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「からん」完結なんだってばよ。
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2011年09月03日
女子柔道の最高傑作になると思っていた「からん」の7巻が発売されました。これが最終巻です。ええ、「からん」も堂々の完結…って、アホか!納得できるか!むしろ、ここから盛り上がるんじゃないかってところで終了。
7巻ですが、めちゃくちゃ面白いです。いやもう、くちゃくちゃ面白いのです。1年生も交えての対外試合や他校のの合同練習で、それぞれのライバル関係とか実力の程が大体把握でき、ここから団体戦に向けて行くぞってテンションダダ上がりっぱなし。熱いのです。
特に、熱かったのは京の覚醒ですよ。
京覚醒
「これが九条京の柔道―いや、これが九条京!」と、最初に絞め落とされた金春先輩を相手に一本。最終回のエピソードで和解して、これから一致団結して団体戦モードというクソ燃えるテンションになったもの。
「からん」の女子柔道部の面々は一癖も二癖もあって、これが集まったらどうなるのかというワクテカ感は初期からありました。部活動漫画というのは個性派の集団にどれだけ味があるのかが決め手となるわけで。経験者で実力者の主人公・雅を中心に、素人集団の1年、雑魚とそこそこ強い2年、化物と癒し系の3年…と面子は今後の成長や心情が楽しかったもの。
部活動漫画の主人公には基本的に2種類います。
1、ド素人(才能はある)
2、経験者の強者
等身大の主人公から入るか、最初からヒーローかという違い。
どっちも、真っ直ぐ突き進むのが感情移入しまくりますね。
で、「からん」の雅は中学時代には44 kg以下級で京都2位という実績のある経験者で強者。しかし、どうも雅は主人公らしくない。というか、終始自分が熱血するわけでもなく、常に周りの指導者という立場をとり続けます。読者が主人公目線でシンクロして燃えるという事がありません。
徹底的にクレバーなのが雅。
1年VS2・3年の団体勝負でちょっと勝ちに拘る雅を垣間見れました。
少しだけ見れた勝負に関する拘り
あえて萌先輩との対戦を避け団体の星勘定優先。
普通の主人公なら、強者と試合したいとか思って負けると分かっていてもあえて挑む展開になるもの。
初期に、萌先輩をわざと挑発して寝技勝負を繰り広げたり、寝技には絶対の自信というか拘りがあるのかと思いきや、結局萌先輩の寝技を強化させるだけだったり。変わりに、そういう拘りを見せたのが金春だったり。
譲れない
金春VS京で、肘つき背負いを拒否して高く投げる背負いに拘ったみたいな、そういう「譲れないモノ」がどうも雅にはない。むしろ、雅が自分の為とか拘った柔道した時こそ「雅の覚醒」と踏んでいたんだけど。でも徹底的にクールというのもそれはそれで面白いけど。
徹底的にクレバーな頭脳・雅、強者に立ち向かう化物萌、ド素人だけど才能片鱗を見せ覚醒する京、等身大の苦悩など見せるも「譲れないもの」がある熱い金春…。やっぱり、望月女学院柔道は全員揃うと王道スポ根になるよな。だからこそ、団体戦が見たかった。
あと、「渾身の描き下ろし71P」として本編殆どスポットライトが当たらなかった穂積喫のエピソード。そのエピソードを通して1年部員の心の結束を強くするという心温まる珠玉の話。
描き下ろし
本当に良い話。
というか改めて読み返すと、彼女は1年部員で唯一の内部進学者であり、初期にあった「内部進学者追試試験でやっと受かった」という殆ど忘れていた伏線が見事に回収されました。やっぱりしっかりとした設定のバッグボーンがあったんだろうなぁ。まだま読みたいエピソードや掘り下げて欲しいキャラがいるんだよなー。
しかし、諦めない!
「巨娘」が再開されたとなれば、数年後に「からん」が再開する可能性はあるはず!