさひなぐ」の旭は、運動音痴だし、素人だし、これといった武器無いし。特に、週刊誌のスポーツ漫画なんて何かしらの才能がないとね。これだという武器がないとね。試合を魅せて勝たなきゃいけないからね。そういうの無かったら、斎藤一の「悪・即・斬」の如しバッサリ打ち切られるからね。それはどんなに面白くてもだ。スピリッツでも同時期に才能無しの柔道漫画が泡沫のごとく消えていった。なのに「あさひなぐ」は生き残った。

    私は「あさひなぐ」はスポーツ漫画ではなく、青春漫画というカテゴリに入れていた。だってですよ、旭含めて二ツ坂高校の面子でなら卓球やろうが軽音やろうがカルタやろうがピンボールやろうが競女やろうが、おそらく同じような部活生活と青春してたはずである。壁に当たり、もがき、練習して、ちょっと青春して、努力努力アンド努力をひたすら繰り返してたと思うわけです。だからこれは、スポーツ漫画というよりも青春部活漫画なのだ。故に団体戦にクローズアップしてるしね。

    だから旭は「才能無い、経験無い、武器も無い」。ついでに乳も無い!の無い無い尽くしでも学園部活ものとして青春してたのである。丁寧に丁寧に部活する姿ばかり描き、負けて挫折しまくって、ひたすら努力しまくる姿が輝いていたし、美しい青春が成立していた。とはいえなぁ、やはりキモティーしたいのだよ。それが花開く11巻である。

    作者はドSかっつーぐらい旭に挫折を味あわせまくってましたからね。というか、やす子監督きてこれからだってところで、旭1人だけひたすらプールで泳がされてたのは流石に泣いたわ。そんな挫折と(一見すると無駄な)努力を丁寧にネチネチ描き続けたからこそ、「あさひなぐ」11巻の爽快感が半端ないね。

    1
    「メガネ!あんたがいきなさい。」

    熱い。この展開は熱いぞー!
    全国レベルの強豪愛山相手に引き分け代表戦へまでもつれ込むんですけど、やす子監督が選んだのはメガネ、旭である。誰もがエース真春だと思いきやの御指名。さっき無様に負けたばかりなのに。ここで旭が出るのが実に良い。「ここで勝てば二ツ坂は変われる、全員が強いチーム」という願いを忠実に実行だよ。だって旭だよ。最弱だよ。

    というか野上部長に突っ込み入れたいわ!コミックでいえば8巻でエース真春頼りをやめようと誓ったのに、全員が強いチームにと信念持ってたのに、旭が代表になって激おこぷんぷん丸ですからね。何が「頼んだよ真春」だよ!エース頼みじゃねーか。

    だが代表・旭。チームの勝敗を直に背負う。真春頼みでない強いチームを目指すを実行である。こういうの読みたかったんだよ。しかも、ここからの流れがヤバイね。誰もが唖然とする代表・旭。しかもさっき無様に負けた相手である。強者である。案の定ボッコボコにされて劣性。

    だ・け・ど!
    やす子監督がやってくれた。言ってくれた。そも「あさひなぐ」は地味に隠れた名言の宝庫の漫画なのだが、今回のやす子監督の台詞はグッとくるのだ。ちょっと涙腺を刺激してくるのだ。

    5
    やす子が言ってくれました

    「コートで泣いてんじゃないわよ、ゴミクズ。」
    日頃のどんな努力も才能も、この線の内側には入れない。
    持っていけるのは、自分の心と体だけよ。
    弱ささえ、置いていく事ができるわ。ここはそういう場所なの。

    うおぉぉ!この台詞は熱いぞ。激熱濃厚やで。
    読んでてぶるっときちゃうじゃないの。だってですよ、俺の中では「あさひなぐ」は青春部活漫画で別に薙刀でなくても同じような青春やってただろうなって思ってたのに、これは薙刀漫画なのだとドンと説き伏せてきたのです。やられたのである。私は薙刀という競技は詳しくないですけど、やす子監督の台詞は、薙刀という競技はそういうものなのだというハッタリが効いてて武者震いする。台詞そのものも実に名言である。

    そうか「あさひなぐ」は薙刀漫画なのか。青春部活漫画からスポーツ漫画になったのだ。そして旭は覚醒、いや努力努力アンド努力の結晶がようやく実を結ぶのである。王道にして最高の演出、これぞスポーツ漫画というね。

    2
    その時は、必ず訪れる。

    キモチィー!

    なんという熱量。なんという気持ちよさ。なんという爽快感。圧倒的に胸が熱くなる。なにが素晴らしいって、旭が試合中に笑ってたことだろう。スラムダンクの不思議な感情を抑えきれず流川は笑ったによろしく、真春先輩も強者とやる時に笑っていた。旭は何故真春先輩と同じように笑っていたのかは分かりません。きっと、楽しかったのでしょうね。薙刀の試合が、この強者との対戦が、自分の双肩にチームの勝敗が掛ってるのが。たぶん。

    凄まじい熱さと気持ちよさであった。
    なにより、私の心の琴線に触れたのは試合後の旭の台詞であろう。「天才少女」「才能」にもにょる旭である。「才能無い、経験無い、武器も無い、乳も無い」の主人公・旭が見せた片鱗・それは踏込の跳躍力である。確かに、今までその片鱗の描写はあった。だが、旭はバッサリ、ようやく備わった武器、才能を否定する。

    3
    才能じゃないですし。おすし。

    それは決して、才能などではなくて―
    私達が積み重ねてようやく届いた、確かなもの

    「才能」などという安っぽい言葉では言い表せない。何度も挫折して、ひたすら努力努力アンド努力をし続けた結果に届いた確かなものである。猛烈に熱い。最高にグッとくるね。

    確かに旭は才能は無い。だがしかーし!旭には努力するという才能があったのである。例えば、努力しないで勝てば天才だろう。努力しないで敗ければ後悔があるだろう。で、努力して負けても経験が残るのだ。爽快感がヤバイ。凡人が勝利する説得力がある。これが旭。コミック10巻分も、ひたすら努力を続けた雑魚が見せた姿に胸が熱くなるな。

    あさひなぐ 11 (ビッグコミックス) あさひなぐ(11)
    著者:こざき亜衣

    Kindle版1巻:あさひなぐ(1)
    Kindle版2巻:あさひなぐ(2)
    Kindle版3巻:あさひなぐ(3)
    Kindle版4巻:あさひなぐ(4)
    Kindle版5巻:あさひなぐ(5)
    Kindle版6巻:あさひなぐ(6)
    Kindle版7巻:あさひなぐ(7)
    Kindle版8巻:あさひなぐ(8)
    Kindle版9巻:あさひなぐ(9)
    Kindle版10巻:あさひなぐ(10)