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    「少年バンビ」きゅんきゅんしまくりでドストライクだった件

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    少年バンビ (マーガレットコミックス)

    ドストライクだった。
    タカハシマコ先生のマーガレット系で掲載された作品を集めた短編集。素晴らしい甘さとキュンキュン具合です。表題作「少年バンビ」の他に、「in vitro」「夏がくれば思い出」「CHOCOLATE TRIP」「picnic in the water」「水玉ホリデー」の計6本の短編の収録。タカシマコ先生はちょっとダークな話よりもど真ん中な甘い少女漫画が僕の心の琴線に触れるようである。

    6つの内容は様々です。やはりタカハシマコ先生の描く女の子はクソ可愛い。もちろん男もかわいいんだけど。

    【少年バンビ】
    かわいいものが大好きな少女とかわいい系彼氏の話。「かわいい=好き」という思考回路で色々と挑戦するけどかわいい度というか女子力は負けている。彼氏に「かわいい」と思われたいのにいつも「かっこいい」と言われてしまう。もう勘弁して下さいという砂糖全開の甘さでした。

    【in vitro】
    高校の文化祭に見学に来た中学生の少女が美術部の展示された絵を描いた男に一目惚れ。キラキラに輝いていたそうな。翌年その高校入学し美術部に入部し一目惚れした相手を探す。しかし美術部にいるのは冴えない影の薄い男だけだった…というもの。

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    影うす

    ポイントは主人公の娘は目が悪く中学の時の文化祭はメガネ無しで高校入学を機にメガネっ娘になったのでした。さらに相手の男も目が悪く1年前の文化祭ではメガネ無しで見学に来ていた娘に一目惚れしていた…。はい、オチまで直ぐに分かりますね。

    メガネを取るとキラキラに映ります。
    眼鏡を装備するとダサい。眼鏡を外すと素敵。それぼやけてよく見えないだけや!それでも段々お互いが惹かれていくのはキュンキュンするね。しかもベッタベタな眼鏡イベントまで炸裂である。

    20
    眼鏡イベントですよ!

    キスしようとしたら眼鏡と眼鏡がゴッツンコ。
    このシーンは丁寧に詳細に間の取り方と、お互いの顔が近くなってから両者の目が合いキスしようとする流れまで含め完璧であると言いたい。めがっさニヤニヤしたのであります。

    これは素晴らしいメガネ漫画であった。
    両者がメガネ無しの状態でアイテムとしての眼鏡がいい塩梅で効いています。アイテムを題材にしたというと前作のマーガレット系短編集「乙女座・スピカ・真珠星 -タカハシマコ短編集-(AA)」でもアイテムで物語を紡いでいたんですが、こちらは話の完成度などさらに上。メガネをここまでラブコメ的に活用できるのかと感心しました。終盤の「だって…眼鏡かけてるのにキラキラなんだもん」は辞世の句にしたい程の名言です。

    【夏がくれば思い出】
    ヤバイな!俺の頬がヤバイ。ニヤリング&ローリングで身悶え3回転半を記録するっつーの。幼なじみものです。物忘れが酷い男と年上の女の子の幼なじみ。「いつの間にか成長してた」&「幼い頃の思い出」という幼馴染ものとしてのツボを押さえたもの。

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    幼き日の思い出

    幼なじみはいいね。リリンが生み出した文化の極みだよ。
    ぶっちゃけ少々パンチは弱かったんですけど、幼馴染補正がかかってニヤニヤ度は3割増しですよ。やはり恋する乙女は可愛いとししか言いようがありませんね。

    【CHOCOLATE TRIP】
    好きな人に本命チョコを渡そうと高級チョコを購入したら、好きな人は彼女持ちだった。チョコ買ったその場で判明し、無駄になった本命チョコを購入する時に譲って貰った男へ上げてしまう。で、その片想いだった相手&彼女と、無駄になったチョコを上げた男が翌年度クラスメイトになる。

    仲良くなる4人。片想いで失恋した少女の心情を当てたもの。
    まあ実に甘酸っぱい青春です。だけど、あの時失恋した少女が無駄になったチョコを上げた男は恋してたという。

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    恋してました

    男がヒロインすぎた
    少女漫画なので片想いを失恋した少女にスポットを当てて心情を吐露するように描かれてるけど、男の立場から見たものを読んでみたいと思います。だって見ず知らずの少女にバレンタインチョコ貰って、翌年度に同じクラスになって仲良くなる。これ少年漫画とかだったら男が主人公になって悶々とするだろ。

    【picnic in the water】
    魚屋の娘とコンビの息子の話。ある日、突然コンビニの息子からデートに誘われる。水族館デートを何度もするようになるんだけど、コンビニの息子は魚が苦手でそれを克服する為に魚屋の娘を誘っていた。

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    魚屋の娘

    言葉の掛け合いが妙である。
    いきなりデートに誘われて舞い上がって色々とお洒落したりと恋する乙女モード全開だけど男はデートは全て水族館で魚ばかり真剣に見ている。本当に自分の事が好きなのかと聞けば「…好きだよ」と戸惑いながら言われる。男は魚の事を聞かれたと思って答えたんだけど、終盤では本当は「(魚が)好きではない」と告白。自分の事が好きではないと言われたと思う主人公…というね。

    (自分の事が)好きか嫌いかという女の子と、(魚の事が)好きか嫌いかという男の子による、素晴らしき勘違いによる会話であった。でも男は魚屋の娘に惚れたから魚を克服しようとしていたというね。ご馳走様でした

    【水玉ホリデー】
    公園でシャボン玉を披露する人が突然倒れ、後を任された3人の話。公園でシャボン玉を使った芸に3人で挑戦するというもの。いちおう恋愛要素はあるけど、オマケ程度かな。友情の話がキモです。

    タカハシマコ先生は青年漫画でも百合漫画でもちょっと暗いというか影があるものをメインで描くんですけど、少女漫画でストレートど真ん中に甘いキュンキュンする話を描いたほうが個人的にフィットしました。今回の短編集で、特に良かったのは「in vitro」「CHOCOLATE TRIP」「picnic in the water」の3つかな。頬を緩めてニヤニヤするというものです。お勧めです。

    少年バンビ (マーガレットコミックス)
    タカハシ マコ
    集英社 (2013-04-25)



    それは私と少女は言った (KCx(ITAN))
    タカハシ マコ
    講談社 (2012-07-06)

    荒野の恋(3)<完> (KCデラックス)
    タカハシ マコ
    講談社 (2012-10-05)

    荒野の恋(2) (KCデラックス)
    タカハシ マコ
    講談社 (2012-07-06)

    荒野の恋(1) (KCデラックス)
    タカハシ マコ
    講談社 (2012-02-06)


    メモリーズオフ ゆびきりの記憶 (限定版) (サントラCD2枚組&ドラマCD1枚 同梱)
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  • 「それは私と少女は言った」少女の美しさと醜さ

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    荒野の恋(2) (KCデラックス) 荒野の恋(1) (KCデラックス)

    「青年のための読書クラブ」もそうなんですけど、桜庭一樹先生原作品をタカハシマコ先生が漫画にすると面白さが半端じゃないですね。「荒野の恋」2巻もなかよし連載とは思えない、けっこうアダルティな表現満載の中で口元緩んでニヤニヤする初々しさと甘酸っぱさがいいっすなぁ。

    2巻では蓉子さんの母親力がグッとくるも、やっぱり荒野の女の子でもないけど女性でもない多感な年頃の描写が僕の心の琴線に触れまくりです。

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    甘酸っぱさがいいね

    両親の再婚で家族になってしまった2人だけど、その醸し出すものは少年と少女っていうね。そして最後の衝撃展開である。次巻で完結らしいので、先が楽しみすぎるってもの。
    <関連>
    「荒野の恋」少女の特有の多感な年ごろにグッとくる


    それは私と少女は言った (KCx(ITAN))

    タカハシマコ先生の「それは私と少女は言った」が発売されました。
    まあ間違いなく万人に勧められるような漫画じゃないですね。100人いたら100点付ける人が2割ぐらいいて、0点付ける人が2割ぐらいて、後はバラバラってそういう評価をされるような漫画である。

    身も蓋もない言い方すればタカハシマコ先生は絵は凄く上手いんだけど…っていう印象があるっちゃある。原作付きだと、それはそれで一般的な評価が高い感じなんですけど。で、この「それは私と少女は言った」、僕は大好きです

    「それは私と少女は言った」はなんともいえな読後感がある。
    昔、ドラゴンエイジで連載してた「ニコ」に近い雰囲気。

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    ニコ



    どう雰囲気が近いといえば、「薄気味悪さ」「恐怖のような感情」「気持ち悪さ」「毒気」「暗さ」…といったもの。ゾクリとするというかさぶいぼが出来るというか。絵柄がなまじ可愛らしいだけでに、その内容の黒さとのギャップは半端じゃありませんね。ある種のモヤモヤ感を残すも、ゾクゾクさせられて夢中になっている感じ。

    「ニコ」が好きだった人には間違いなくお勧めですね。
    重くてドロドロである。「それは私と少女は言った」のストーリーは、単行本の裏表紙で以下のように説明されています。

    奇跡のような美少女、鳥子が自ら死を選んでから3年。その瞬間に居合わせ、やがて高校生になった5人の少女たちが、それぞれに巡り合う自分の中の"鳥子"。少女の美は何度でも甦る。

    奇跡の美少女・鳥子がある5人の少女達の前で死んでしまう。5人は高校生になり再会する。そして死んだはずの鳥子のブログが更新されるよになり…というもの。

    5人の少女は、それぞれの中の"鳥子"と向き合う。ある者は適視し、ある者は崇拝し、ある者は同じ人を好きになり、ある者は真似をし、ある者は繋がっていて…一つ共通する事は、みんな鳥子の死を望んでいた。

    鳥子が死に、それを目撃した5人の少女の物語。
    思春期の少女に潜むドロドロした関係や感情を描いたもの。

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    少女のドロドロした感情

    女の子の中にある特有のドロドロの黒い感情がよく描けていると思う。

    鳥子を適視していた娘は、小学生時代はブと呼ばれ、常に心は鳥子ちょ違って美しくあれと思っていました。高校生になり、見た目も可愛くなった今も自分の心は美しいと思っていたのに…鳥子が死んだ瞬間笑ってたと指摘されてしまう。

    ドロドロだしグチャグチャで汚い感情が美しく、可愛い女の子の中に渦巻く。また、僕のリビドーを指摘するのもいい!

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    僕のリビドーを刺激する

    初潮である
    鳥子を崇拝する娘は、奇跡の美少女である鳥子は成長して醜くなる前に死ぬべきだ、今死ぬべきだ、恋を知る前に死ぬべきだ、完成された少女のまま死ぬべきだ…と手紙を送るぐらいちょっと頭のネジ飛んでいました。鳥子は醜い大人に頼らず、醜く成長する事もなく「完全な美少女」のままで死ぬべきだ、と。鳥子を崇拝する娘は、自分も少女であり続ける事を望むも身体は嫌でも成長してしまい、絶望する。

    鳥子の真似をしていた娘は、鳥子のようになりたいと思い、色々真似をするも、自分って何かと考え出す。今まで鳥子の真似をしてきた少女は、鳥子が同じものを持つと拒否反応を示した。

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    今まで真似してたのに真似されると…

    「やめてよ、私をよらないでよ」と拒否する。
    自分は今まで散々、鳥子の真似をしていたものの。

    いやー本当に少女のどす黒さと儚さがいい味である。
    完成された美少女・鳥子の死と、その瞬間に居合わせた5人の少女を、それぞれの視点を描くオムニバスといった感じ。美しさと醜さを存分に詰め込んだ「少女」という存在が僕の心の琴線に触れますね。

    1巻完結で読みやすく、鳥子の死の真相も一応判明。
    とはいえ、起承転結といった分かりやすさなのなく、腑に落ちない点は多々ある。それでも美しく儚い「少女」の物語を描いてるとは思う。万人にはお勧めとは言えませんが、個人的にはヒットでした。
    <関連>
    「荒野の恋」少女の特有の多感な年ごろにグッとくる

    それは私と少女は言った (KCx(ITAN))
    タカハシ マコ
    講談社 (2012-07-06)

    荒野の恋(2) (KCデラックス)
    タカハシ マコ
    講談社 (2012-07-06)

    荒野の恋(1) (KCデラックス)
    タカハシ マコ
    講談社 (2012-02-06)