ちはやふる(12) (Be・Loveコミックス)
末次 由紀
講談社 (2011-03-11)

ついに全国大会が開始された「ちはやふる」。
ようやく登場した藤士崎高校。あの北央学園が初登場するなり「今年こそ静岡の藤士崎にリベンジ」と言ってた程、初期の段階で団体戦の王者として名前だけ登場していました。やっぱり決勝の相手になるのでしょうか。そんなわけで瑞沢高校は胡散臭い外人軍団とかクイズ王者とかイロモノを順調に撃破。まあ、キモはクイーン若宮誌暢が痩せて体型を戻した事です。というか団体戦より、すげぇ個人戦が盛り上がりそうな予感。

さて、最近は少女漫画で連載している百合漫画が盛り上がっています(俺の中で)。

りぼんで連載してた「ブルーフレンド」など、良い百合漫画でした。りぼんで百合漫画かよという事が先行していましたが、本当に良い漫画でした。


全2巻なのでサラッと読めるのが良いです。
百合というよりは、行きすぎた友情という気もしないではないですが「成長」というものを一つのテーマにしており、それを見事に描き切っておりマーベラスというもの。勿論、百合的にも非常に美味しいのです!

そんなわけで、ガチの少女漫画誌で百合漫画をやるというのが個人的にみなぎってくるのです。ほら、おっさん漫画雑誌でポツンと萌え漫画やってたら凄まじい希少価値と存在感にやられちゃうじゃないですか。あれと同じです。

というわけで、なかよしで百合漫画を連載してる「野ばらの森の乙女たち」が俺の中で非常にキているのです。

野ばらの森の乙女たち(1) (講談社コミックスなかよし)   野ばらの森の乙女たち(2) (講談社コミックスなかよし)

名門女学院の乙女たちの秘め事。
まあ、ぶっちゃければこってこての百合漫画なんですけど、私は「野ばらの森の乙女たち」が大好きなのです。どうにも私の中の琴線を鷲掴みにしてしまうのです。

何が素晴らしいって、古き良き青臭さ全開な所ですよ!
よく言えば、昔懐かしい感じ。悪く言えば古臭さい。いや、どうにも90年代に感じた臭いがプンプンするのです。もちろん百合漫画ですので、一見すればそんな感じはないんですけど。普通に少女漫画として見るとプンプン臭うぜ!

幼馴染というキーワードが俺のストライクゾーンってものですよ。
例えば、男女で幼馴染といえば、子供の頃は一緒に遊ぶ親友的な関係が、腐れ縁となり高校生になれば友達以上恋人未満的な。

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友達以上恋人未満的な

「さくら大好き(ハート)」
「…うん、わたしも初美がいちばん大好きだよ―」

のっけからラブラブすぎるだろ、という…。
そんな、友達以上恋人未満な関係こそ美味しい!
女同士でありながら西園寺初美と穂波さくらは、大親友でありながらも何やら友達以上で恋人未満な関係が俺のハートを鷲掴みに。

まず、既存の百合作品の焼き直しの如く展開される描写。オーソドックスというか王道というか。

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王道敵というか何処かで見たというか

「タイが曲がっていてよ」ならぬ「リボンほどけそう」です。
他にも「花びらついてるよ」と初美の髪に手をやったりと、何処かで見た事がある有名百合作品のような展開のオンパレード。

一見すればただの二番煎じなのですが、「野ばらの森の乙女たち」のマーベラスな点は、既存の焼き直しに終わらず、ここからさらに発展させた点。恋の関係が複雑に絡み合っています。ラブコメ展開で言えば、3つの三角関係が見ごとに絡んでリンクしています。

また、特質すべきは非現実的な頭お花畑でなく「泉様は女の人だよ?」などと、きちんと現実的な倫理の下で常識や心情がある事。等身大の恋愛がある。いわゆる百合的なリアリティー。

「野ばらの森の乙女たち」の主人公は初美であり、全て初美の視点で話が進むわけですが、幼馴染のさくらがヤバイ。可愛い。萌える。黒髪セミロング可愛い

先輩達のキスを目撃しちゃえば、ちょっと流行ってキスしそうになるとか。冗談で済ますも「もし…本当に…キスしたら、初美どんな顔するかな」とか呟いちゃういじらしさと切なさが、恐ろしい破壊力を計測。

そして実際に行動に移した日には、個人的にガッツポーズですよ!

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さくらめやりおった!

何が凄いって、キスシーンも超ニヤニヤなのにさくらの言い訳

「いきなりごめんね。初美があんまり泣くからなぐさめようと思って…」

幼馴染の親友を慰めるからキスしたとか、言い訳として完全に破綻してます。でも、「あ…そっかー」とか通っちゃうのです。どうなってるんだってばよ!

百合漫画の中に等身大の恋愛感情を挟みつつ、お花畑展開も突き進むという。この両者の見事なバランスの上で展開されているのが実に心地良かったり。そんなこんなで、色々あって初美は本当に好きな人に気付くという展開になって見事にラブがコメり出す展開は最高にハイってやつだぜ!

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結ばれちゃった

くしくも1話での親友という意味での「さくら大好き」とまったく同じ台詞で、恋愛的な告白をかます初美。意味合いは全然違う同じ台詞が胸熱ってもの。非現実的な女子校で百合百合するだけでなくリアルティーある等身大の恋愛模様をし、それでもロマンス溢れるという。このフワフワした感じがグッド!

というわけで、見事に幼馴染同士でラブがコメって結ばれて完結…と思いきや3巻に続くようです。綺麗にしまったのに続くのかよ!それもそのはず、野ばらで結ばれつつも2人とも座ってる上に私服だし

1話1目ページでは…。

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1話1ページ目

初美とさくらが立ったまま制服でキスしてたり。
恐らく、これに今後繋がるんだと思いますので、これからも目が離せない百合展開が期待できるかと。