来年度から新社会人になる諸君、これから就活する諸君。
よく、会社を選ぶ際に「やりたい事」だからとか「やりがいがある事」だとか「成長できる」とか当たり障り無い事で会社を選ぶと、1年後、2年後に絶対に後悔するものである。こんなはずじゃなかった、と。だから私は絶対に後悔しない会社の選び方をここで提言しましょう。

ズバリ「昼飯」である。

リーマンと昼飯というのは切っても切れない関係です。
例えるならアムロとシャア、ルパンと銭形、星飛雄馬VS花形満のようなもので、必ず巡りあう運命である。「宿敵」と書いて「とも」と読むような関係です。学生諸君は、職場の雰囲気を聞くより、社員食堂のメニューや近場の飯屋の豊富さでも聞け、と言いたい。

仕事の内容とか職場の雰囲気とか人間関係とかを注視するのは結構です。しかし、重視するポイントの視点を変えるもまたオツである。本当に大事なのは「会社の食堂の有無」「会社近くの飯屋の豊富さ」「弁当屋の有無」「近場のコンビニのカップラーメンの品揃え」の4点である。この4点で就職先を選べば、絶対に後悔しないはずです（断言）！

それほど社会人にとって昼飯というのは大事なのだ。
例えばだ…。

例1、今日は水曜日だからマガジンとサンデーが出てるな、マガジンとサンデーが置いてある飯屋はあそことここだな…、よし今日はここで飯だ！

例2、マガサンは購読してるので飯食いながら1人でじっくり読みたいな。よし今日は何か買って来て自分の席で満喫しよう！

…という感じで、社会人も慣れてくると仕事をスムーズに行う以上に昼飯のローテーションというものが自分の中で出来上がってくるのです。社会人と飯はこの先何十年も付き合う大事な関係です。だからこそ、最も重視すべき点でもあります。

と、最近就活関係の記事が流行ってるようなので便乗してみたところで、「めしばな刑事タチバナ」である。「めしばな」は牛丼やカレーや立ち食いそばやインスタントに至るまで、ジャンクで身近なB級の「飯」を熱く語るので直に僕の胃袋の琴線に触れてくれる。学生には就活の教科書、社会人にとっては昼食選びの教科書となる本がこの「めしばな刑事タチバナ」なのです。

8巻の収録内容は、消えた牛丼屋、ナンカレー、ばくだん丼、炭酸入りコーヒー、豚しゃぶカレー、激辛ブーム…と、相変わらず見どころ満載（雑誌掲載時と収録順が変わってるのはどういう事だってばよ）。

個人的にグッときたのは「豚しゃぶカレー」。ココイチでのルーのお代わりの話は知りませんでした。調べてみたら、ネットじゃ結構メジャーに知られていて2度ビックリです。


ココイチではルゥ追加無料
ココイチで定番メニューは全部食ったといって制覇した気になっていたら未熟者もいいところであった。カレーソース追加無料…、今度是非やってみたいものである。

また3話に跨って描かれた「ああ激辛ブーム」も外せません。現在の激辛系食品が定着するまでの歴史を「第一次激辛ブーム」「第二次激辛ブーム」に分け語る件は、頷きながらも勉強になります（役には立ちません）。

何より「さくら水産」のランチという超弩級の内容である。


さくら水産の"昼の顔"
「目玉は500円の日替わり定食AとB」
「Aはたいてい『さば塩焼き』とか『ぶり照り焼き』とかの魚系、Bは『フライ盛り合わせ』とか『特製チキンカツ』とかの肉系」
「さらにABどっちの気分でもないとき用に定番で『さば味噌定食』550円、『中おち定食』600円、『刺身定食』650円の黄金トリオあたりが控える」

まさか「めしばな」でさくら水産のランチが取り上げられるとは。まさに、分かる人には分かるネタ！さくら水産のランチでは、生卵、のり、お新香、ふりかけが取り放題と語られる。僕も数年前はさくら水産のランチに良く通ったものです。作中では語られてないけど、確か味噌汁もお代わり自由だったはず。これだけおかわり自由だと、誰もが突き進んでしまうのだ。


気づいたら突き進んでいた
お昼のさくら水産名物おかわり交響曲！
私もさくら水産のランチへ行くと、ついつい卵かけご飯の無限ループにハマってしまう事があります。こういう分かる人は壮大に頷いてしまうネタを随所に入れてくるから「めしばな」はあなどれない。

また、B定は基本フライ系なのですけど、週に1度くらいハンバーグ定食があるのは外せません。もちろん、小さいハンバーグで格段美味しいわけではありませんが、たまに登場するレア感も相まって重宝されます。まあ、さくら水産のランチは、最終的に卵かけご飯がメインに行き着くのでオカズなんて問題じゃないんですけど。もうひたすら卵かけご飯の無限ループにハマる。


人として生まれた以上、あの誘惑を断ち切るのは無理なのかもしれないな
甲子園には魔物がるように、さくら水産のランチにも魔物がいる。
たった1話でさくら水産のランチの本質を突き詰めている「めしばな」。やはりあなどれません。本当にさくら水産のランチはある種の中毒性がある。

つまり何が言いたいのかといえば、就活生の諸君が最も重視するべきポイントは「やり甲斐」とか「成長出来る」とか「職場の雰囲気」とか「収入」とかではなく、職場の近くにさくら水産があるかどうかです（結論）。

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・「めしばな刑事タチバナ」やっぱり最高に面白いな！
・「めしばな刑事タチバナ」読むと普段のB級飯の美味しさアップ

「めしばな刑事タチバナ」5巻が発売されました。
独身男の僕は普段からチェーン店で食事を済ませる事が多く、「めしばな」が扱うB級グルメ、チェーン店の食事語りはドストライクすぎます。

5巻に収録されている飯は、マカロニサラダ、塩天丼、タイカレー缶詰、チャーハン、コロッケそば、のり弁…というもの。「めしばな」を読むと、思わずその料理が食べたくなるのは常識。馴染みのある飯が多いです。タイカレー缶詰だけは未だ食べた事ありませんが。

普段からほか弁やてんやを愛用する私は5巻の内容は大満足でした。私も「てんや」は超愛用しますが、タレ抜きの注文なんてしたことありません。そんな注文があったのかと関心しきりです。


てんやで
立花さんが「てんや」でいつものように天丼を食べていたら、剣豪のようなオヤジが入ってきて席につくなりメニューも見ずに「天丼ひとつ…タレ抜きだ」と注文。僕も立花さん同様、そんな注文あるなんて知らなくてビックリ仰天でした。思わず「お主…やるな」と呟くレベル。

そして、その剣豪のようなオヤジはたれ抜き天丼に塩を振って食うという。そんな食い方あったんかいと驚愕ですよね。これぞ「塩天丼」である。確かに天ぷら屋などでは天つゆの他に塩とレモンが付いている事はあります。それを「てんや」の天丼でやるとか目から鱗ですよ。しかも微笑がこぼれる程の味だとか。

これは実際にやってみるしかありません。
実際に、私も「てんや」でおもむろに言ってやりましたよ。

「天丼、タレ抜きでお願いします！」





やってやりましたよ。
タレ抜きでの天丼注文。僕が天丼タレ抜きで注文すれば、「めしばな」の作中のように周囲の人間が一斉に注目してきました。「めしばな」読むまで知らなかったとはいえ、この注文方法は何ともいえない優越感に浸れますね。ならば君の視線を釘付けにするですよ！

「てんや」で周囲の視線を釘付けにし、僕は颯爽と塩を天丼に振るわけです。隣の客はチラチラとこちらを見てきて、他の回りの客も僕の一挙一動を伺ってきます。なるほど、「てんや」でタレ抜きを注文すると、店での視線を集められる。作中通りです。そして塩天丼の出来上がりである。とりあえず食ってみました。

…うん微妙。
まさに作中の立花さんとシンクロする。まずくはないんですが、なんか微妙で丼として考えると、とてもご飯が進むものじゃありませんでした。他にも七味唐辛子をけけてみても、ご飯が進むわけでなし。


塩天丼
「これが…予想よりも全然たいしたことなかった」
「ご飯の部分は何もかかってないからな。"塩天ぷら"はまあ悪くないが、丼としてはどう考えても無理がある」

立花さんの解説通りの結果でした。
僕は剣豪のようなオヤジや立花さんみたいに、立ち止まれなくなって塩天丼を食し微笑する程の漢ではありません。ヘタレです。とてもご飯が食べれません。仕方がないので据え置きのタレを天丼に掛けて食う事にしました。





結局タレをかけて食べる事にしました。
いつもなら、あらかじめタレがかかってる状態でそのまま食べてたんですが、事前に塩や七味唐辛子をかけて食べると、味が一層引き締まっていました。これは「めしばな」を読んでいたからこそ、塩天丼に挑戦し挫折した末の新しい発見です。

このように、普段から馴染みのある食べ物でも新たな食い方を発見できるのが「めしばな」の凄いところ。

そして5巻のキモといえば5話にまたがって収録されている「ほか弁ウォーズ」ですよ。いわゆる。ほか弁チェーン店の歴史を語り、その中でも「のり弁」にスポットを当てて超傑作シリーズである。


のり弁
のり弁。
ご飯におかかをまぶし、その上に海苔を敷いたもの。いかすは白身魚フライにちくわ天。サイドの主役にきんぴらごぼう、昆布の佃煮、つけもの。まあサイドのメニューは店ごとに細かい違いはありますが。この組み合わせがのり弁である。どの店でいつ注文してもハズレがないガシッとした「安定感」が魅力。どの大手チェーン店でも人気ランキングの断トツ1位を取る。のり弁は最強である。

私もよく弁当屋でのり弁を注文するのですが、「めしばな」5巻ではのり弁の歴史や買ってから15分後が一番美味くなるなど、読んでて目から鱗状態。特に興味深いのはのり弁には日本列島を二分する重大な問題があるのです。


日本列島を二分する重大な問題
「白身魚フライにかけるのは"しょうゆ"か"ソース"か？問題です！」

僕が普段か食しているのり弁は、大体ソースがついているんですけど、醤油ならばご飯にかかっても、海苔弁だからまったく問題はありません。大手チェーン店は全てソース派、東京ローカルでは醤油派。そして日本全国の弁当屋の調査の結果、大ざっぱにいえば東側が醤油、南西側はソースなんだとか。本当にバカバカしい事ですが、非常に興味深く面白い。

「めしばな刑事タチバナ」最大の魅力は、読むと思わずその飯が食いたくなってしまうのが特徴ですよね。早速のり弁を買ってきました。ソースか醤油か…迷ったんですけど、オリジンの飛び道具と言われるタルタルソースにしました。


のり弁
オリジンののり弁にはタルタルソースと醤油が付いています。
タルタルソースを白身魚フライにかけて、醤油はちくわで残った醤油はご飯にかける。これがジャスティス！ソースの場合も一緒に醤油があれば両方使う。つまり、何派と揉めるんでなく両方使えば最強である。

さらに個人的には、のり弁にバターをスプーン一杯をご飯に乗せ、レンジでチンすると醤油バターご飯になるである。ただでさえ美味しいのり弁にバター醤油ご飯が調和され、濃い味付けながら風味が格段に上がる。食のハーモニーである。食えば病みつき、超うめぇぇぇぇぇぇ！

やはり「めしばな」を読むと、普段何気なく食べてるB級グルメがさらに美味しく感じてしまうな！
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