「ドラゴンボールが「復刻堂 ヒーローズ缶」で新登場！」だとか。


「ドラゴンボール」のヒーローズ缶。
孫悟空の「亀」マークの武道着を筆頭に、幼少時代の孫悟飯、ピッコロ、ベジータ、トランクス、フリーザ、セル、界王様、スーパーサイヤ人の孫悟空…と、懐かしい面子が並んでいる。しかし、私は思う。なぜあのマークの人物がいないのか、と。

僕は主張したい！なぜ「鶴」マークがないんだ！


鶴
天津飯である。

亀仙流と対となる鶴仙流。
地球人最強の男で（三つ目で純な人間かは知らんが）、孫悟空の最大のライバルでもあったのが天津飯です。初登場は113話「第22回天下一武道会」である。亀仙人の弟子達が前回の大会で活躍したので、本当の武道というものを見せる為に鶴仙人が参加させたのが、天津飯と餃子の2人でした。

無事に予選を突破した天津飯は、本戦の1回戦でミスター1回戦ボーイ・ヤムチャを圧倒して準決勝に進出。そこそこ自分と戦えたヤムチャと戦い終え、思った以上に亀仙流は出来ると言いだすのでした。


ヤムチャ戦を終え
「だが、今のヤムチャというやつが、たぶん亀仙流の3人の弟子では一番の達人だったはず…。…という事は、オレが優勝でお前が準優勝、もう勝負は見えたな（ドヤッ）」

見当違いもいいところである。
亀仙流最弱のヤムチャを一番の達人と抜かす天津飯。だからオレが優勝で餃子は準優勝…と予測を立てるも、餃子はクリリンに敗れ去り、天津飯も運が良かったらから優勝出来たようなものでした。

恐るべき見当違いな眼力を発揮した天津飯ですが、この男の使った技は以後の「ドラゴンボール」では必需の技となりました。Z戦士の誰もが使うようになった「舞空術」と逃げ技の「太陽拳」である。もちろん、初めてこの技を使ったのが天津飯だという事はあまり知られていません。

ちなみに、決勝戦の悟空戦で見せた左手を額に置き右手を横にする構えは、サイヤ人の王子・ベジータも使った構えであり、「ドラゴンボール」においては無駄の無い理想的な構えなのかもしれません。


天津飯の構え
他に「とっておきの技」だと言う技も外せません。
餃子は「あれをやる気ですね…」、鶴仙人は「あのガキは死んだ」、亀仙人は「な…なにをする気じゃ…」と、クリリンは汗をかいて空気を感じ取ってます。天津飯が繰り出す技がとんでもない技である事が伺えます。その技とは…排球拳。

技を繰り出した掛け声は「排球拳いくわよーっ！」「はあーい（ハート）」「ワン！」「ツー！」「アターック！」…とういうもの。急にオカマ言葉で話だし、特にこれといった技でもなく自作自演で1人バレーの要領で悟空をトスしてアタックするだけでした。

しかし、この排球拳（掛け声）も後にピッコロが使うのでした。


排球拳
…。
えっと、つまり「舞空術」「太陽拳」に、構えから排球拳の掛け声など、以後の作中で天津飯は多大な影響を与えたともいえます。「ドラゴンボール」という作品の礎を天津飯が築いた…、そう言っても過言ではない（かもしれない）。

勿論、その後の天津飯は見るも無残な生き様なのですが。
ピッコロ大魔王が蘇り、むざむざ自分のせいで餃子が殺され、1人打倒ピッコロの為の特訓を開始しました。

亀仙人が「悟空もおらん今、大魔王を倒すのはおぬししかおらんじゃろ…。じゃが今のおぬしではまだまだムリ…。さらに修行を積み、いつの日かきっと倒してくれ…」と述べた通りに修行に励むかと思いきや、天津飯は武泰斗、亀仙人と同じように電子ジャーに封じ込める「魔封封」の習得を志すのでした。

まっとうに修行して戦闘能力を高め、いつかピッコロ大魔王を倒してくれという亀仙人の遺言を無視するかのような安易な魔封封の習得。亀仙人の思いを踏みにじっているとも言えます。しかも、あろう事か天津飯はぬけぬけと以下のように言い出すのでした。


魔封封を習得し
「勘違いするな…オレは別に世の為、人の為にやつを倒そうなどとかっこつけるんじゃない…。武道家として、やつを仕留めんと気がすまんだけさ…」

ちょっとツンデレ風に語る天津飯。
ピッコロ大魔王を倒すのは別にかっこつける為ではなく、武道家として倒さないと気が済まんだけだと言いだすのでした。戦う策は相手を封印する魔封封…とてもまっとうな武道家とは思えません。後に桃白白に言い放った「武道家としての誇りもなくなってしまったのですか」という言葉が虚しく響きます。

しかも、あろう事か本番では電子ジャーには穴が開いていました。
アホである。注意力散漫で、用意を怠った結果でした。結局、天津飯はまっとうな武道家としてピッコロ大魔王とガチンコ勝負をせざるを得ませんでした。

「ピッコロ！下に降りるんだ！とんでもない目に合わせてやるぜ！」
「刺し違えてでもてめえらをぶっ殺してやるぜ！」

結果…。


ピッコロ大魔王に戦いを挑むも…
とんでもない目に合わせれたのは天津飯の方だった。

ピッコロ大魔王に自ら手を下すまでもないと言われ、その通り手下のドラムにすら歯が立たずに醜態を晒すのでした。いつの日かピッコロを倒してくれ…という亀仙人の遺言を無視して焦って挑んでこの様である。

醜態を晒した天津飯は「孫悟空よ、オレはこれからもっと真剣に修行に励む。お前にこんなに差をつけられたままじゃ悔しいからな！」と言い放ち、次の天下一武道会での躍進を誓うのでした。

結果…。


神以上の修行をするぜと豪語した天津飯
パンツを見せての惨敗。

「やはりオレの思った通りお前はスピードだけは変わってなかった」「孫よ、残念だったな、この勝負オレの勝ちだ！」「オレのスピードに目はついてくるのだが、肝心のカラダが追いついていない！」と、ドヤ顔で言い放つも、重い胴着をつけてる悟空を見抜けずに敗れ去ったのでした。

3年前にヤムチャを亀仙流NO1と見当違いな目測を立てたのと同様に、スピードは3年前と変わらない（ドヤ）と、見当違いもいいところでした。「まるで成長してない…」と安西先生に言われてもおかしくありません。嬉しくないパンツを披露して終わった天津飯。

そんな天津飯が地球を救う為、来たるサイヤ人の襲来の為、神様の修行を受ける事になるのでした。天津飯に泣けます。何が泣けるってZ戦士に伝言を伝えるヤジロベーの台詞ですよ。


ヤジロベー
「全ての事情は分かってるぞ。だからお前と、ヤムチャってのと…天なんとかってのと餃子…か、すぐに来いってよ！」


天なんとかさんマジ空気！

なぜか天津飯だけ名前を覚えられていなかった。
ほとんどヤジロベーと絡んでいないヤムチャと餃子すらフルネームで呼んでいるのに、一緒にピッコロ大魔王戦に居合わせた天津飯だけ名前を憶えられていないという…。

実際にサイヤ人編以降は、クリリン以外の地球人はただのモブキャラになるのですけど。しかし、神様の修行を経験した天津飯は大きくパワーアップしており、パワーだけならラディッツと互角という戦闘能力1200のサイバイマンを圧倒し倒してしまいました。


サイバイマン戦
倒したと思って後ろを向いて一仕事終えたように見せかけ全然倒せてねぇ…。運が悪ければヤムチャの役割（サイバイマンの自爆）を食らったのは天津飯でも何の不思議もありません。なんでこいつトドメを刺した風に背を向けたのか、しかもベジータにはサイバンマンが油断したとか言われる始末です。

結局、油断したサイバンマン（倒せてない）を圧倒しただけで天津飯の見せ場は終了。以降のナッパ戦では「台地が震えてる…」「……（絶句）」と、ビビりまくるヘタレ野郎となってしまいました。

ナッパに真っ先に狙われた天津飯は為す術無く左腕を切断され「うおおおお！」とうめき声を上げていました。天津飯を助けようとしたクリリンにピッコロは「ほっとけ！やつはもうダメだ」と戦力外通告。役立気たずの烙印を押された天津飯抜きで戦いは続き、餃子が自爆し、ピッコロ達はナッパの隙を見つけていました。

何の役にも立っていない天津飯ですが、ナッパを脅かす為に最後の気功砲を放ち無駄死。



「さよなら天さん…どうか死なないで」→「オレもいく…お前だけに寂しい思いはさせんぞ…」。

こいつ言葉が通じねぇ。

ピッコロ戦の亀仙人の「いつの日か倒してくれ…」と言われたのに関わらず安易に魔封封に頼ったのと同様に「どうか死なないで」と言われた餃子の思いを無視して直ぐに死にに走りました。人の言う事を聞かない事に定評のある天津飯。結局、ナッパをビックリさせただけで餃子の思いを無視して死んでしまいました。

見当違いの天津飯、人の言う事を聞かない天津飯。
以降はその他大勢の雑魚、モブキャラとなるわけですが、この男の見当違いっぷりはモブキャラになっても光ります。フリーザにボコボコにされる孫悟空を誰もが心配する中で、天津飯だけはシタリ顔で言い放つのでした。


シタリ顔で
「心配する事はない。この勝負悟空の勝ちだ…」
「例の海王拳の事を忘れてやしないか？今の悟空なら最大10倍ぐらいのパワーまでなら何とか耐えられるんでしょ？」

見当違いもいいところである。
既に悟空は10倍海王拳を使って歯が立っておらず、10倍どころか20倍の海王拳まで使ってもフリーザに勝てません。

モブキャラに降格しても、相変わらずの見当違いっぷりを披露しった天津飯。フリーザ親子襲来、人造人間戦でもモブキャラの役立たずなのは相変わらず。それでも自分の可能性を信じて修行を積んだ天津飯。人造人間戦ではぬけぬけと言い放つのでした。



「餃子はオレが置いてきた」
「修行はしたが、ハッキリ言ってこの闘いにはついていけない…」


お前もな！

「あ…あいつまだレベルの違いに気づいていないのか、バカの世界チャンピオンだ…！」と、ミスターサタンばりの勘違いをしている天津飯。何をシレッと餃子だけついていけないと言いだすのか。まさか自分の可能性を信じて修行した天津飯は人造人間戦でついていけるというのでしょうか…。

結果…。


「あ…ああ…あ…」
首を絞められ瞬殺。
情けなさ過ぎる。餃子が闘ってもまったく変わらなかったでしょう。シタリ顔で餃子をこの闘いにはついていけないと言い出すも、天津飯もついて行けていないという散々な結果でした。

人造人間に歯が立たないのに天津飯はセルゲームに姿を現しました。相変わらず餃子を連れていませんが、まさかセルゲームに餃子はついていけないけど自分はついていけるとでも思っているのでしょうか。何しに来たのか分からない天津飯ですが、セル戦でも相変わらずの見当違いを見せてくれます。

悟空がかめはめ波でセルの上半身を吹っ飛ばしても、気がずいぶん残ってる時にヤムチャと一緒になって大喜びでした。見当違いもいいところである。そしてセルジュニアと戦う羽目になってしまった天津飯。天津飯の戦闘シーンはアゴを蹴飛ばされ、蹴りで吹っ飛ぶシーンのたった2コマという、ヤムチャ（3コマ）よりも少ないものでした。

孫悟飯のパワーアップにZ戦士達が驚く中で、ヤムチャ同様にセルジュニアにやられてぼろ雑巾の如く捨てられていた天津飯。


ボロ雑巾1 ・ヤムチャ　/ 　ボロ雑巾2・天津飯
かつては悟空と互角に戦い運が良かったとはいえ勝利を収めた男が、ヤムチャ同様の扱いになってしまいました。「ドラゴンボール」史上最も落ちぶれたキャラなのかもしれません。

結局、何の役にも立たなかった天津飯。
悟飯の活躍でセルを倒し、再び平和が訪れるのでした。「皆にはもう会う事はないと思うが…達者でな」と別れを告げた天津飯。人造人間戦、セル戦と醜態を晒しまくりでしたが、外せないのは地球人でありながら第二形態のセルを新気功砲で足止めするという信じられない見せ場があった事。


新気功砲
素直に凄い…。
神様と同化したピッコロ、人造人間16号が歯が立たなかった第二形態のセルを足止めしたのでした。

ヤムチャ化した天津飯の評価は僕の中でうなぎ昇りである。さらに劇場版「銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴（AA）」。これはセルゲーム終了から数ヶ月後という設定で、天下一武道会のような大会が開催されていました。そこに天津飯も参加するのですが1回戦でトランクスとぶつかり互角に闘ってみせ、トランクスをスーパーサイヤ人に変身させたのでした。


トランクスと互角に戦ってみせた
凄いよ天さん！
スーパーサイヤ人前のトランクスを新気功砲などを駆使して互角に戦い信じられない程の活躍を見せてくれます。最も天津飯が輝いていた瞬間です。

誰もが思ったものです。
ヤムチャ化したとはいえ、天津飯は地球人では最強である、と。

地球人最強の男・天津飯。
ところがどっこい、セルゲームから7年後。天津飯も41歳と立派な中年になった時、天下一武道会が開かれたわけですが、そこでヤムチャがクリリンの娘に言い放った台詞が天津飯の評価を激変させるのでした。


ヤムチャ
「お父さんは世界で一番強いんだ！」
「地球人の中じゃね…」

いつの間に天津飯はクリリンに抜かれていたのでしょうか。地球人最強は天津飯…そんな風に思ってた時期が俺にもありました。可愛い嫁をGETしたクリリンに対して、ランチと結ばれなかった天津飯…この差はいかんともしがたい。地球人最強という唯一の長所がなくなってしまいました。

魔人ブウ編でも、姿を現さずモブキャラどころか出番すら無くなってしまいました。このまま消えるかと思われましたが、デンデとサタンの命を救うという見せ場まで作って現れました。久々の天津飯です。

今までなんで姿を見せなかったのでしょうか。
「魔人ブウの変わりようにも驚いた」と言ってるし、魔人ブウのエネルギー派を避けて、随分前から気を感じて異変に気づいていたのに。悟飯以外みんな死んでからノコノコと姿を現すなんて、今までビビって隠れてたけど悟飯しかいなくなって、もう地球はダメだと観念して姿を見せたとしか思えません。最後の最後のギリギリまで隠れていた男である。

これが最後の天津飯の闘いですが、「くっそ～！じ、次元が違いすぎる！役に立てん！」と情けない事を叫ぶだけ。そして魔人ブウの下半身に蹴っ飛ばされKOされてしまいました。


ヤムチャ
人造人間17号戦ではパンチを空振りと首を絞められるシーンで3コマ。
セルジュニア戦では顎と顔面を蹴られ吹っ飛ばされるシーンの2コマ。
魔人ブウ戦では下半身に顔面を蹴飛ばされる1コマ。

最後の闘いは一撃、1コマで惨敗。
やられ様もどんどんコマ数が減ってしまい1コマで済まされてしまいました。やられ様のうめき声は「お…お…」というもの。そのうめき声はかつてのパンプッドを彷彿させます。


「お…お…」
…情けなさすぎる。
「お…お…」はこっちの台詞ですよ！お…お…もう…。

その後、ブウに吸収された悟飯達を救出するも、ブウは最後で最初の一番やっかいな形態となり、速攻で地球を吹っ飛ばそうとします。下半身に1コマで惨敗し、気絶している天津飯の事など誰も気にもとめてくれません。ブウの攻撃を前に悟空は瞬間移動を使って生きてる者を助けようとするのですが…。

「こっちだ！皆と瞬間移動する！！」


皆と瞬間移動する

天なんとかさんマジ空気！

一度も悟空の眼中に入る事無く、気絶している天津飯は地球ごと木端微塵になり死んでしまいました。どうやら「みんな」という中に天津飯だけ入っていなかったようである。
※天津飯が倒された所から移動しているので正確に放置プレイです

最後の元気玉では、生き返ったＺ戦士と仲間達、ウパとボラ、人造人間17号、スノとはっちゃん（人造人間8号）…と懐かしい面子が悟空の為に手を空に上げる中、天津飯の姿が発見できません。

天なんとかさん空気すぎるだろ…。

そして10年後…。
みんなの経過が報告されます。


10年後のキャラクター早表

天なんとかさんマジ空気！

犬のベエすらいるのに天津飯がいません。いくなんでも空気すぎるだろ。こうして雑魚キャラどころかエア化してしまった天津飯。泣けます。

ドラゴンボールの作者鳥山明先生は次の展開をまったく考えていないとも述べられるほど、行き当たりバッタリ。まさに明日が無いジャック・ハンマーのような状態でドラゴンボールを連載してたのは有名な話です。

しかし、初期はきちんと展開を考えていました。当初は、ドラゴンボールを七つ集めれて終わる予定だったのもファンの間では有名です。

ジャンプといえば、巨匠と言えども容赦なく打ち切る雑誌です。ドクタースランプで大ヒットをとばした鳥山先生といえども、人気が出なければ打ち切られます。そして、初期のドラゴンボールは人気がありませんでした。

その時、担当の鳥島氏に「キミの主人公は地味だね。だから人気ないんだ」と言われた鳥山先生がカチンときて、天下一武道会を始めたら人気がうなぎ上り。という温かいエピソードで超大ヒットとなったドラゴンボール。

しかも、現在のジャンプ連載陣の漫画家のほとんどがドラゴンボールファンだったというから驚きです。凄い影響力です。まさに現在の手塚治虫と言えます。

漫画家は人気があるだけでも凄いのですが、鳥山明先生は原稿を落とさない事でも有名です。どんなにきつくても原稿を落とさない。

何でもサラリーマン時代に締め切りは絶対だと叩き込まれたらしいです。締め切りもキチンと守るという主義に感服です。まさに漫画家の鑑ですね。どこかの漫画家とは偉い違いです。




集英社が誇る売れっ子漫画家の鳥山明先生。何故、集英社なのかというと、朝が辛くてサラリーマンを辞めた鳥山先生が、お金がなかった為に賞金50万円欲しさに漫画を描き始めます。しかも、マガジンに。

そして、マガジンの締め切りに間に合わなかった鳥山先生。連載前はダメ人間じゃないっすか！マガジンの投稿が半年後となっていたので、毎月投稿を募集してたジャンプに漫画を投稿。人生も行き当たりバッタリですね。

ちなみに、「鳥山明」というのは本名です。最初は「水田ニ期作(みずたにきさく)」というペンネームにしようとしてたとか。


ださっ！


ドラゴンボールに元となった漫画が2つ存在することをご存知でしょうか。「騎竜少年（ドラゴンボーイ）」【フレッシュジャンプ83年8月号・10月号】と「トンプー大冒険」【週刊少年ジャンプ83年52号】という読みきり漫画です。


騎竜少年は、背中に羽がある唐童(たんとん)の冒険。唐童(たんとん) の性格は悟空の原形であるといえます。中国風の世界もドラゴンボールの世界の原形だと思われます。2話目には、ウーロンの原形だと推測できる、変身する妖怪が登場します。

トンプーの大冒険は、サイボーグ少年のトンプーが惑星を探索するために、宇宙を旅する話。この作品は、ホイポイカプセルの原形と思われるモノが登場。お湯の中でカプセルを入れると10秒でモノに変身。

ここまでで、ドラゴンボールの原形はだいたい出来上がりました。しかし、肝心のキャラクターが出来てません。悟空達はどのようにして、出来上がったんでしょうか。


上の絵は、別に子供の落書きではありません。『ボボボーボ・ボーボボ』の作者、澤井啓夫先生という一応プロの漫画家が描いたドラゴンボールです。

このように、プロの漫画家といっても、絵が上手だというわけではありません。しかし、鳥山明先生の絵は素晴らしい出来でした。

ドラゴンボールのキャラクターを設定するまで、思考錯誤で色々と考えられました。まずは、1番最初の悟空の設定。



まんま孫悟空です。最初の悟空は、猿だったんですね。こんな猿から、世界中のヒーローの悟空が出来上がったんですね。ちなみに初期設定の仲間達。



誰ですか？
右のまんま猪八戒は、ウーロン？なんか、強そうで弱そうです。武器も持ってるし…左のウエスタン調の娘は、ブルマですか？ドクタースランプのみどりちゃん？このメンバーでドラゴンボールを集める予定だったんでしょうか…

さて、まんま西遊記の孫悟空から、人間の孫悟空に代わります。第二稿のドラゴンボールを見てみましょう。


だいぶソレらしくなりました。この悟空は、ちょっとオシャレじゃないですか。ちんこを平気で見せる悟空とはちょっと離れてる感じです。

ブルマらしき、女の子は銃携帯。ウエスタン調の女の子も銃携帯でしたから。この時からブルマは銃を乱射するイカレタ女にする設定だったんでしょう。

さらに、ドラゴンボール完成間近の第三稿を見てみましょう。


もう、ほぼドラゴンボールですね。悟空は尻尾がないぐらいです。服もドラゴンボールの悟空。

ブルマも見た目はほとんど変わりません。名前がピンチですが、なんでピンチという名前からブルマになったかは謎です。

この時は、他のサブキャラクターも出来上がっています。


…。
初期の予定では名前を外人みたいに『・』で区切る予定だったんですね。

しかも、プー・アルが刀装備。まさか、プー・アルは闘うメンバーの予定だったんでしょうか。

まあ、見た目は両方ともほとんど変わりません。ウー・ロンなんて、この時から一切変わってません。

さて、ドラゴンボールを語るうえでも、ヘタレを語るうえでも外せない迷キャラクターは、一体どのような設定だったんでしょうか…



何かが違う。
何かが違うけど、ヤムチャらしくていい。

まあ、このようにしてドラゴンボールが出来上がったんです。