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「ダブルマリッジ」二宮ひかる先生の良さが満載
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2012年07月05日
二宮ひかる先生の新作「ダブルマリッジ」が発売されました。
帯には「重婚解禁!?…あなたならどうしますか?」と刺激的な煽り文が目を引きます。日本における一夫多妻制の歴史が変わるろうとしているというもの。少子化対策として"重婚法案"が可決されるかも。結婚がただ1人の伴侶を選ぶ事でなくなった時、重婚OKな世界だったら…たとえばそんなメルヘンである。
なかなか二宮作品らしさが出てたと思う。
あくまで個人的にですが、二宮先生の作品のらしさってのは「背徳感のある恋愛」だと思うの。不道徳であり世間的によろしくない恋愛、それも肉体関係を描く。そういう観点だと、重婚が解禁されたら…というテーマはマッチしている。
設定的には「ハネムーンサラダ」を思い出す。なんか懐かしい感じ。
で、主人公・生田は可愛い奥さんがいるのに中学の同級生・伊藤裕子と不倫関係を続けている。
裕子さんまじエロかった(率直な感想)。
不倫して体を重ねるシーンが多々あるんですが、どれも濃厚でした。
ある日、いつものように体を重ねているとテレビから首相の会見が流れてくる。「非婚化、晩婚化が進み結果、少子化を招いてる」と重婚を認める法案が通るかというニュースが流れてくる。そこで生田は彼女の為に自分が出来る事はないか考え「結婚しよう!」と言いだすのであった。でも彼女の回答は…どうもはぐらかすようなもの。
重婚OKになったら…という設定が面白いですね。
重婚が法律で正式決定しそうな状況で、新婚の生田が浮気相手の裕子と本気で重婚を考え、その周辺の人間関係を描いたもの。生田も裕子さんもキャラが立っており、生田よ嫁の詩織、生田の会社の後輩、後輩とスーパーのレジの姉ちゃん(人妻)、裕子さんの仕事の取引先のおっさん…と多彩な人間関係が特徴的。
多彩な人間
みんなキャラが立ってて魅力的でした。
とはいえ、もっとドロドロしててもよかったかも。重婚が普通になったIFの日本というより、結局法案も通らず、不倫のその先に重婚があったら…と色々と考えさせられますね。
しかし、生田の奥さんめがっさ可愛いのね。
詩織さん
こんな可愛い奥さんいて浮気する生田がなんとも憎らしい。
この生田はまさに二宮作品の男の象徴でもありました。男の欲望とか身勝手さを描くのに定評があり、それを上手に描くのですけど、この生田こそまさにそれを具現化させた主人公だった。
というか奥さんめがっさ可愛いのに出番少なすぎですよ。セックスシーンも裕子さんとしかないし。もっと、出番を!そして不倫がバレちゃうんだけど、この時の詩織さんが弱々しいこと。僕は二宮作品の女性ではどこかボケてるけど芯が強い変な女ってのが好きでした。今作でいえば裕子さんみたいな。でも詩織さんもありだなと思える可愛さであった。
結末としてはやっぱり夫婦はいいもんだというとこに落ち着く。
作者後書きでも「私は結婚っていうものはやっぱりいいものだと思ってます。何らかの問題に当たった時、そして合理的に考えれば離れるのがいちばん手っ取り早く確実な方法だと思える時でも」「一緒にいつづけることを前提とすて、うまく乗り越える方法を、みんなで見つけようとするところが美しいと思うからです」と書かれてました。
ドロドロになるような感じでも落ち着くところに落ち着いたラストだったと思います。とはいえ、やや消化不良な気も。結婚というものを色々と考えさせられました。僕が結婚してたらまた違った印象を受けたんだろうけど。総じてまとまっており1巻完結なので読みやすいです。